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嬉しい限りではあるんだが、何をしたんだ?

「うわぁ…………」

「ツムリエ帝国を見てそんな反応するのは、知里とソフィアくらいだと思うよ」


 あっ、本当だ。

 ソフィアも表情は変わってないけど、顔色が変わっている。


 多分、俺も同じくらい青くなっているんだろう。


 だって、仕方がないじゃん、こんな光景、顔も青くなるって。


 今、俺達の目の前に広がっているのは、明るく輝かしいツムリア帝国。

 出入り口には門があり、その上から見える景色だけで、もう、無理。


 カラフルな三角の旗や、複数はあるだろう建物の屋根。しかも、それもカラフル。

 魔法使いの集まる帝国なだけあって、人が箒に乗って飛んでいる。


 そう言えば、俺達のメンバーで飛べるのって、アマリアとアクアだけだったな。

 あ、俺も魔法を使えば飛べるか。


「外からだけでもわかりますね、この帝国がどれだけ大きいのか」

「ここまでの領土を広げるのに、どれだけの年月をかけたのでしょうか。少々、気になりますね」


 ロゼ姫もグレールも興味津々。

 エトワールは「変わったなぁ~」と、一人穏やかに笑っている。


 リヒトとアルカは、もう子供のように大はしゃぎ。


 ここではアクアも大はしゃぎするかなとか思ったけど、アマリアから離れず、フードをかぶり帝国を見上げるだけ。


「あれが、魔法学校かな」

「かもしれないな」


 一際大きい建物が見える。

 お城のような、大きい建物。三角屋根が特徴で、てっぺんから帝国を照らすように三角の旗が伸びていた。


「門を潜ると地獄の始まりだ」

「それはソフィアと知里だけだから。それに、今はその地獄にも入れるかどうかだよ」


 あぁ、そうだった。

 アマリアとアクアをどう見られるで、俺達が中に入れるかが決まるんだっけ。


 まぁ、最悪、リヒトとエトワールさえ入れれば問題はないんだけど。


 俺は、アマリアと離れられないから、拒否されたら仕方なく外で待機だな。


 門をくぐる為に、受付をしている女性に話しかける。


「こんにちは。ようこそ、ツムリア帝国へ」

「ここの魔法学校で近々編入試験が行われると聞いて来たんだが、入らせてもらえるか?」

「わかりました。…………全員、でしょうか?」

「いや、二人だけだ」

「どなたでしょう」


 聞かれたから、二人が一緒に前に出た。


「この二人だ」

「わかりました。いくつか質問させていただきます。お答えお願いできますか?」


 受付の問いに、二人は頷いた。


「ありがとうございます。では――……」


 最初は名前や年齢、家族構成などなど。

 エトワールはめっちゃ平然と嘘を言っているけど、そこはいいや。

 普通の面接みたいな感じの始まりだ。


「ありがとうございます。では、これで最後です。貴方達のご職業はなんでしょう」


 職業? それは、冒険者とかでいいのか?

 リヒトが戸惑っていると、エトワールが代わりに答えた


「私は、ギルドの受付。この子は、ギルドに所属している冒険者です」

「ありがとうございます。ちなみに、どこのギルドの受付でしょうか? それと、冒険者のお名前をお願いします」

「セーラ村です」


 エトワールは、リヒトに目線を向ける。


「え、えっと。黎明の探検隊です」

「わかりまし…………え、黎明の、探検隊?」


 あれ、チームの名前を言うと、怪訝そうな顔を浮かべちまった。

 リヒトは首を傾げている。エトワールは「あー」と、なんか、曖昧な表情。


 な、なに?


「え、えっと。今、黎明の探検隊の履歴を検索させていただいたのですが、あの……。色々、波乱万丈だったのですね」

「まぁな」


 それだけならいいんだけど、まだ何かあるな……。


「あと、チームに一人、管理者さんの名前が……」


 やっぱり来たか。

 なんとか一番後ろにいてもらったが、ここでばれるとは思わなかった。


 流石にここで黙っていると変に思われるし、仕方がない。

 アマリアに声をかけ、前に出るように言った。


「さすがに駄目だったね」

「や、やはり、管理者のアマリア様…………」

「今は管理者じゃないよ。元だよ、元。今はただの冒険者。この国に何かやるなんてことはないから安心して。権限もないし」


 何とか弁解しているけど、苦しいかな。

 受付の表情が変わらない。


「と、言われましても、管理者の行いはツムリア帝国ではあまりよく思われていなかったのです」

「どの国や町でもそうだと思うよ」

「でしたら、わかりますよね。アマリア様を許している冒険者を、やすやすと中にお通しする訳にはいきません」


 やっぱり、そう来るか。

 しかも、アマリアだけでなく、許している冒険者となると、リヒトも含まれる。


「頭が固いなぁ~」

「規則なので」

「どんな規則なの、それ。管理者を中に入れるなって? そんなの、管理者だった頃の僕には通じないよ。今はものすごく通じているからすごく困っているけど」


 素直に言うなよ、事実だけど。


「怪しい人、ツムリア帝国を揺るがしそうな人物を入れない。これが、規則です」

「それっぽいなぁ」


 そんな規則を何とかするなんて、難しくないか?


「エトワールさんだけでしたら。入国は出来ますよ。いかがいたしますか」

「それだと意味がないのですよ。せめて、リヒトさんだけでも中に入れさせていただけませんか?」

「それは出来かねます」

「どうしても?」


 あ、あれ? なんか、エトワール、受付に顔を近づかせていないか?


「どうしても、で、す……」


 あ、あれ? なんか、雲行きが……。


「『────もう一度聞きます。私達全員を、ツムリア帝国に入れていただけませんか?』」


 ま、魔力? エトワールから?


「あーあ、使ったね。まぁ、これなら特に問題ないか」

「な、なにが?」

「見ていれば分かるよ」


 言われたからエトワールの方を向くと、予想外な展開に転んだ。


「わかりました。お手続きをいたしますので、お待ちください」


 え、あ、入国、出来た……え?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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