情報が少ないし、予想が出来なくて厄介だなぁ
無表情の知里は、目の前に立つグレールを見ている。
おそらく、僕達も動き出したら視野に入れるだろうけど、こっちはこっちでやる事がある。
こっちに意識を向けないように、グレールがやってくれることを祈ろうか。
「ロゼとアルカは、グレールの援護を。リヒトは、温存しておいて。この後、おそらく回復魔法が必要になるから」
「わ、わかりました」
悲しそうだけど、頷いたね。
戦闘でも何か役に立ちたいと思っているのは伝わるけど、今回は回復に徹底してほしい。
「icicle」
あ、始まったみたい。────うん、本当に容赦がない。
だって、今も氷柱を大量に出して、知里に攻撃しているもん。
普通に、殺す気満々じゃない?
一応、知里も怪我人だから気を付けてね。
グレールも腕を負傷していつんだしさ。
『――――|siege flame』
え、炎の檻? なんで今――――今回のモンスター、知里より頭いいんじゃない?
周りから迫りくる氷柱を炎の檻で全て塞いでいる。
相手を捕まえるだけでなく、防御にも適していたんだ、|siege flame。
これ、もし記憶に残っていなかったら、知里に教えてあげよっと。
――――って、今はそんなことを考えている場合じゃなかったか。
グレールは容赦というものを知らないし、問題はないでしょ。
知里だし、そう簡単には負けないと思うし、安心だね。
井戸を見ると、まだ手招きしている女性。
アルカ達と目を合わせようとしているのかな。
なんか、手招きしているのが怖い。
時間をかければ目を合わせなくても、相手に睡眠をかける事が出来るのかもしれないし、急ごうか。
「まず、小手調べ。――――sunet」
幽霊は僕に目もくれずに、知里達を見ている。
視界に入れ続けないといけないとか、色々制約されているのかな、操るのにも。
そんな幽霊に音魔法を食らわせてみるけど、体が揺れた……?
いや、揺れたというより乱れた感じかな。
映像が乱れたようになるだけで、ダメージを喰らってはいない。
やっぱり、あの女に物理は効かない、か。
――――井戸って、この幽霊にとってどんだけ大事なんだろう。
知里の話でも井戸は出てきていた。
住処――――だけかな。
そうじゃない気もするし、少しいじってみよう。
「――――sunet」
今度は井戸に向けて音魔法を発動してみた。
ボコンッという音と共に井戸が一部、崩れる。
へぇ、こっちは効くんだ。
それに、幽霊の意識がこっちを向いた。
知里とはまた違う、黒い瞳。
どんよりとしていて、見られるだけで不快だな。
ん? 口を開いた?
歯とかはないみたい。舌も、ない。
いきなりどうしたの?
『~~~~~~~~!!!!』
「っ、い!?」
なに、これ。超音波!?
音ではない、けど、鼓膜を揺らす気持ち悪い揺れ、痛い音。いや、声?
「このままじゃ、耳が壊れる!」
井戸から離れ、部屋を出る。
すると、いきなり音は止んだ。
「いってぇ…………」
「大丈夫ですか!? み、耳から血が…………」
あー、さっきの攻撃で耳をやられてしまったか。
でも、鼓膜は無事だし、声も聞こえる。
鼓膜以外のどこかが壊れたみたいだけど、問題はなさそう。
「はぁ、今のでわかったかな」
「わかった?」
「うん。井戸があいつにとって、大事なものだってことがね」
リヒトは首を傾げているけど、説明するのも面倒だし、いいか。
どうせ、今回は僕しかあいつを倒せないわけだし。
「さぁて、知里とグレールの戦闘はどうなっ――問題はないね」
「みたいです」
もう、模擬戦状態じゃん。
グレールは所々怪我をしているみたいだけど、普通に楽しそう。
知里も、グレールに押される時もあるみたい。グレール程ではないけど、怪我してる。
でも、急所はどちらも喰らっていない。
急いだ方がいいとは思うけど、焦り過ぎても悪化するだけかもしれないし、確実な情報を手に入れにいこうかな。
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