ありえないんだけどふざけるな
魔法陣に属性基本魔法を放ち、出てきたタコパを倒す。
これを何度も何度も繰り返していた。
みんな、息が絶え絶え。
背中を合わせつつ、出てきているタコパをflameでなぎ払いやっつけた。
「カガミヤ、今ので何体倒したかって数えてたか?」
「途中で数えるのやめた。二十は軽く超えていると思っておけ」
リヒトも疲れ始めているのは仕方がないが、アルカまで息を切らしているのは相当。俺も、体力的にやばくなってきた。
魔力量的にはまだ余裕があるが、油断はできない。
そろそろ、ガチで他の方法考えないとまずいな。
…………運、じゃないよな、流石に。
でも……。
「……なぁ」
「何だ?」
「アルカは次の魔法陣、どれを崩したいとかあるか」
「え?」
「なんか、直感で決めてほしい」
「何かよくわからんが、そうだな……」
今までは俺が適当に近場の魔法陣に魔法を当てていたが、今回はアルカに託してみる。変わらず、タコパとの勝負になるだろうがな……。
アルカは困惑しながらも、天井を見上げ悩み始めた。
いや、直感でいいんだぞ、どうせ変わらないんだから。
「……………………ん?」
「ん? どうした、アルカ」
「あぁ。なんか、集中してみたんだが。あの魔法陣だけ魔力が強い気がする」
「魔力?」
アルカが指さす魔法陣に近づくと、確かに他の魔法陣より微かながら強い魔力を感じるな。
おいおい、今までの俺達の行動はなんだったんだよ。
それとも、規定の数値に達した事により出現した魔法陣なのか。
「とりあえず、やってみるか」
「はい」
「おう」
二人も準備は出来たらしい。んじゃ、やるか。
「acqua」
右手に水の玉を作り出し、放った。
今度現れるのは、一体どんなモンスターだ。
――――――――フッ
「あれ、水玉が消えっ――……」
「っ、後ろだ!!!!」
アルカの声に後ろを振り向くと、放った水が迫ってきていた?!
アルカは後ろに下がり、リヒトの背中を押す。
俺は体を捻り迫ってきていた水を操作しながら回避。
水は壁に当たり"ビチャ"と音を鳴らし、地面を濡らし溶けるように無くなった。
「……微かに操作は出来た。つまり、魔法の操作権を剥奪された訳ではないということか」
なら、どうやって俺達の背後に俺が放った魔法を?
「…………そう言えば……」
このダンジョンは、無限ループ的な要素がある。
時空を操るモンスターがいる可能性は、ないか?
いや、仮にいたとしても、それがBランクのダンジョンにいるのはおかしくないか?
これは、俺の勝手な偏見なんだが、時空や時を操る魔法やモンスターって、相当の使い手だったり、ランクが高いんじゃないのか?
それが今、俺達がいるBランクのダンジョンに現れるなんて……。
いや、それより。
ここは、本当にBランクのダンジョンなのか?
疑問が浮上し、難しい顔を浮かべているとリヒトに呼ばれた。
「カガミヤさん、あの。上……」
「上? ……なんだ、あれ」
魔法陣から姿を現してきたのはモンスターではない、人の下半身だ。
ずるずると、ホラー映画のように落ちてくる。服装からして、俺達と同じ冒険者。
――――――――ズル
「あ!」
「危ない!!!」
上から人が落ちる!!!
咄嗟に上から落ちてきた人を受け止め、膝の上に横にさせる。
よく見ると、服はぼろぼろ。
傷も深そうだし、ギリギリ息がある程度。早く治させねぇと死んじまう。
「リヒト、治せるか?」
「やってみます」
隣に座ったリヒトが両手を前に出し、手のひらを傷口に向ける。
淡く光り出し、傷を照らした。治ってくれよ、マジで。
「カガミヤ、来る」
「みたいだな」
上から強いモンスターの気配。ワイバーン以上のものを感じる。
本当にどうなっているんだ、こんなに強い魔力。
鳥肌が立つ、体が震えて汗が滲み出てきた。
気配からしてわかる、今の俺が勝てるかどうか、わからない。
「っ、そうだ、アルカ、地図を寄越せ」
「お、おう」
奪い取るように受け取った地図の下の方に、今回のダンジョンの詳細が書かれている。
よくよく目を凝らし見てみると、Bランクという文字の下に、ありえない文字が隠されていた。
「このダンジョン、Bではなく、SSランク……?」
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