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負けないようにした結果、から回ってしまった気がする

「あ、あれ。モンスターが、いない…………」


 リヒトの鎖だけが残され、モンスターがいなくなってる。


「まさか、鎖を解いて逃げたのでしょうか」

「そうかもしれませんね」


 ロゼ姫様が床に落ちている鎖を拾い上げ、隣からリヒトが覗き込んでいる。


「今は鎖魔法を解いて、魔力の温存をした方がいいでしょう。モンスターは、おそらく何度も何度も繰り返し出てくるシステムか、私達が目を離すと自然と消えてまた新たに他の所に現れてしまうシステムかもです。まだまだわからないことが多いですが、少しづつ解決していきましょう」


 ロゼ姫様は、もう完全に落ち着いている。

 さっきまで取り乱していたのに、凄い。


 俺も、もう落ち着かないと。

 落ち着いて、冷静に考えないと。


 ――――タッ タッ タッ


「あ、足音…………」

「ま、まさか…………」


 リヒトも聞こえたらしく、俺と同じ方向を見る。

 それは、ロゼ姫様も同じ。


 共に見ていると――――でたぁぁぁぁあああ!!


「「「モンスタァァァァァアアアアアア!!!」」」


 せっかく捕まえた白い顔の女モンスターが包丁片手に向かってきたぁぁぁぁああ!!


「~~~~~~俺だってぇぇぇええ!! |ground・dollグランド・ドール


 土人形を咄嗟に出し、道を封じる。

 逃げようと逆方向に向かうが、もう一体出してやるよ!!


「|ground・dollグランド・ドール!」


 二体の土人形、戸惑っているモンスター。

 その隙に、最初に出した土人形が両手を組み、振り下ろしモンスターを潰した。


「はぁ、はぁ…………」


 咄嗟に二体の土人形を出してしまった。

 でも、無事にモンスターを倒せた。


 ここで、ここまでの魔力を消費しなくても良かった気がするが……まぁ……。

 ロゼ姫様に負けないようにって力を入れ過ぎた。


「あ、アルカ。これは、良かったの?」

「二つの意味で分からない。魔力を多く消費してしまったのと、モンスターを倒しても良かったのと…………」

「だよね…………」


 うぅ、なんか、色々と裏目に出ている気がする……。


「でも、これでわかりますね。モンスターを倒すとどの様に進むのか」

「たしかに、そうですね。雰囲気や空気には慣れてきましたし、もうそろそろ次に進まなければカガミヤさん達を待たせてしまうかもしれません。そうなった時、なんて言われてしまうのか……」


 目を逸らし、リヒトがカガミヤの反応を頭の中で予想している。


 俺達の謎を解く時間がかかればかかるほど、カガミヤを待たせることになる。

 そうなった時、なんて言われるかぁ…………。



『なぜ先に謎を解いた俺が時間の無駄を強いられなければならない。早くここから出させろよ、待たせるな』



 そんな事を言われたら、俺の心が折れる。

 頑張って謎を解いたのに、カガミヤに精神的に追い込まれでもしたら……。


「早く進もう、謎を解こう。カガミヤが文句を言う前に」

「そうね、早く行きましょう。カガミヤさんがしびれを切らす前に」


 リヒトと共に廊下を歩く。

 ロゼ姫様が何故か頭を抱えているけれど、すいません。


 今は、幽霊より怖いものがこの後襲ってくる可能性がある為、歩くしかない――――です。


 歩くと、またしても足音。

 この軽快な足音、さっきまで聞いていたのと同じだ。


「来た、さっきと同じもんす…………たぁ?」

「また、さっきとは違うように感じますが……」


 こっちに走ってきている。けれど、どこか警戒している。

 あっ、三十メートル先くらいで止まった。


 さっきまでは、何も考えずに俺達に包丁をかざしてきていたのに。何が違うんだ?


「さっきまでのモンスターとは、また性格が違うのかしら」

「その可能性があります。攻略しにくくしているのかもしれないですね。一貫だと一回だけでも攻略すれば、あとは簡単に攻略が出来てしまいますので」


 そこまで考えられているダンジョンなのか。

 一筋縄ではいかないな。


「ここまでモンスターを出してくると言うことは、抜け出すにはモンスターが鍵になっていると考えていいでしょう。あとは、どのようにすればここを抜け出す事が出来るのか。そこを、考えましょう」


 やっぱり、ロゼ姫様はすごい。

 俺は、モンスターを倒すことで精一杯だったのに、ここまで頭を働かせるなんて。


「アルカさん、リヒトさん。私はこれからモンスターの隙やダンジョンの攻略方法について考えたいと思います。なので、お二人にはモンスターの相手をして頂きたいのですが、よろしいでしょうか」

「え、俺達が?」

「駄目でしょうか。モンスターを警戒していただけるだけで私はものすごく助かるのですが……」


 そ、そんなこと言われたら、もう……。


「も、もちろんです!」

「絶対にモンスターをロゼ姫様に近付かせねぇよ!」


 考える事は苦手、そんなことわかっているだろう、俺。

 それなら、ロゼ姫様が考えやすいような環境を作った方が効率的だ。


 俺には俺の出来る事をやるしかない。

 でも、さっきみたいな魔力の無駄はしない。


 このあと、大きな戦闘が待っている。

 ラスボスが待っているのだから、無駄に魔力を使わないで、ここを攻略してやるんだ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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