嬉しい提案ではあるが本当に乗ってもいいのだろうか
ソフィアに一応、詳しく教えてもらった。
クインという魔法学校の理事長は、殺し屋組織でも警戒している大魔法士。
負けなしだったソフィアでも、姿を確認しただけで足が竦み、動けなくなったと聞いた時はさすがに驚いた。
「――――なるほど。ソフィアはアクアを見た時、足が竦むほどではなかったんだよね? 単純に、アクア以上の魔法使いという考えでいいかな」
言うと、ソフィアがアクアをちらっと見た。
ニコッと笑い返すアクアを見て目を細める。
「そうだな、こいつの場合は表情や目つきなどで問題なかった。それに、魔力量が多いだけで、魔法スキル自体はそこまででもない。魔力が一般的だったらそこまで脅威じゃねぇよ」
「そう言うってことは、クインは魔法技術が凄まじいってこと?」
「そこまではわからん。俺は負けたからな、戦う前にな」
感情が読み取れない。
今、どんな気持ちで話しているんだろうか。
「そういや、ソフィア。姿を確認した時に足が竦んだということは、魔法学校に行かなければならない用事があったってことだよな?」
「そうだな」
「殺しの依頼か?」
「あぁ」
だ、よなぁ。
でも、今もクインは生きている。
殺しの依頼を受けているにも関わらず、今も生きているということは、殺しきれなかったんだな。
でも、ソフィアは負け無しと言われている殺し屋。矛盾してないか?
「なぁ、殺しの依頼が来たにも関わらず、今クインが生きているってことは、ソフィアは依頼を失敗したんだよな?」
「俺個人に来た依頼じゃねぇーよ。助っ人として頼まれただけだ」
「なるほど…………自分への依頼じゃなかったから諦めた説は?」
「大半だな」
…………あまり参考にならない情報だった。
「自分への依頼だったら完遂していた自信はあるのか?」
「五分五分だな」
「それでも五分五分なんだ。勝てる可能性もあったのか?」
「暗殺なら可能性は高い。だが、対面しちまったら確実に負ける。暗殺が成功する確率が五分五分だ」
「なるほどね」
なんか、戦う目線で話していないか?
戦わずに済む方法ってないのだろうか。
…………というか、俺達に何か被害はあるの?
あの双子の救いを無視すれば、俺達は特に関わることないと思うんだけど。
「ふーん、なるほど。そこまで言う人ってことは、関わらないのが吉だね」
「こいつがいる時点でそれは不可能だろう」
…………え? 俺?
なんか、俺、指さされているんだけど。
「あー…………体質?」
「巻き込まれ体質のこいつがいるんだから、何かしら事件に無理やり巻き込まれるだろ。逃れるのなんて不可能だ」
「本当に知里って厄介な特性? 体質? 持ってるよね。一種のスキルなんじゃないの」
なんか、呆れられた。
なんで? 俺だってお前らと同じ顔をしたいんだけど?
なんで俺が悪者になっているんだよ、ふざけるな。
俺だって、出来れば巻き込まれたくないよ!!
「それも踏まえて、行かない方がいい」
「なるほどねぇ~。どうするの、知里」
「ここで俺に振られるとものすごく気まずいから振らないで」
ここで俺はなんて言えばいいんだよ。
何を求めているの、やめて。
「一ついいっすかぁ~?」
今までソフィアの後ろで待機していたアンキが前に出た。
「なに?」
「そもそもの話なんすけど、なんでツムリア帝国に向かっているんすか?」
あぁ、そう言えば話してなかったな。
一応、リヒトの体質についてと、SSSダンジョンの脅威を話し、もっと強くなる必要性が見えてきたと伝えた。
すると、ソフィアが腕を組み悩み出す。
「なるほど。それは確かにツムリア帝国が一番早いな。魔法に関する知識はそこに行けばほとんど手に入れられる」
「そうらしいな。だから、向かってんだよ」
簡単に言うと、何故か考え出してしまったソフィア。何を考えてるんだ?
「俺も行く」
「…………どこに?」
「ツムリア帝国にだ」
「なんで?」
「魔法には興味があるんだ。魔法具とかも種類豊富だろう。魔力のない者のための救済処置もないか探す」
な、なる、ほ、ど?
なんか、ワクワクしているけど、ソフィアってもしかして、魔道具とかが好きなタイプなのか?
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