マジで遊び心とかいらねぇんだよ
「…………」
ここが、SSSダンジョン?
まじで、ここ?
「なんか、凄い所に入り口があるんだね」
アマリアが地図を片手にそんなことを言っている。
うん、俺も同じ感想を持ってるぞ。
「本当に、ここなの? ただの家じゃなくて?」
「地図ではここが指されているよ」
「もしかして、SSSダンジョンに行かせたなくて、わざとランクの低いダンジョンとかに案内されたとか?」
「細工されているかどうかは、知里がしっかりと確認していたでしょ」
「だよなぁ」
俺も見たし、アマリアも見た。
アルカとリヒトも確認して、細工されていない事は確認済み。
だから、目の前にある古民家みたいな建物がSSSダンジョンの出入り口なのは、そうなんだろうけど……。
「まさか、こんな、町外れに古民家みたいなダンジョンがあるなんて思わなかったなぁ」
「アマリア様も知らなかったのですか?」
「うん。──あー、でも、『アマリア聞いて! SSSダンジョンは結構面白くしたいんだ。例えば、心霊スポットみたいな!』みたいな話は聞いたことあるな、フィルムに」
今のって、フィルムの真似?
似ているようで全然似ていなかったなぁ。
というか、え?
「心霊スポットみたいな?」
「心霊スポットみたいなダンジョンって、聞いたことがあるよ。ここかは知らないけど」
いや、絶対にここじゃん。
雰囲気がもう、ここじゃん。
「まぁ、仕方がない。入るしかないし、行くか」
「そうですね。行きましょうか」
アマリアとグレールが俺の後ろをついて来る。
…………あ、あれ? あとの三人は?
後ろを見ると、三人は顔面蒼白。古民家を見上げている。
一人二人はいるとは思っていたけど、まさか、三人?
「えぇっと……。怖いの?」
後ろにいる三人に聞くと、同時に頷かれた。
「…………マジか」
※
三人には申し訳ないけど、無理やり古民家に入らせた。
でも、歩みがものすごく遅い。
「そんなに怖いのか? 雰囲気は作られているが、出てくるのはモンスター。物理攻撃が効くんだぞ?」
「わかっていますが、空気が怖いんですよ……」
まぁ、空気は確かに怖いか。
炎を灯さないと足元も危険だし、なんとなく寒気がするし、怖いっちゃ怖いか。
それでも、歩くの遅すぎる。
全然進めない……。
「本当に、空気感が凄いこだわられていますよね。本当にダンジョンなのでしょうか」
「作ったフィルムがダンジョンと呼んでいたのならダンジョンなんだろう? 今時のダンジョンはここまで進化しているんだよ。古民家がダンジョンになっても不思議ではない」
それにしても、本当に古民家と言うか、心霊スポットみたいな場所だな。
辺りは暗いし、部屋の中は乱れている。
テーブルが転がっていたり、誰かの服が散乱していて汚い。
割れた姿見や、ぼろぼろの箪笥。
押し入れの中には、布団が畳まれている。
子供部屋みたいな場所もあり、寝室やリビングと呼ばれていそうな部屋も見つけた。
どこも乱れていて、生活感はまるでない。
埃も舞っているし、煙い。
「つーか、適当に歩いてはいるけど、攻略方法が全く分からん」
「このダンジョンは遊び心満載で作ったはずだから、今までのダンジョンみたいな攻略方法では絶対にクリアできないと思うよ」
遊び心って……。
人の命が絡むダンジョンに遊び心はいらないって。
「あ、あの……」
「いかがいたしましたか、ロゼ姫」
反応はやっ。
グレールがすぐにロゼ姫の問いに返事をしていた。
「心霊スポットのような場所でしたら、やはり攻略方法は除霊とか。幽霊に効果のある方法なのでしょうか」
え、そうくる?
でも、そうだよな。
除霊でダンジョン攻略か。
言葉にするとめっちゃ変だけど、作りが作りだから、ありえないとは言い切れない。
「それが正しかったら、誰も除霊出来ないわけだし、詰みじゃん」
「本当に除霊する訳ないでしょ。除霊方法と同じことをすればいいだけだと思うよ。お札をあの押し入れに張ったりと……か……」
アマリアが適当に押し入れを指さすと、何かに気づいたのか固まってしまった。
「おい、どうした……」
俺も押入れを見てみた。
うん、押入れを見た。見なければ良かった。
「あ、あの、どうしたのですか……ひっ!?」
リヒトの悲鳴、続くようにアルカとロゼ姫も見た。
グレールも、見た。
んで、この空間に、アルカとリヒトの悲鳴が響き渡った。
「「うでぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええ!!」」
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