収集突かないから無理やりにでも話を進める
あ、体に覆いかぶさっていた圧が消えた。
「今の声って……」
下を向くと、イルドリ王が翼を広げ俺達に近付いて来ていた。
腕を組み、怒っているような表情を浮かべている。ちょっと、怖い。
「貴様!! 死んだとは思っていなかったが!! 何をしている!!」
「これは、めんどくさい奴に出くわしてしまったものだ」
イルドリ王は怒り、クロヌは険しい顔を浮かべる。
二人は、顔見知りらしいな。仲は悪いみたいだけど。
「…………もういい、アクアも捨てる」
「いいんすか? アクアがあっちに渡るときつくねぇっすか?」
「かまわん。あいつを相手にするよりはマシだ」
クロヌはそれ以上何も言わず、瞬きをした一瞬で姿を消した。
クロも同じく消える。残ったウズルイフは唇を尖らせ、一度俺を見た。
「な、なんだよ」
「いや、なんでお前なんかに人が集まるんだろうなって思ってなぁ~。わっかんねぇ~」
おい、文句を言いたいだけかよ、コノヤロウ。
そのまま消えやがったし、何なんだよ。無駄にいらだたせやがって。
イライラしていると、イルドリ王が「まったく」と腕を組み、呆れたようにため息を吐いた。
「おい、今のはなんだ。お前、クロヌのこと知ってんのか?」
「…………まぁな」
くるりと振り返ると、険しい顔を浮かべ俺を見てきた。
「そんな気難しい顔を浮かべるな!!」
「俺の台詞なんだがな?」
一気に表情を変えても無駄だぞ? 笑顔を浮かべても意味ないぞ?
さっきまでの怖い表情が頭に染みついて、今の笑顔の方が怖いぞ?
「知里、上空で話すより、城に行こう。今頃、魔力が枯渇している人達が転がっているはずだから」
「――――え?」
アクアを抱えながら、アマリアが不穏なことを言いやがった。
※
今は水が消え、城に入る事が出来た。
みんなで走ると一室では──あぁ、確かに枯渇してっ――……
「ロゼ姫ぇぇぇぇええええ!!!!!」
う、うわぁ……発狂しやがった。
グレールが声を荒らげて、倒れ込んでいるロゼ姫に駆け寄った。
頭を支えて起き上がらせる。
おいおい、今にも死にそうなロゼ姫を抱えているのかと思うほどに深刻な表情を浮かべるなって。
『わぁ、にいさん発狂~、かわいい~』
(「か、わ、いい?」)
『かわいいよぉ~』
ま、まぁ、いいか。
というか、グレール。大丈夫だって、寝ているだけだから。
今のアマリアは少年の姿だけど、さっきは青年だったし、魔力が多く取られたんだろう。そりゃ、枯渇もするって。魔法を放っていたし。
「大丈夫ですか、ロゼ姫」
「大丈夫だって、寝息が聞こえるだけだろ、寝てるんだよ」
「凍らせてもいいですか」
「怒りを俺に向けるな、八つ当たりすな」
しかも、それは何の怒りだよ。
俺にぶつけるんじゃねぇよ、ふざけるな。
というか、他にも倒れている奴がいるんだから、そっちにも目を向けてさしあげろよ。
「王妃と王は大丈夫そうだな」
「おかげさまで」
「あぁ」
そんで、アルカもアンジュとアンジェロが無事に送り届けてくれたらしい。
アルカは床で死んでいるけど、何があった?
「アルカ様の魔力もお借りして、城に結界を張っていたのですよ」
「納得」
アルカも枯渇しているのか、仕方がない。
んでもって、ソフィアとアンキもいたんだな。
壁側で寝ているのか何なのかわからんが、一言も口にしない。
「…………あれ、クラウドは?」
たしか、クラウドもここにいるはず。
イルドリ王がそう言っていた。
周りを見ていると、イルドリ王が腕を組み周りに目線を送る。
ため息を吐いたかと思うと、ベッドの奥へと向かった。
「何をしている!!! クラウド!!!」
「うっさ…………」
おぉ、ベッドの脇に座っていたらしい。しっかりと影になるように。
見つかりたくなかったらしい。
まぁ、久しぶりの再会だし、会いにくいかぁ。
あっ、首根っこ掴まれて立たされてる。
暴れているけど、逃げること叶わずだな。
子供の駄々っ子を見ているみたいだ。
いや、実際駄々っ子なんだろうけど。
「今更なんだよ!! 俺様を捨てたくせに!!」
「それは――――ふむ、それは私も軽率であった!! すまない!!」
「…………は?」
はぁ?
え、なに、何かを改めたのか?
「…………おい、誰だ」
「やっぱり起きてたんだな」
「こんな状況で寝れるか」
「いや、お前なら…………」
こっちに近付いてきて、不機嫌丸出しな表情を醸し出す。
でも、ソフィアの不機嫌など気にせず、首根っこを掴みながらイルドリ王が振り返った。
「グエッ!」
おいおい、せめて手は離して差し上げて。今、クラウドが変な声が出たぞ。
まぁ、俺が気にしてもどうせ誰も聞いてはくれないだろうし、アルカの様子でも確認するか。
一応寝息を確認するけど、問題ないな。ゆっくり寝ていればそのうち目を覚ますだろう。
んじゃ、ソフィアとイルドリ王の話を盗み聞きしてやろう。
どうせ、ソフィアは怒るだろうし。
「自己紹介が遅れてすまない!! 私はアンヘル族の王!! イルドリ・メイヴェン!! 気楽にイルドリと呼んでくれ! メイヴェンでも構わない!!」
「…………殺す」
「ソフィア君、待て待て。声の大きさはデフォなんだ、許して差し上げて」
マジで拳銃を取り出し、殺そうとしてる。
それだけはやめて差し上げて!!
「ソフィアは頼む、落ち着いてくれ。んで、現状を整理しようぜ。今の状態で話してもまとまらん」
言うと、みんなは口を閉ざす。
アマリアが「うーん」と、考え込むと、すぐに顔をあげた。
「それなら、もっと広い部屋で話そう。一人、紹介したい人もいるし」
アマリアがドアの方向を見る。そこには、アクアが申し訳ないというように顔を覗かせていた。
見た瞬間、この場にいる俺とイルドリ王、クラウドとアマリア以外は自身の武器を構え殺気を放つ。
ちなみに、グレールはロゼ姫に気を取られ過ぎて気づいておりません。
おい!! さすがにお前は気づけよ! この殺気のオンパレードに!!
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