接続をこんな使い方するなんてさすがに思わなかったぞ
グレールとアマリアは、他に情報がないか探しているけど、俺は静かに待機。
別に、さぼっているわけではない。
決して、そんなことはない。
今後の戦闘に備えているだけだ。
「ふわっ……」
「欠伸零してないで、なにかギミックが隠されていないか探してよ」
「ちっ」
アマリアに見つかってしまった。
しょうがない、探すか……。
と、いっても、三つの魔法陣以外に何かあるのか?
どんなに見回しても、ここは洞窟みたいなダンジョン。
壁に何か隠されているかもしれないけど、そうだとしたらさっきのturboflameで変化があるだろう。
さて、どうしたものか。
「…………魔法陣へ同時に魔法を放ってみますか?」
「だが、属性が関係あったらお手上げじゃねぇか?」
「ダンジョンに入る人の属性はまばら、属性が関係あるギミックの場合は、ギルドで最初に知らされるはずです。今回は何も言われなかったため、関係ないでしょう」
「なるほど」
そういうシステムなのか。
確かに、最初に知らせてくれないと、冒険者は属性が合わないという理由だけで引き返さないといけなくなるな。
ゲームならメンバーチェンジで簡単だが、現実世界ではできないからな。納得だわ。
「別にいいけど、意味ないんじゃない? 絶対に、そんな単純なギミックではないでしょ。仮にもSSランクだよ?」
「そうですよねぇ」
なんなんだよ。
深く考えずに、魔法を放つ準備しちまったじゃねぇか。
「奥に進む人と、戻る人で別れてヒントになり得そうなものを探しませんか? アマリア様がいれば、知里様と別れても場所は把握できます」
「そんな使い方するか?」
「使えるものは使いますよ」
「はいはい」
なら、俺はリヒトと行動か。
グレールとアマリアの方が安定するだろう。
「それじゃ、何かわかったりモンスターが出てきたら知らせてね。微弱に魔法を出すとか」
「強い魔法を出したら戦闘開始合図としようか」
「わかった」
まさか、アマリアと俺の繋がりをこんな風に使われるとは思わなかったなぁ。
「んじゃ、俺達は先に進むぞ」
「はい!!」
元気にあいさつあんがと。
離れないように気を付けながら歩き始める。
二人分の足音、水が落ちる音。
リヒトが何も言わないから、俺も特に話さない。だから、周りの音がよく聞こえる。
「…………」
「? どうした? なんか、怖がってない?」
まさか、薄暗くて怖いとか、水の音が不安を煽るとかでビビってるわけじゃねぇよな?
今までいろんな経験してきたんだからさすがに慣れるだろ?
「いえ、怯えているわけではないのですが…………」
「なら、どうしたんだ?」
「…………さむくて」
あぁ、確かに寒いか。
洞窟みたいな場所だし、水も落ちているから微かに吹く風が冷たい。
「なら、これでも羽織っとけ」
「え、あっ――……」
俺が羽織っていた羽織を投げると、リヒトは落とさないようにキャッチ。
若干顔を赤く染めているけど、風邪をひかれるよりマシだ。
「あ、ありがとうございます」
「早くしろ、何か出てくる可能性もあるんだ。それに、風が強くなってきた……強くなってきた?」
え、なんで洞窟の中なのに風が徐々に強くなってるんだ。
奥の方、もしかして外に繋がっているのか? それか、大広場とか?
少なからず、奥に進めば何かあるな。
一応、アマリアに知らせるか?
いや、ここまででかいダンジョンだ。
なにかモンスターが現れたとしても、Sとかだろう。ラスボスが現れることはまずない。
そもそも、ギミック解除してないしな。
リヒトも強くなったし、俺も魔法に慣れてきた。
いざとなれば、チート魔力でごり押す。
「あの、カガミヤさん?」
「奥の方、風が強くなっている。もしかしたらモンスターがいるかもしれない」
「え、あ、アマリア様に知らせますか?」
「いや、なんとかなるだろ」
「えぇ…………」
アマリア達を待っている時間も勿体ない。早く行こう。
俺が歩くと、リヒトも戸惑いながらも着いてきた。
奥に行けば行くほど風が強くなるし、心なしか景色が白くなる。
…………白くなる? え、さ、さっむ!!!
「なんだ、これ、吹雪!?」
もっと奥に行くと、足が何かを踏む感覚。
いや、なにかじゃなくて、雪?
吹雪に襲われながら行くと、たどり着いたところは大広場。
中心にいるのは、水色の鱗に赤い瞳、恐竜のような姿をしているモンスター。
後ろ足で立ち、前足は浮かせている。
大きな口を広げ、大広場に入って来た俺達に襲ってきたぁぁぁああ!?
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