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これはなんの映像だ?

「最悪ですね。時間の問題となってきました」

「すいませんでした……」

「いえ、少しでも海底の皆様を助けてくださったリヒト様には感謝をしています。少々、粘り過ぎましたが」

「うっ……」


 グレールとリヒト。あと、城への避難がギリギリ間に合わなかった海底人数名は、星屑の図書館にいた。


 ギシギシと嫌な音が鳴り、天井からは水がしたたり落ち床を濡らしている。

 何とか今は耐えてくれているが、いつ崩れてもおかしくない。


 リヒトは傷ついている海底人の怪我を治しつつ、グレールに謝罪。申し訳ないと思いつつ、今後どうするか話し合った。


「困りました。変に行動を起こせば、水でこの建物が壊れます。でも、ずっとここにいれば必ず管理者が襲いに来ます」

「なにか、手立てはありませんか?」

「そうですねぇ…………」


 グレールは深い皺を眉間に寄せ、考え込む。

 リヒトも考えるが、焦りなどもあり頭が正常に働かない。


 全員の傷を治し終わりリヒトが立ちあがると、海底人の中にいる一人の女性、アシャーが手を上げた。


「すいません。なにか、水の動きが変わったような気がするのですが…………」


 アシャーの言葉に、グレールとリヒトは耳を澄ませる。

 先程までは静かだったが、今は激しく動いているような音が響いていた。


 嵐のように激しく、ギシギシと建物が軋む音。


「まずいですね……。早急に対処しなければ、崩れてしまいます」

「ひっ……」


 グレールは険しい顔を浮かべ、リヒトは顔を青くする。

 そんな時、また、アシャーが手を上げ提案した。


「私、透視スキル持っているのですが、外の様子を確認いたしますか?」

「助かります、お願いできますか?」

「わかりました」


 アシャーは、目を閉じ深呼吸。

 再度目を開くと、周りを見回し始めた。


 グレールは様子を見つつ、崩れそうな壁や天井を氷で補強。他にも、音や気配に意識する。

 そんな時、怪しい気配を感じ取りアシャーへ声をかけた。


「集中しているところすいません。出入口よりやや上辺りを見ていただけませんか?」


 言われた通り、アシャーは差された方向を見る。

 最初は特に何もなかったらしく表情を変えなかったが、数秒後、目を見開き大きな声を上げた。


「男性です!! 男性二人が水の中に落ちてきました。それに、気を失っているのか動きませっ――――え」


 沈んでくる男性に、アシャーは見覚えがあった。

 黒髪に、黒いローブ。


「あの人、確か図書館で竜魔法について調べていた人…………」

「誰かはこの際どうでもいいです。リヒト様、鎖魔法は放てますか?」


 リヒトは、すぐに「はい!」と返事。

 グレールは壁に手を付け、凍らせ始めた。


「私がドアを開きます。長くは持ちませんので、早急に沈む二人を鎖で引っ張って下しさい」

「わかりました!!」


 グレールは凍り付いたドアを開き、水が入り込むより先にトンネルのように周りの水を全て凍らせた。

 ドアを開けた瞬間に沈んできている男性二人を見つけ、鎖魔法の軌道を作る。


 リヒトはすぐに鎖魔法、chain(チェイン)を発動。

 男子二人を捕まえ、引き寄せた。


 中に入るのと同時に氷にヒビ入る。すぐに扉を閉じ、氷で補強。

 外の氷がパリンと壊れ、またしても一面水状態となった。


 引き込んだ男性二人を見て、リヒトとグレールは驚愕。

 リヒトは口元に手を当て、chain(チェイン)を消し駆け寄った。


「カガミヤさん!?」


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


『…………ん? ここは、どこだ?』


 なんだ、ここ。森?

 霧が漂う、森の奥。雲が広がり、青空が見えない。


 何で俺は、こんな所に立たされているんだ?

 まさか、これもアクアの魔法か? でも、なんの?


 幻覚を見せる魔法? 

 でも、俺は水の中に落ちたはず。その後に魔法をかけられたってことか?


黒狼こくろうー!! 黒狼どこ!!』


 人の声。幼い、子供の声だ。

 何処から?


『…………あ』


 森の奥、木の隙間から一匹の狼と共に走ってくる。


『おっと……え?』


 おいおい、俺の足元をすり抜けたぞ。

 やっぱり、この空間は幻覚か。


 つーか、今の少年、見たことあるな。

 耳が隠れるくらいの銀髪。気のせいか?


『…………ついて行くか』


 少し、気になる。


 ――――パンッ!!


 っ! 銃声!?


 少年が走っていた方に向かうと、さっきまで一緒にいた狼とはまた違う狼が、少年の腕の中で血を流していた。隣でも、狼が一匹、血を流している。

 どくどくと血が流れてる、さっきの銃声は狼が撃たれた音だったのか。


 少年は、狼を大事に抱きしめ、悲しそうに涙をこぼしている。


 そんな少年の前には、猟師。

 狼を狩りに来たのか。でも、少年が邪魔をして撃てないみたいだな。


『大丈夫、もう大丈夫だから。安心してな』

『違う、違います。黒狼は、赤狼せきろうは悪いことしていないです。なにも、していないです。なんで、なんで殺したんですか!!!』

『なっ、なんだ?』


 取り乱している少年を宥めようと、猟師は優しく声をかけている。

 でも、聞く耳持たない。


 黒狼、赤狼って、近くにいる狼の名前か?


『なんで、なんで。返してください。返してください!! 私の!! 私の居場所を、かえしてくださぁぁぁぁああい!!!』


 っ!? なに、あの、水色の、オーラ?

 あれって、魔力?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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