簡単に倒せたはいいが、天候までは操れないぞ
やっぱり、野宿は体に悪いな。
「あー、体いったぁ……」
「歳じゃない?」
「自分で言うのはいいけど、人に言われるのは嫌だ。あと、お前には言われたくねぇよ」
なんで、この中で一番年上のアマリアに年齢を言われないといけないんだよ。
見た目は子供だろうと、実年齢は三百以上だろ。
俺は、まだ二十八だ。
「でも、たしかに体が痛いですね。私も歳でしょうか」
「ロゼ姫はまだまだお若いです、それは年齢ではなく、慣れていない体勢で寝てしまったからですよ」
ロゼ姫が首を触りながらぼやき、グレールが全力否定。
なぜか、グレールの殺気が俺達に注がれたため、瞬時に顔を逸らしました。
はぁ、このまま歩き続けていると、どこにたどり着くんだ?
まだ、森から出そうにないけど。
「――――雨が降りそうだね」
「雨雲が怪しいな」
木に隠れているけど、隙間から見える雲は黒い。
辺りも暗いし、雨の匂いが鼻を掠める。
「どこか、近くの町に避難した方がよさそうですね」
「近くだと何処かな」
アマリアがエトワールに問いかけると、懐から地図を出した。
「えぇっと、ここから一番近いと、小さくても大丈夫でしたらヒレジアですね」
「ヒレジア?」
「はい。そこまで大きくないため、武器屋などは期待できませんが、宿くらいなら手配できるかと。ただ、まだ歩かなければならないため、急ぎましょう」
エトワールに案内をお願いして、少し急ぎ足で森を抜ける。
草原が広がっているのかなとか思っていたけど、ここから小屋とか看板とかが見えてきた。
「…………もう、住んでいないないらしいな」
小屋は半壊しているし、看板も汚れすぎて文字が読めない。
今までずっと黙っていたアクアが上に上がって周りを見始めた。
どうした?
「アクア、どうしたの?」
「アマリア~。なんか、モンスターの気配を感じますぅ~。しかも、大量です~」
え? モンスターの気配?
俺より先にグレールが気配を巡らせた。すると、「確かに感じますね」と、氷の剣を作りだした。
「そういえば、ここにも町が一つ、あったね。モンスターの大量発生によって人が追い出されてしまったのかな」
「そうだったはずですよ、アマリア様。まだ、縄張りとして使われていたようです」
みんなが警戒を強めた。
アルカも剣を構え、リヒトも杖を強く握る。
ロゼ姫も氷の杖を作り出し、アクアもアマリアも地面に足を付けた。
「戦えますか? 戦ってもいいでしょうか??」
「アクアは駄目だ、被害がどこまで大きくなるかわかったもんじゃない」
「えー!!!」
そこまで驚くか?
絶対に被害とか考えずに水魔法を放つだろうが、絶対に駄目だ。
「アマリアは、アクアを見てやってくれ」
「はいはい」
縄張りに使われているところに俺達が着ちまったって事は、大量に来る可能性があるよな。
広範囲魔法の準備をしておこう。
「――――来たな」
ソフィアの声と共に、今まで歩いて来た森から足音が聞こえ、瞬間大量の狼が現れた。
「|Mitrailleuse flame」
「icicle」
俺は炎のガトリング砲を発射、隙間を塗って襲ってきた狼は、グレールが氷の柱で蹴散らした。
「…………早すぎる」
「魔法を出す暇すらなかったな」
「何も出来ませんでした……」
リヒトとアルカ、ロゼ姫がポカンとしている。
そんなこと言われても、準備していたし、普通だろう。
「…………これで全部か?」
「だと思うぞ」
ソフィアが焼けたり、串刺しになっている狼に近付く。
様子を見て、「ふむ」と頷いた。
そんな中、動きを見せなかったソフィアが恐ろしい事を口にした。
「あれは食えるのか?」
「今日は野宿しないつもりだから食料確保は考えなくていいんじゃないかな」
「そうか」
アマリア、ナイス。
俺、頭が追い付かなくてツッコめなかったわ。
「モンスターも片づけたので、早くヒレジアに行きまっ――――」
――――ポタッ
あっ。
――――ザァァァァァァアアア
「…………コントか」
「もう、予想通りすぎて笑えないね」
雨が一気に降ってきた、はぁ。
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