意外なところで役に立ちました
――――――――パチッ
…………目覚め、最悪。
体を起こしてみると、周りはまだ寝ているみたいだった。
アマリアはいないけど、睡眠が必要ない体だから暇つぶしでもしてるんだろう。
「…………」
SSSダンション、今のメンバーならいけるのか?
管理者と戦ってきた実績はあるメンバーだし、勝っても来た。
しかも、誰一人として仲間は死んでいない。
守り切れなかった者達はいるが、そこは…………まぁ、うん。
とりあえず、管理者との戦いで強くなってきたのは事実。
次、みんなと話し合う時にでも相談してみるか。
みんなが起きるまで待っていないといけないし、また寝るかなぁ~。
「…………」
んー。
ん--。
ん---。
寝れない。
寝返りを打っても、落ち着かない。
「はぁ……」
オスクリタ海底でも散策しようかなぁ。
風とかはないけど、海を見るだけでも気分は晴れるか。
他の人を起こさないように城を抜け出す。
いつもは、城の上まで行っていたけど、もう何度も行って飽きた。
それに、あそこはなんか、厄介ごとがいつも舞い込んでくる場所な気がする。
だから、もう行きたくない。
「て、思っててもなぁ~」
オスクリタ海底は、アクアの手によって崩れた建物の復旧作業が終わっていない。
痛々しい跡地がまだ残っているから、見ていて気持ちのいいものではないな。
「…………alawater」
水の翼。
空中散歩って、気持ちよさそうだしやってみるか。
────バサッ
上空は、空気が綺麗。
水の匂い……いや、塩の匂い。
海の中だから、塩の匂いを感じても不思議はない。
オスクリタ海底を包み込んでいる透明の壁まで移動し、触れてみる。
「…………柔らか」
意外とブヨブヨ。
まぁ、硬ければ強いとは限らないからな。
今回のモンスターも皮膚は硬かったけど、アマリアが本気を出したら倒せたしな。
逆に、柔らかい方が衝撃を吸収して破れにくいと聞いたことがある。
「…………この海って、本当に綺麗だよなぁ」
オスクリタ海底があるのは深海。
深海のはずだけど、様々な魚が泳いでいる。
深海…………ではないのか?
深く考えるのやめよう、思考の海におぼれるわ。
「…………SSSダンジョンは、どんな感じなのか。少し情報が欲しいな。ギルドに行けば話してくれるだろうか」
…………いや、待てよ?
ダンジョンの事はギルドの人に聞けばいい。
つまり、ギルドの管理をしていた奴に聞けば、SSSダンジョンの情報をゲットできるんじゃないか?
よし、そうと決まれば、さっそく聞いてみるか。
どこにいるだろうか。気配を探って……。
「あれ、意外と近い」
意外と近くてびっくり、どこだ?
見下ろしながら空中を漂っていると――いた。
崩れた建物の傍ら、しゃがみ込んでいるように見える。何をしているんだ?
近づいてみると、アマリアも俺の気配に気づいたらしい。
「どうしたの?」
「それはこっちのセリフだ、何してんだ?」
足に地面を付けると、水の翼は弾けるように消えた。
アマリアが「あれ」と指さす。
あれ、と言われても、どれ? と返すしかないんだが。
だって、目の前にあるのは瓦礫。
何を指さして……あれ?
「なにか光ってんな」
「そうそう。取り出したいんだけど、さすがにこの瓦礫じゃなぁ……って」
「なるほどな」
確かに、これをアマリア一人ではきついか。
とはいえ、俺が来たことで何か出来る訳でも……あ。
「acqua」
進化版のacquaならどうにか出来ねぇかな。
「どうするの?」
「これで持ち上げられねぇかなって思って」
「え? acquaで?」
「おう」
まず、持ち上げても問題なさそうな瓦礫にacquaをくっつける。
んで、空中に浮かべた。
「おっ、出来た」
「へぇ、こんなことも出来るようになったんだ、凄いね」
「偶然だけどな」
これも、進化版flameをソフィアと修行した成果だ。
「んじゃ、ちゃっちゃかやるぞ」
「お願い」
acquaを複数作り出し、せっせかせっせかと、瓦礫をどかしました。
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