意味が理解できなくて困惑です
開けた森の中。木に囲まれ、薄暗い。
今日はそこまで天候も良いわけではないし、肌寒いな。
「――――というか、ここってアルカにとっては絶好の戦闘場所じゃないか?」
木に囲まれている森の中。
スピードを生かしやすい地形じゃねぇか。
それに、アルカは何でも足場に出来る。
鎖みたいな不安定な足場でも、ラクラク飛び回れるし、こんなしっかりとした木なんて絶好の足場。
それをアルカが理解して飛び回れるかはわからんけどな。
そんな事を考えていると、アルカとリヒトの準備が出来たみたい。
今回も審判は、エトワール。二人の様子を見て、右手を上げる。
「では、準備はいいですね?」
「おう!!」
「はい!!」
リヒトもやる気満々だな。
二人の戦闘は、模擬戦だろうと見るのは初めて。どんな感じに繰り広げられるのかものすごく気になるな。
「では、戦闘開始!!」
っ、まず、アルカが地面を蹴り走り出す。
すぐさま、リヒトは魔法を発動。
「lehrd!」
シールド魔法か。
アルカの脚力はバケモン。ぶつかる直前で、進行方向を変えた。
リヒトの後ろに回り、剣を振り上げる。
「chain」
「っ!!」
おっ、アルカの後ろから鎖魔法で剣を絡めた。
そのままリヒトは杖を引く。連動している鎖も、アルカの剣を後ろから引っ張り、転ばせようとしている。
「ぐっ!!」
アルカが何とか剣を離さず地面を踏みしめ耐えているが、リヒトも負けない。
こういう時、俺ならどうするかな。
…………俺の場合は違う魔法を放ってリヒトを牽制するか。
アルカは――……
「|ground・blade!」
なるほど。遠隔操作型魔法を出し、リヒトに向けて放ったか
俺と同じ方法だな。
リヒトも避けるため走り出した。
それにより、鎖に集中していた魔力が霧散する。
アルカが弱まった鎖を力任せに引きちぎったため、消えた。
駆け出し、土の刃を操りながらリヒトへ剣を振りかざした。
――――ピタッ
勝負あり、だな。
「やっぱり、リヒトは援護で輝く人材だな」
「今のところはそうだね」
これは、やっぱりリヒトの隠れている魔力を出させないと成長は難しいか……。
手札が無さすぎるし、援護に特化しすぎだ。
せめて、一つでも攻撃魔法が使えればなぁ……,
「やっぱり、私ではアルカの足元にも及ばないなぁ」
「そんなことないぞ。鎖魔法はさすがに驚いた。あのあとにすぐ、攻撃を仕掛けられていたらまじで危なかった。攻撃魔法は無理でも、今のは水魔法を出すのもよかったかもな」
「あぁ、確かに。動きを封じ込めていたわけだし、すぐに魔法を切り替えればよかったのか」
ほぉ~。なんか、和む。
今も二人は今の実戦でお互いに悪かったところを話し合っている。
リヒトのモチベも上がっているし、アルカも楽しそう。
「やっぱり、あの二人は良いコンビかもしれないね」
「俺がいない方が円滑にことが進むんじゃないか?」
「それはないから安心してよ」
アマリアに言いきられてしまった。
実力的なことを言っているのなら、まぁ、そうか。
魔力量は俺が一番だしな、はっはー!!
「子供の喧嘩みたいな模擬戦だな」
「今回の模擬戦を喧嘩で行っている子供がいたら、見てみたいものだな」
ソフィアからしたら、今の二人の模擬戦は子供の喧嘩らしい。
ロゼ姫がソフィアを睨んでいる。
リヒトとアルカを馬鹿にしたとか思っているんだろうなぁ。
グレールがロゼ姫の肩を掴んで落ち着かせているから、いいや。
流石に、ソフィアの実力的に勝負を仕掛けるのはロゼ姫が危ないと思ったんだろうなぁ。
「あ、あれ、ソフィア??」
いきなりソフィアが二人に近づき始めてしまった。
ソフィアに近づかれた二人は、顔を青くしてしまった。
まぁ、顔を青くするよねぇ。
ソフィアのことを相当怖がっているし。
「お前ら見てると本当に腹が立つな」
「す、すいません……」
「ごめんなさい!!」
素直に謝る二人。
なんで腹が立っているのかもわかっていないのに。
って、ロゼ姫の怒りが頂点に達しそうだぞ!!
グレール、何とか抑えてくれ。今はお前しかいない。
「力の持ち腐れ。お前ら、今まで何をしてきた」
「え、えぇっと…………」
確かに、二人の実力はすごいらしい。
天才という奴だろう。だけど、その力を出し切れていない。
アルカの場合は単純の実戦不足。
リヒトは気持ちと知識。それを今から学ぼうという時に、追い込めてやるなよ……。
「おいおい、ソフィア。こいつらも自分の欠点をわかっている。だからこれから学ぼうと魔法学校にリヒトは行くんだぞ。今言っても意味はないだろう」
「そこじゃねぇよ」
「え? なら、どこだ?」
俺が聞くと、ソフィアがこっちを向いた。
な、なに、普通に怖いんだけど。
「どこも何もねぇよ。こいつらはもう充分、最大値を出せる。それなのに出さない。それに腹を立てているんだ」
…………………どういうこと?
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