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神出鬼没だからもうどこから現れても驚かんぞ

 今日は、学校も休みとうわけで、魔法の練習がしたいとリヒトが申し出た。

 まさか、そんなことを言われるなんて思っていなかったからびっくり。てっきり、エトワールから言われるかと思ってた。


「休みの日でも、魔法の練習しないと…………」

「気負いすぎ…………」


 とはいえ、俺も魔法は初心者だし、リヒトの魔法は独特。

 模擬戦なら出来るけど、魔法の特訓はできないんだよなぁ。


 エトワールなら教えられるか。

 そんなことを思っていると、アルカが手を上げた。


「なら、俺と模擬戦しないか?」

「え、アルカと?」

「おう!!」


 あぁ、もしかして、俺がこっちの世界に来る前は二人で模擬戦をしていたのか?

 それにしては、リヒトはしぶってるけど……。


「で、でも、アルカ。私じゃ、アルカの相手にはならないよ? それは、アルカもわかっているでしょ?」

「でも、今はもう違うだろ? 俺も、腕がなまっている気がするし。それに、リヒトが頑張っているのに、俺ばかり遊んでもいられないだろ!」


 それ、共に行動している俺も遊んでいる括りになるのだが、考えない方がいいだろうか。


「でも…………」

「いやか?」

「グッ!!」


 あ、アルカの純粋な問いかけに、リヒトがダメージを喰らってる。

 ついでに、なぜかロゼ姫も喰らってる。

 グレールとアマリアはなぜか感心してる。


 本当に、このパーティー、なに。俺、付いていけない。


「わ、わかった。でも、本当に私は援護ばかりしてきたから、あまり期待はしないでね?」

「おう!! よろしく頼むな!」


 昔ながらの仲間同士の模擬戦か。

 こう、なんか、盛り上がるな。


「へぇ、あの二人、模擬戦出来るんですねぇ~」

「俺が加わる前は、二人で冒険者として動いていたからな。それくらいはしていたんだろう」

「なるほど」


 話が付いたところで、模擬戦が出来るフィールドを探す。

 前回は、魔法学校の教師――――キロンニスだったか。そいつの計らいでフィールドを借りれたが、今回は本当に私事。借りれないだろうな。


 …………前回も私事だった気がするけど、あまり考えないでいようか。

 えぇっと、このツムリア帝国にあるのかな、フィールド。ありそうだな、魔法に特化した帝国だし。


 どこか――ん?

 森の中から、気配。誰だ?


 あっ――……


「神出鬼没ソフィアさんじゃないですか、いかがいあつぃましたか?」

「その話し方やめろ、殺したくなる」


 気配なく拳銃を取り出して俺の額に突きつけないでください。

 その言葉が冗談では終わらなくなります。


「え、そ、ソフィアさん!?」


 リヒトが悲鳴に近い声を上げてくれたおかげで、俺に突きつけられていた拳銃が下ろされた。


 助かったぁ。両手を上げて降参ポーズなのに全然下ろしてくれないんだもん。びっくりした。


「ふぅ。んで、お前はなんでこんなところにいるんだ?」


 ここは、ツムリア帝国の外にある宿屋の前。お前が来るのはおかしいだろ。

 この宿屋に部屋を取っていたのか?


「お前を探してたんだ」

「え、俺?」


 なんか、嫌な予感なんだが……。


「俺の相手をしてほしくてな」

「…………ナンデ」

「新しい武器が、やっとさっき届いたんだ」


 え、つまり?


(あん)ちゃん、久しぶりっす!!」

「アンキじゃねぇか。――――と?」


 二人の奥に、誰かいる。

 誰だ?


「あっ、前に出てきてくださいっす! 大丈夫っすよ、兄ちゃんは怖くないっす。見た目とは裏腹に」

「え、俺、見た目、怖いの?」

「圧力を感じるっす」

「身長かなぁ」


 俺、そこまで小さくないからな。

 アンキはチビだし、圧力を感じても仕方がないだろう。


 そう考えていると、ソフィアが無理やり後ろにいた奴を前に出した。

「ウギャ!!」という変な声を出していたが、大丈夫か?


 前に出てきたのは、浮いている車椅子に座っている女。

 腰位まで長い金髪に、緑の目。白いシャツにピンクのスカート。

 THE、女。って、感じの女だ。


「え、えええええええっと、わ、わわわわわたしははははは」

「…………おう」


 そういうタイプの女か。

 なら、余計なことを言わない方が話は進む。


 そう、そういうもんだ。

 余計なことを言うな、俺。この世界で学んだだろ。


「あん、ああああああ、あの、わわわわわ私は、あの、えぇっと…………」

「……………………ソフィア」


 ソフィアを呼ぶと、ため息を吐きながら腕を組み、前に出た。


「こいつは、エヴリン。研究員だ。今回はこいつから新しい武器を作ってもらった」

「あー、それでか」


 俺と模擬戦をして、武器の使い勝手を試したいんだな。

 それをこの女、エヴリンに見せる、そういう流れか。


「カガミヤさん…………」


 リヒトが俺を見て来る。

 なんでこうも、八方塞がりになる率が高いんだ、俺。


「今、先約がいる。その後でもういいか?」

「……………………了解だ」


 なんとなく、空気は読んでくれたらしい。

 そこは良かった。空気を読んでくれて嬉しいぞ。


 この後は、ソフィアもついてきて、宿屋から離れる。


 ツムリア帝国に模擬戦用のフィールドがあるかわからんし、アルカとリヒトの戦闘なら特大魔法も出さないだろうと言うことで、森の中で開けている場所を探すことになった。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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