精霊という便利な味方が俺にいるのを忘れてた。
「icicle」
氷の柱が進行を妨げるように現れるが、避けられる。
間に合わないものは、さっきのレーザーで破壊、か。
「空中戦か……。仕方がない、ala・water」
水の翼を広げ、空中戦を受けるしかない。
こうなると、属性違いの炎魔法しか放つことが出来なくなるが、仕方がない。
それは別に問題はないんだけど、どうする。
隙を突いて懐に入るか、翼を切り落とすように一か所集中するか。
これからもっと技を増やしてくるかもしれないし、魔力的に時間をあまりかけたくない。やっぱり、懐に入るしかないか。
「fistflame」
炎の拳を作り、翼を広げた。
近くまで行こうとすると、距離を取られる。警戒してるな。
氷の柱で動きを牽制されているのにも関わらず、俺にも警戒を怠らない。
流石、SSランクのモンスターだな。
氷の柱を縫い向かうと、口を広げた。
口からレーザーを放つ。それを水の翼でひらりとかわし、距離を縮めた。
炎の拳に魔力を籠め、腹部に狙いを定め放つ。
「っ!? どわっ!!!」
風が!! くっそ、翼を広げ風を起こしやがった!
「チサト様!!」
「大丈夫だ!」
まだ、水の翼に慣れていないのもあるから吹っ飛ばされちまったが、なんとか耐えることが出来た。
「風が厄介だな……あっ」
そういや、今まで出してこなかったけど、もうそろそろ復活したかな。
「おい、出てこれるか、スピリト、リンク」
名前を呼ぶと、精霊二人が空中から現れた。
『ご主人、さま?』
『主……』
なんか、二人とも元気がない。
最近出していなかったから不安にさせてしまったのか?
まぁ、今はこいつらのメンタルケアをしている時間はない。
「悪いが、なんで不安そうにしているのかは後で聞く。今はヴリトラを倒したい、協力してくれるよな?」
急ぎ足に伝えると、二人は顔を見合わせ元気に頷いた。
「よし」
下を見ると、グレールも状況は把握してくれたらしい。
後は俺の動きに合わせてくれるだろう。
「リンクはいつものように、空間魔法で俺達の魔法を自由自在に操ってくれ。スピリトは、俺の炎を利用して、ヴリトラを燃やしつくせ」
『『はい!!』』
んじゃ、行くか。
魔力のコントロールはしっかりと意識して、でも制御しすぎない。
自由に動いてもらった方が実力を発揮できる魔法のはずだ。
だって、他の魔法とは違う、意思のある魔法だからな。
「んじゃ、任せたぞスピリト。|Dragonflame」
魔力を両手に込め、魔法を唱える。
赤い炎が舞い上がり、辺りを赤く染めた。
炎がスピリトに集まり、上空へ。スピリトの杖に合わせて動く炎の竜がヴリトラへと狙いを定めた。
「――――行け」
右手を前に出すと、スピリトも同じ動きをする。
炎の竜が俺達の動きに合わせて、咆哮を上げヴリトラへと向かう。
また、風を起こし押し返そうとしているみたいだけど、炎の竜は自由に動く。
簡単に避け、距離を縮めた。
今度はレーザーを放とうと口を開いたが、炎の竜は、突如現れたワープゾーンに引き込まれた。
姿を消した炎の竜。次に姿を現したのは、ヴリトラの後ろ。
大きく口を広げ、翼に噛みついた。
だが、やっぱり硬いのか噛み千切ることが出来ない。
暴れられ、逃げられた。
「傷一つも、つかないか」
噛み付いた翼は、傷すらない。
やっぱり、狙うのならさっきから守りを強くしている腹部。
────よし。
水の翼を消し、地面に着地。
炎の竜はスピリトに任せるとして、水魔法で応戦するか。
「私は何をしましょうか」
「グレールは、氷の柱でヴリトラを牽制してくれるだけでいい。俺がやる」
「わかりました」
んじゃ、やるか。
リンクのワープを使えるのは美味しいし、それを利用する。
炎属性は竜魔法以外に出せないから、水魔法で。
「――――lama・water」
手には水の剣、背後に水の刃。
今回使うのは、この背後の水の刃。
水で勢いのある放つ魔法って今、これしか知らないから仕方がない。
翼も同時に出せたらいいんだけど、今はいい。
「んじゃ、行け」
背後の刃を、ワープを使って放った。
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