なんか、よく分からん空気で返答に困っちまう
「お前は、頭を使うより、体に覚えさせた方がいい」
「は、はい」
き、緊張するな。
自分でお願いしといてだが、何が来るのか少し怖くなってきた。
「まずは、お前の自覚していない部分をハッキリさせる」
「はい?」
――――えっ?
ガンッ!!!
ソフィアが消えた。かと思えば、急に拳が目の前に。
咄嗟に両腕で防げたが、なんだよ、急に。
せめて、説明の一つでもしてくれよ!!
「わかったか?」
「な、なにが、だよ……」
「今、お前は俺の攻撃を咄嗟に防いだ。これが咄嗟の行動。触覚が鋭いんだろう」
拳を下ろし、ソフィアが距離を取る。
わ、悪いが、何を言っているのか、言いたいのかわからん……。
「ソフィアさんソフィアさん」
「なんだ」
「兄ちゃんと同じように接しては駄目らしいっすよ」
アンキが俺の方を指さし、ソフィアも俺を見る。
「…………阿保面」
「わかんねーんだもん!! 何を言いたいのか、わかんねぇーんだもん!」
難しい話し方はやめてくれよ!
俺は、カガミヤみたいに理解力高くねぇ―んだよ!!
「…………悪かった」
「別に、謝らなくてもいいけどよ………」
なんか、謝られると、それはそれで複雑だな。
「お前は、反射神経と、触覚が人並み外れている。魔力の方は俺にはわからんが、一般の奴らよりあるだろう。黒髪程ではないが」
「カガミヤと比べられるのは苦しいっつーの…………」
あれ、さっきまで大人しくしていたアクアがこっちに向かってきた。
「魔力なら私がわかりますよ~」
「そうか。こいつはどんな感じだ?」
「そうですね~」
アクアにまじまじ見られる。
なんか、緊張するなぁ~……。
「ソフィアの言う通り、魔力量は普通の人より多いですねぇ~。ですがぁ、知里ほどの魔力はありませ〜ん」
だから、比べる人がおかしいってーの。
「わかった。それなら、暗殺術を教える方向性でよさそうだな。それと、格闘術。主に、接近戦を強くする」
「それだと、チーム的にもいいバランスになりますねぇ〜。知里は接近戦が苦手みたいですし〜。補える関係性、いいですねぇ〜」
アクアが何故か頬を染めてヨダレ垂らしている。何を想像しているんだ?
「アルカが強くなったら、私も強い人と戦える。もっと、もっと楽しい戦闘が、できる!」
俺、強くなったらアクアと戦わないといけないのか?!
そ、そんなのきついぞ?! 絶対に無理だ!
「戦闘狂の言う通り、お前には黒髪の弱い部分を補う役割が一番適任だ」
「わ、分かった……。多分」
なんか、すごい空気。
こんな、ある意味すごい人達にカガミヤは囲まれていたいのか、すごい。
「あほ面やろう」
「その呼び方はやめてくれ、なんか、悲しい……」
「なら、餓鬼」
「他の呼び方に!!」
「……茶髪」
俺、アホとかガキ以外の特徴が、髪しかないのか……。
まぁ、今までの呼び方に比べると、まぁ……。
「返答がないのなら、茶髪で進めさせてもらう」
「名前は……」
「茶髪、俺もボランティアで修行を付けるわけじゃねぇ。俺にも付き合ってもらうぞ」
絶対に名前では呼ばないよなぁ……。
もう、いいけど……。
「えぇっと、俺は何をすればいいんだ?」
「俺の武器を試す的になってもらう。まず、接近戦のレベルを上げてから細かい技を教える」
レベル? 武器?
あ、エヴリンが手に持っている弓のことか?
確か、カガミヤと戦った時に、拳にも巻きついた中距離、接近戦、どちらも行ける武器だよな。
えっ、俺が的?
「いいだろ? 拒否はさせないけどな」
「いや、拒否はしないが、俺でいいのか? 実力的に、絶対試すなんて出来ないと思うんだが……」
言うと、何故かソフィアの瞳がキラリと光ったような気がした。
な、なんだ……?
「俺に追いつかせるのが俺の役目。俺の武器の的になるのが、お前の役目。実力までは求めていない。わかったな?」
「は、はい……」
殺気を放たれたから、頷くしかできなかった。
体に悪寒が走った。
背中に背負われている剣を無意識に抜くところだったぞ……こわぁ……。
「それじゃ、早速始める。まずは、背中に背負っている剣をアンキに預けろ」
「わ、わかった」
アンキが「受け取るっすよー」っと、手を差し出してくる。
直ぐに渡すと、ソフィアが歩き出してしまった。
「ど、どこに行くんだ?」
「もう少し奥に拓かれた場所がある。そこの方が動きやすいだろ」
ここも拓けているけど、もっと奥に行けば、ここより広い場所があるのか。
「わかった!!」
「……お前、素直すぎだろ」
「普通だろ?」
「……まぁ、いい」
ソフィアがまだ何かを言いたそうにしていたけど、なぜかそれ以上何も言わず歩き進めてしまった。
後ろでアンキが笑っているような気配を感じるけど、なんなんだぁ??
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