繋がったのは嬉しいけど、そこまで掘り下げなくていいじゃん
「うん、アマリアだよ。無事に聞こえているみたいだね、よかったよ」
『え、繋がれた!? 本当に!?』
「うん、聞こえているし、手鏡越しだけど姿も見えているよ。ちなみに、さっきの炎は知里が色々試そうとした結果、誤爆しただけ。悪気はないから許してあげてね」
なんでそれを言うんだよ、めっちゃ気まずいじゃん。
『カガミヤさん……』
『カガミヤ……』
『本当に、なぜカガミヤさんみたいな方がお二人と共に行動しているんですか…………』
出るに出れなくなったじゃん、どうしてくれんだよアマリア君や。
よし、わかった。このまま何も話さずにアマリアとグレールに全振りしよう。
幸いなことに、グレールがもうそろそろ我慢の限界みたいだし──あっ、動いた。
「ロゼ姫、大丈夫ですか!? ご無事でしょうか、お怪我はありませんか?」
グレールがアマリアから手鏡を奪い取って、覗き込む。
というより、叫んでる。中に入りたがっているけど、流石に無理だからな?
『私は大丈夫ですよ、グレール』
「良かったです。本当に……。お守りできず、申し訳ありません」
『私の方は、アルカさんとリヒトさんがおりましたので。それより、そちらは大丈夫だったかしら。怪我とかはないとは思うのだけれど』
「はい、問題ありませんよ、少々めんどくさかったですが」
『それなら、安心しました』
よし、お互い生存確認が出来たみたいだな。声的にも安心したみたい、これでグレールが暴走する事はないだろう。
『あ、あの、カガミヤさんは、ご無事、なんですよね?』
「炎をアルカに誤爆するくらいには元気だよ」
「おい」
そこを言うな。
『カガミヤさん、あの、今はどちらに? 声は聞こえるので、近くには居るのでしょう?』
「いるよ。でも、鏡には映りたくないみたい。さっきの誤爆で」
「おい」
だから、なんでさっきのを蒸し返してくる。
『カガミヤーー!! なんで姿を見せてくれないんだよー! 俺は大丈夫だから、無事な姿を見せてくれよぉー!!』
アルカがめんどくさい事を言っている。
なんで姿を見せないといけないんだよ……。
「そう言っているけど、どうするの?」
「…………はぁ」
仕方がない。
アルカが気にしていないのなら、いいか。
「ほい」
『おっ、カガミヤ! 余裕そうだな!』
アルカも怪我はなさそう。
俺の炎で焦げた以外には。
「ひとまず、このまま鏡越しに話していても仕方がねぇし、早く攻略していくぞ」
『攻略方法はわかっているのか?』
「合わせ鏡が鍵なのは予想できている。それはお前らもだろ?」
聞いてみると、アルカは頷いた。
合わせ鏡について話してはいたらしい。
『わかったのは、ロゼ姫様なんだけどな』
「さすがロゼ姫! 貴方がお二人を導いていたのですね!」
グレールがいると話が進まない。
ロゼ姫がいてもいなくても、こうなるのならいない方がましだ。
グイッと後ろに下げ、グレールから手鏡を奪い取る。
「おい、ロゼ姫。そっちでは能面のモンスターは現れているか?」
『能面と言う名前かはご存じありませんが、モンスターは現れています。さっきまでは追いかけられていましたが、今は――――』
ん? なんだ?
なんか、横に目を逸らしている?
「どうした」
『い、いえ。アルカさんに放たれた炎に巻き込まれて、今は気を失っています』
なんでそこまで誤爆しているんだよ。
というか、そこまで大きな炎だったのなら、なんでアルカは無傷なんだよ。
どんだけ頑丈なんだ、鍛えているとしてもおかしいだろ。
「でも、気を失っているだけなのなら、すぐに目を覚ますな。早く合流した方がいいが…………。お前らはどこまで進んでいる?」
『どこまで、とは?』
「俺達はモンスターをもう十以上は倒している。それにより襖を開き、姿見を見つけた。そっちは、モンスターを何回倒している?」
『まだ、一回しか……』
「あと、六回は殺せ。そうすれば確実に襖は開かれ、俺達と同じ所にたどり着く」
「言い方、言い方。倒すと言ってあげて。殺すと言ったら――……」
アマリアに言われて、手鏡をもう一度見てみると――あー。
「悪かった、お前らには刺激が強すぎた」
『い、いえ…………』
ロゼ姫以外の二人の顔が青くなっていた。
悪かったって、俺が言い方を間違えたよ。
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