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肩の力を抜くのはいい事だ

 屋上から降りて、部屋に戻る。

 ヒントを見つけたからなのか、安心して寝る事が出来た。


 目を覚まし、いつものようにソフィアが部屋に来た。

 訓練場に向かい、シールドの中に。


 アンキも準備が出来たらしく、その場でストレッチしている。


「変な空気を纏っているな」

「なんだ、その変な空気って」

「気が晴れたような感じだ」

「あー、それは当たっているかも」


 昨夜、アマリアからヒントを貰って少し魔法の出し方がわかったからな。


「…………面白いな」

「そうか?」

「あぁ。アンキ、お前は鉄球を使うな、もう一つの武器を使え」


 ソフィアがそんなことを言う。

 最初は驚いていたが、アンキはすぐに「はいっす」と頷き、鉄球をシールドの端に置く。


 懐に手を入れたかと思うと、取り出したのは一本のナイフ。


「ナイフ?」

「アンキは、鉄球が主の武器だが、あれは俺が提案したから使っていた。最初の武器は、今あいつが持っているナイフ」


 へぇ、武器を途中で変えていたのか。


「ナイフは、一対一の時に使うようにしろと言っていたんだが、今回は特別に使ってもらう」


 な、なんだ?

 深緑色の瞳が、俺を見る、貫く。


「何か掴んだのなら、発揮しろ。いくらでも付き合うぞ」

「――――あぁ、よろしく頼むぞ、ソフィア」

「俺っちも忘れないでくださいっす!!」


 隣でアンキが子供のように飛び跳ねる。

 はいはい、忘れてないぞ。


「それじゃ、模擬戦、 始めるぞ」

「おう」


 魔力のコントロール、節約。

 ――――よし、()()()()()()()()()()()()()


「来い」

「行くっすよ」


 アンキが最初に動き出す。

 地面を蹴り一瞬で距離を詰めた。


 だが、これはもう慣れた。


 簡単に、振りかぶられるナイフを避ける。

 距離を取るが、また詰められる。

 簡単に避け続けた。


 視界の端に映る、アンキの影に隠れたソフィア。

 拳銃を構え、俺を狙う。


 ――――来る。


 ――――パンッ!


 もう、無駄に集中しない。

 必要な分だけを見定める。


flame(フレイム)


 抑え目に放つと、やっぱり普通のflame(フレイム)

 これは、もう少しだけ上げてもよさそうだな。


 放たれた弾がflame(フレイム)に当たり爆発。視界を塞ぐが。かき分けアンキが突っ込む。


 頬をギリギリ掠める。でも、焦りはない。

 見極めているから。動きが読めるし、簡単。


 ソフィアは接近戦に持ち込もうとはしないらしい。

 拳銃を構え続ける。


 撃て、早く、撃てよ。次を試したいんだから。


 まぁ、flame(フレイム)をアンキに放てばいいんだが、それだと逃げた感じになりそうなんだよな。


 どうせやるなら、ソフィアに一泡吹かせたい。


 ――――あ、それならあえて普通のflame(フレイム)をアンキに放てばいいか。

 なにも、flame(フレイム)すべてを新しい方で放たないといけないわけじゃない。


 あー、俺は今まで、頭が固かった。

 夜、外出したのは良かったのかもな。頭がすっきりしている。


 もしかしたら、アマリアの言う通り、俺、自分を追い込めていたのかもしれねぇ。

 悩むなんてことしていたから当然か。


 俺が悩むなんて、なや…………結構悩んだ人生だったなぁ。

 まだ二十八歳だけど。


 ――――パンッ!


flame(フレイム)!」


 さっきより集中力を高める。でも、またしても普通のflame(フレイム)

 だけど、少しだけ赤みが帯びていた。


 爆発、すぐにアンキが来る。


 もう少し、高めるか。


「舐めてるっすねぇ」

「あぁ?」

「模擬戦だろうと、ここまで舐められると、気分は良くないっすねぇ~」


 あぁ、簡単に避けて、且つ、他にも考え事をしていたからか。

 流石に失礼だったな。


「魔法、使ってもいいっすか?」

「いいけど、どんな魔法だ? 見てればわかるっすよ。tuul(トゥール)


 唱えると、ナイフに風が巻かれた。

 

 なるほど、武器を強化する魔法か。

 風という事は鎌鼬的な感じに、近づいただけで相手を斬る事が出来そうだな。

 風って、そういうイメージ。


「行くっすよ!!」


 身長が低い分俊敏、避けるのが大変。

 風の巻かれたナイフを振りかざす、早すぎるから避けきれねぇ!!


 だが――…………


 ――――ガシッ!!


「受け止める事は、簡単だよなぁ~」

「力がないと言いたいっすか?」

「それはない。あんな鉄球を片手で投げている時点でお前の力は化け物」

「なら――――」


 だが、力を込めるのも、集中力を高めるのと同じで、ほんの少しだけ穴があるだろう。そこを突かせてもらうぞ。


 力を込められる前に持ちあげ、後ろへとぶん投げる。


「おっ?」

「――――flame(フレイム)


 普通のflame(フレイム)を放つ。

 避けられないと悟ったアンキは、顔付近で腕をクロスにし、防ぐ。


 ――――ドカンッ


「ぐっ!!」


 もろにぶつかるが、冷静に体をくるりと回し、地面に足から落ちる。

 まだ、俺のターンは終わんねぇぞ!!


 すぐに距離を詰め、足を地面に突けたのと同時に――っ!?


 ――――パンッ!!


 駆けだした直後、発砲。しまった、意識が逸れてた!


 集中力、一瞬で高められる程度でいい。さっきより、ほんの少し、高めるだけでいい!!


 炎が灯されるのと同時に、右手を薙ぎ払う。


flame(フレイム)


 ぶわっと、濃い炎がソフィアへと放たれた。

 弾に当たると、爆発が起きることなく包み込む。だが、それだけで消える。


 今まではそのままソフィアへと向かっていた。

 無駄な集中、魔力を使っていた証拠だ。


 足は止めていない。

 アンキへと突っ込み、今度は普通のflame(フレイム)を手に灯し、放つ。


「甘いっすよ!! |tuulcouteauクトー・トゥール


 ナイフを横一線に薙ぎ払う。

 すると、鎌鼬のように、鋭い刃が複数放たれた。


 普通のflame(フレイム)を出したことがあだとなっちまったか。

 まぁいい、ぶつかれ!!


 ――――ドカンッ


 っ、黒煙。


flame(フレイム)


 今度は、濃い方を放つ。

 勢いは普通のflame(フレイム)よりある。


 黒煙をかき分け、奥にいるアンキにむかっ――…………


「っ!? いねぇ!?」

「後ろっすよ!!」


 はぁ!? ――――ガツン!!

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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