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やっぱり、女ってわからん

「攻撃のイメージが頭の中でうまく出来ないのかなぁ。でも、それならacqua(アクア)を知里に見せてもらって、見ながらやれば出来るかな?」

「それは確かにいいかもしれないですね! さすがアマリア様ですかっこいい! 知的で素敵な方です!」

「エトワールは誰かに質問されるまで口チャック」

「はい!!」


 本当に口を押えた。

 アマリアには本当に忠実だな。


「それじゃ、今のを少しだけ試してみよう」


 みんなで立ち止まり、リヒトを凝視。

 あぁ…………、うん。このメンバーに見つめられたら怖いよな。涙目で俺の後ろに隠れちまった。


「俺も注目されているし、意味ないと思うぞ。つーか、見んなおめぇら」

「でも、みんなで確認しないと、原因がわからないでしょ?」

「…………リヒト、頑張れ」


 たしかに、色んな視点で見た方がいいだろう。

 今回ばかりはリヒトの味方になれないわ、どんまい。


「早くやれ、時間の無駄だ」

「うっ、は、はい……」


 ソフィアに言われたら、やるしかないよな。


 リヒトが俺から離れ前に移動してきた。

 ひとまず、俺の魔法を見てから頭の中で想像してリヒトも出すって感じなんだっけか。


「――――ほれ」


 右手にacqua(アクア)を出し見せる。

 リヒトがじぃ~と、真剣に見てきた。


「イメージ出来そう?」

「…………多分。ですが、やはり難しいです」

「なんで?」

「…………」


 アマリアからの質問には答えず、リヒトが杖に魔力を込め始めた。


 淡く光り出したな。

 これならいけそうじゃないか?


 そう思っていたんだけど、中々水が出ない。

 淡く光るだけで、acqua(アクア)が出ないな。


「頭の中でイメージは出来ているの?」

「出来ています。カガミヤさんのを見ながら行っていますので」

「だよねぇ~」


 それでも出せないのか……。

 ダンジョンでは俺が抱き着いて、感情のままに出していたけど、流石にそれをこれからもしていくわけにはいかないしなぁ。


 イメージ以外に何かありそうだな、原因。

 何が原因なのか……。


(……アビリティ、透視)

(『透視を発動します』)


 俺が持っている透視スキルは、物の奥が見えるだけではなく、人の心まで読むことができる。


 今、リヒトが思っていること見れば、なにかヒントがあるかもしれない。

 悪いが、見せてもらうぞ。



『怖い』

『出さないといけないのに、集中できない』

『攻撃魔法を出さないと、意識しないと』



 ほー、周りからのプレッシャーに負けているって感じか。

 いや、それ以外にもあるな。


『攻撃魔法を出して、万が一殺してしまったら……』


 …………なるほどねぇ。


 透視を消し、リヒトを改めてみる。

 焦っているような表情を浮かべているけど、恐怖は感じない。

 でも、怖がっていたんだな。


 攻撃魔法は、一歩間違えれば人なんて簡単に殺せる。

 それこそ、使い方次第で弱い魔法でも簡単に殺せる。


 それが、リヒトにとっては縛りになっているのか。

 殺すのが怖い、か。


 優しい人だからこその悩みであり、恐怖だな。

 俺ならなにも思わない。なんだったら、悪い人物は死んでもいいと思う。


 俺からお金を奪う奴は即刻殺す。


「…………リヒト。acqua(アクア)に殺傷力はほとんどないぞ」

「え?」

「ほれ」


 油断しているアルカにacqua(アクア)を放つ。

 …………けど、普通に反射で剣で切られた。そこはぶつかれよ。


「な、な?」

「お前の反射神経を見誤っていたわ」


 いいながらアマリアに放つ。

 殺気も視線も向けていなかったから、アマリアはもろに食らってびしょびしょ。


「…………知里」

「わりぃわりぃ。でも、アマリア。痛い所はあるか?」

「これから痛がるのは知里だと思うよ」


 こうなるからアルカが良かったんだよなぁ。

 絶対に怒らないし。


「ほれ、俺に怒りを向けてくるくらいには痛がってないだろ?」

「え、え? は、はい」

「つまり、acqua(アクア)には殺傷力はない。何か工夫すれば殺せるかもしれないが、放つだけだと相手を濡らすだけの威力だ」


 これだけ言っても、リヒトはわからないかな。


「それに、俺は工夫して相手を追い詰めたりはしたがacqua(アクア)でとどめを刺そうとしたことはない。大体は、グレールと組み合わせで使ったり、相手の動きを牽制する時にしか使わない。だから、リヒト、怖がるな。これは攻撃魔法ではなく、補助魔法だ」


 言うと、リヒトは目を大きく開き、驚いた。


「わかっていたんですか、カガミヤさん。私が、怖がっているの」

「透視で見た」

「…………ん?」

「透視で見たからわかった。スキルを使わなかったらわからんわ」


 勝手に透視を使ったのは悪かったけどなぁ。

 それに対しても謝った方がいいか。なんて謝ろう。


「…………知里、悪いけど僕、巻き込まれたくないから離れるね」

「え?」


 なんか、アマリアを筆頭にみんなが俺から離れる。

 ソフィアでさえ目を逸らし離れた。


 な、なんか、嫌な予感…………?


「カ~ガ~ミ~ヤ~さ~ん~」

「え?」


 な、なんでリヒトが怒ってるの?

 なんで、魔力が杖に集まっているの?


 そ、そんなに透視で見られたのが嫌だったのか!?


「わ、悪かったって!! 勝手に見たのは謝るから!!」


 あ、あれ? なんか、今、俺が謝った途端、眉間がピキッと動かなかったか?

 なんか、謝ったら怒り上昇してないか!?


「~~~~~~~~~~chain(チェイン)!!」


 なんでぇぇえええええ?!?!

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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