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アルカの優しさが身に染みるぜぇ

「エトワール、何をしたんだ?」

「少々、魔法を使わせていただきました」


 聞くと、|bevelensomniumブヴェールン・ソムニウムと言う魔法を発動したらしい。


 相手と目を合わせ、意識を半分だけ夢の中に送り込む。

 朦朧とした意識に軽い命令を送ると、相手はその通りに動くみたい。


 結構、怖い魔法を持ってんだなぁ。

 でも、そのおかげで俺達は全員、ツムリア帝国に入れた。


 後が怖いけど、大丈夫なのか?

 編入試験の時でもせこい魔道具を使う予定なのに。


 まぁ、今それを考えても仕方がない。

 それより、俺は今、危険な状態となっている。


「きもちわる……」

「知里は、そうなるよね」


 中に入り、少し歩いただけで撃沈。

 中は、やっぱり人。しかも、女性が多いからなのか、甘い匂いが漂っていて、いつもの倍気持ち悪い。


「リヒトとエトワールは、これから忙しくなるだろうし、知里は僕達に任せて」

「大丈夫なのですか、アマリアさん。あの、本当に、あの…………」

「まぁ、知里は放置していてもいいとは思っているし、大丈夫だよ」


 アマリアの言葉は、とりあえず気にしない。

 エトワールが気にしているのは、アマリアが掴んでいるアクアだろうな。


 だって、黒いローブで顔を隠しているとはいえ、今にも興奮で暴れ出しそうなアクアを制御しているもんな。


 アマリアが首根っこ掴んでいるから迷子にならないだけで、離した瞬間にでも何処(いずこ)へ行ってしまいそう。


「俺は行くぞ」


 あっ、ソフィアが俺達の返答を待たずに離れてしまった。


 道中だけだとは思っていたし、いいか。

 なにか、また困った時にでも探そう。

 しばらくは、ツムリア帝国にいるだろうし。


「チサト様は私達も見ますので、エトワール様とリヒト様は魔法学校へ。編入試験を受けるのにも、色々手続きが必要でしょう」


 グレールが俺の腕を肩に回し、支えてくれた。


 まさか、グレールがここまで優しくしてくれるなんて思わなかった。熱?


「わかりました。確かに、ここから別行動の方がいいかもしれないですね。リヒトさんも、よろしいですか?」


 エトワールがリヒトに聞くけど、耳に問いかけが入っていないのか返答がない。

 視線が、俺を射抜く。いや、射抜いている訳じゃないけど。


「どうした、リヒト。俺なら休めば大丈夫だぞ」

「…………応援、してください」

「今の俺に?」

「…………」


 ダウンしている俺からのエールが欲しいと。

 ほしいのは俺なんだが? 俺がエールを送ってほしいのだけれど?


 いや、マジで送られたのならば嫌悪感いっぱいの顔を浮かべるけど。


「…………何かあれば絶対にエトワールを頼れよ。あと、学んで来い」

「っ、はい!!」


 うわぁ、嬉しそう。

 ワクワクした表情でエトワールと共に魔法学校へと向かった。


「頑張ったね、知里」

「早く、人のいない所に……おえ……」


 やばい、吐く……。


 ※


「大丈夫か、カガミヤ」

「アルカだけだ、俺を本気で心配してくれるのは…………」


 今は、久しぶりにアルカと二人っきり。


 アマリアは、もうアクアの暴走を止めるのがきつくなってきたから少し見て来ると言ってしまうし、ロゼ姫とグレールも見て回りたいと、いなくなった。


 だから、俺達は今、ツムリア帝国の端の方。まだ自然が残っている影に腰を下ろし休んでいた。


 少し、人通りの少ない場所とはいえ、楽しげな声は聞こえるし、前を人が歩く。

 甘い匂いは落ち着いたから、そこは良かったけど、まだ気持ち悪いな。回復に時間がかかりそう。


「……アルカも行きたかったら行ってもいいんだぞ。ここまで落ち着いたら、一人でも問題はない」


 一応アルカに言うけど、悩むことなく首を横に振った。


「カガミヤが完全に復活してから一緒に回ろうぜ。俺一人で回っても分かんねぇし」


 …………俺の事を心配してんだな。一人にはできないと思ってんだ。


 アルカも、リヒトと同じくらいかそれ以上に純粋で優しいもんな。


「…………せっかくだし、アルカもなにか魔法を習得してみるか」

「え、出来るのか?」

「アマリアが言うには、属性魔法は強く想像すれば新しい魔法を習得できるらしいぞ。アルカは知らなかったのか?」


 聞くと、腕を組んで思い出す。


「んーーーー。俺は、何も考えずに魔法を使ってきたからなぁ。魔法がどういう原理なのか、そう言えば知らなかったなぁ」

「アルカらしいな」

「まぁな!!」


 元気に頷くな。

 まぁ、アルカは感覚派だし、これは当然か。


「でも、もしここで新しく魔法を取得出来たら、俺は強くなれる。カガミヤに少しでも追いつけるよな!」


 ニヤッと、笑って俺を見た。


「カガミヤに追いつけるのなら、なんでもやる。魔法習得もやるぞ!」


 アルカが宣言した。

 はは、俺基準なのね。


「おうおう、がんばっ――……」

「あれ、懐かしい顔がある」


 ん? 懐かしい声が聞こえた。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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