金が関わる事なのなら、小さなイベントだろうと参加させてもらうぞ
「このイベント、年に一度開催されているらしいな」
「みたいですね」
今、俺達は受付を断れちまったから、人込みから離れ今回の催し物の詳細が書かれているギルドの掲示板前で確認中。
「タッグバトル。必ず男性二人で参加。魔法発動は自由、だけれど魔道具の使用は禁止。剣や弓などの武器は使用可能か。実力勝負っていう大会だな」
「あと、トーナメント式で、一度でも負けたらそこで終わりらしいですよ」
怖いなぁ、一度の失敗も許されないなんて。
それがトーナメントなんだから仕方がないけど。
「女の参加が禁止なのは、危険だからとかか? それか、過去に何かあったとかか?」
俺的には、この世界の女は男より強いと思っているから、参加しても特に問題ないと思うんだけどなぁ。
「でも、女性の参加は駄目以外の規則はそこまで厳しくないですよ!」
「まぁ、そうだなぁ」
これ、参加するにはリヒト以外の人が必要なのか。
グレールかアマリア、アルカか。
あ、でもアマリアは管理者だったし、さすがに参加は拒否されるかな。
それならグレール…………にお願いしたいけど、オスクリタ海底では顔が広い。
実力も知れ渡っているはずだし、それもちょっと危ないな。
それなら、アルカが一番か。
実力的にはグレールにお願いしたいところだけど、アルカも十分強いし、問題ないだろう。
「なぁ、なにに悩んでいるか知らんが、俺様も興味あるし、参加させてくれよ」
「おー、クラウドか。それならよかっ――――」
・・・・・・・・・・・・・。
「どわぁぁ!?」
「きゃぁぁ!?」
ク、クラウド!?
な、なんでここにいるんだ!?
「ク、クラウドさん。な、なんでこんな所にいるんですか?」
「連れて来られた」
連れて来られた?
それは一体誰に…………。
「…………ほう」
――――――――ビックゥゥゥウウウ!!!
アルカの肩が大きく跳ねたみたいだな。
グレールとロゼ姫も、建物から覗かせている顔が青い。
気配を探ってみるに、アマリアも一緒にいるな。見えないように隠れているらしい。
へぇ、ほう、なるほど?
ほうほう、あのような反応するという事は、俺達を付けていたな?
クラウドは一人にする訳にもいかないからと、なにかしらの理由を付けて連れ出したんだろう。
「――――リヒト、少し待っていろ」
「…………はい」
俺は、あいつらを、許さない。
・
・
・
・
・
「んじゃ。今回はクラウドが俺とタッグを組んで、タッグバトルに参加するという話でいいか?」
「構わん」
アマリア、アルカ、ロゼ姫、グレールに罰を与えた俺は今、クラウドにダッグバトルについて説明していた。
ちなみに、四人は今、ものすごく疲れている。
俺がくどくどと色んなことを責めたからな、そりゃぁ疲れるか。
だが、完全に今回はあいつらが悪い、俺は悪く無い。
だからなのか、文句を言っている時、あいつらは何も言い返さなかった。
ふん、せいぜい反省しやがれってんだ。
「だが、アンヘル族は参加可能なのかが気になるな。人間以外は駄目とか、そういう制約とかないよなぁ?」
掲示板を見てみるけど、そういう記載はない。駄目なのは女だけ。
「おそらく、大丈夫かと思いますよ」
「そうなのか?」
「はい。記載がないので」
グレールがいち早く復活したらしい。
俺の肩越しに掲示板を覗き、そんなことを言ってくれた。
「お前は参加したことないのか?」
「興味がないので」
「ふーん」
まぁ、興味ないよな。
グレールはロゼ姫さえいれば他はどうでもいいと言った感じだから、賞金とか興味ないだろう。
「それに、クラウドは見た目だけだとアンヘル族だとわからない。自らばらさなければ問題はないかと」
「なるほど。聞いたかクラウド。お前がアンヘル族だとばれないように、絶対モンスターだのなんだのと言われても反応するんじゃねぇぞ」
隣に立つクラウドを見上げると、頷いてくれはしなかった。
顔を逸らしやがったこの野郎。
「はぁ、ばれたらばれた時にでも考えよう。記載がないあっち側の不備でもあるわけだし、何か言われたらそこを言ってやろう」
よし、受付でもしようか。
「私達は外から応援しますね。頑張ってください」
「おうよ。んじゃ、行くぞ、クラウド」
また受付に行き、クラウドと共にタッグバトルに参加すると言うと、無事に参加出来た。
よーし、賞金のために頑張るぞー。
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