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休暇の意味を誰か教えてくれ

「拘束されている分際で、俺に楯突くからそうなるんだ」


 頬を、殴られた。


 血の味がして、気持ち悪い。

 まぁ、おめぇらの笑い声の方が何倍もキモいし腹が立つけど。

 

 本当に、不愉快。


「知里、大丈夫?」

「屁でもねぇわ」

「まぁ、そうだろうけど…………」


 今まで俺、管理者と戦ってきたんだぞ。

 こんな奴らなんて、敵ではない。


 だが、やられっぱなしも、俺的には腹立たしいものでねぇ~……。


「…………あぁ? なに笑ってやがる。殴られて気でもおかしくしたか?」

「あぁ、そうかもしれねぇな。お前らが気色悪すぎて、気が狂っちまったのかもしれねぇわ」

「なんだと? てめ、また殴られてぇらしいな!!」


 いや、殴られたくはないです。

 普通に痛いのは嫌い。


「――――heathaze(ヒートヘイズ)


 俺の背後に、ワイバーンの幻覚を出す。

 すると、拳を握った男どもが急に顔を青くし、見上げた。


「なっ、な…………」

「どうした、何かあったか?」


 あえて聞いてみるが、こいつらは俺の言葉が聞こえていないのか、ガタガタと体を震わせるだけで、何も返さない。


 そんなに怖いのか? 

 咆哮すら繰り出す事の出来ない、ただのワイバーン(幻覚)が。


「────なぁ、俺はワイバーンを従えているんだが、どうする? これ以上、俺に何かするのなら、噛み殺してもいいんだが? お前らなんて、殺しても管理者は動かないだろう」


 一応、隣を確認するが、首を縦に振って俯く。


 動かないという事だろう、嘘は言っていないな、よしっ。


 管理者の名前は知っていたらしく、男どもは後ずさる。途端、一人が悲鳴をあげ出入り口まで走った。


 そこからは、笑える展開。

 ぞろぞろと逃げるように男どもは泣きわめき、逃げ帰る。


 最後まで残っていた俺を殴った男も、「待ってくれよぉ~」と、情けない声を出し逃げ出した。


 一体、なんだったんだよ、今の茶番。

 マジで、めんどくさかったんだけど。


「ねぇ、なんで無意味に殴られたの?」

「無意味言うな。まさかあそこまで短気で、すぐに手を出してくるとは思っていなかったんだよ」

「ふーん」


 ふーん、じゃないんだよ。

 力任せに殴られたから普通に痛いし、口の中は切れて血の味が広がって気持ち悪いし。


「はぁ……」


 俺達を拘束しているのは、ただの縄。炎魔法で燃やせたんだが、辞めた。


 拘束から解かれちまったら、あいつらに魔法を思いっきりぶつけていたとわかってたし。


 さすがに、それはまずいからな。

 殺すのは、管理者だけで十分よ。


 いや、管理者だろうと出来る限り殺したくはないけど。

 殺すなら、ウズルイフだけにしたい。


 あいつは絶対に殺す、決めているから。


 ――――キィィィィイイイイイ


 ん? さっきとはまた違う所のドアが開いた?


「また集団かな?」

「勘弁してくれ……」


 いや、冗談抜きに勘弁してくれよ?

 もう殴られたくないぞ、俺。


 ――――コツ コツ


 一人分の足音、集団ではないな。

 そうなると、さっきみたいな奴らが来たという線は薄い。


 耳を澄まし気配に集中してみる。

 …………あぁ、やっと来たのか。


 俺達を拘束したであろう、()()


 ――――コツ


 やっと、薄暗い中でも目視できるくらいの距離まで来てくれた。


「目を覚ましたみたいで、何よりよ」


 今の足音は、アンヘル族の女が背中に生えている白い翼を使わずに歩いている音だったか。


 後ろには白い翼を広げ、欠伸を零しながら浮いているアンジェロ。


 そういえば、女の方の名前、なんだっけ。

 こいつ、自己紹介していたっけ。


 名前、名前……。


「アンジュ、なんでこんなことをしたか、僕達が納得できる理由をしっかりと教えて」


 あー、アマリア激怒。

 表情がより一層『無』になっているし、声には怒気が込められている。


 左右非対称の瞳は、真っすぐ殺気を放って女のアンヘル族――アンジュに向けられている。


 元管理者からの殺気。

 流石に狼狽えているな、冷や汗を流し後ろに下がっている。


 隣にいるだけでも鳥肌が立つ。

 今すぐ逃げたいし、巻き込まれたくないけど、拘束されているから逃げられない。


「…………ひとまず、縄は燃やしてもいいよぉ~」

「あ、おめぇが解いてくれるんじゃねぇのかよ」

「それでもいいけどぉ、時間、かかるよ?」

「…………燃やします」


 アンジェロに従い、アマリアと俺の身体を拘束している縄を燃やした。

 おぉ、上手く燃やせた燃やせた。


 解放感すげぇぇええ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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