マジで行うなんて思ってなかったよ……
ある王族の人達は、一人の息子を生みました。
その息子には、様々な力が備わっております。
自然が起こす災害の無効化、光を自由に操る力。他にも様々持っています。
ですが、どれも強力なため、条件が備えられていた。
その条件とは、自身が無傷である事。
少しでも体に傷がつけられれば、力は半減、制御不能となってしまいます。
・
・
・
・
・
んー、これって、確実にあいつだよな?
この王族って、クラウドを表しているのか?
これって、いつ世に出回った本なんだ?
よく、最後のページに書かれていたりするはずなんだが、黒く塗りつぶされていて読めやしない。
…………見た感じ、めっちゃ古い。
もう、数十年前に作られているはずだ。
所々破れているし、焼けている部分もある。
読めないくらい文字が滲んでいるページもあるし。
これって、数十年、なんだったら数百年も前に作られた本じゃないか?
これが仮にクラウドの事を指しているのなら、あいつはあの見た目で何百歳だよ。
いや、年齢に関しては管理者の事もある、あまり深く考えないでおこう。
「この本、もう少し読んでみるかぁ?」
ただ、本を読むのに慣れていないから、目が疲れてきたんだよなぁ。
普段、仕事中は眼鏡を付けたり、目薬とかで紛らわせていたから何とかなっていたが…………。
「…………今日は、ここまでにするか」
アマリアはどうせ、どこかで集中しているんだろう。
どこか寝れる場所とかないかなぁ~。
周りを見て回るけど、テーブルと椅子しかない。
ベッドとか……あるわけないか。
アマリアには悪いが、今日はここで帰ろうか。
この本は――持って帰ろう。
ゆっくりでも読みたいし、気になる。
再度、パラパラ見てみると――――おやぁ?
最期の方の文字、アンヘル族の文字だ。
読めない……。
なんで最期だけアンヘル族の文字で書かれているんだぁ?
ここに置かれているってことは、誰でも読める状態になるわけだし、読まれてはいけない内容が書かれているという線も薄いだろう。
…………ひとまず、今はアマリアを探そうかな。
城に戻って、この本をゆっくり読もう。
どうせ、他には特に気になるものはなっ――あ、見つけた。
見回していると、アマリアが二冊くらいの本を持ってふよふよ戻ってきていた。
まさか、自分からこっちに戻ってくるなんて思わなかったな。
どこかで本を広げ、集中していると思っていた。
「アマリア、もういいのか?」
「うん。ここでは人の気配が多いから、集中できないんだよね。借りすぎると怒られるから、今回は二つに絞ったの」
前回のあれか。返しに言ったら怒られたのかな、どんまい。
「知里はそれを借りるの?」
「おう。これにはアンヘル族について書かれているみたいだったから、ちょっと気になってな」
「へぇ~」
あ、アマリアも興味持ったみたい。
じぃ~と見て来る。
「…………俺が読んだあと、貸してやるよ」
「わかった」
カウンターに行き、本を借り外に行く。
もう日が落ち始めていた。
短い時間だったと思ったら……。
結構集中していたんだなぁ。
隣でアマリアは大事そうに本を抱えている。
なんか、無表情なんだけど、無邪気に喜んでいるような気がする。
――――周りにはまだ人がいる。
でも、昼頃よりは減って、人混みが苦手な俺でも歩きやすい。
うるさいという程でもない人の声、音。
これはこれで、悪くはない。
海底だから自然の風とか、植物とかはないけど、見上げると海洋生物が優雅に泳いでいる姿を見ることが出来る。
あー、そうだ。
この休暇の時間を使って、この海底を散策するのもよさそうだな。
今までそんな時間なかったし、気持ち的にも焦っていたところはあったから、景色とかを楽しむ余裕がなかった。
ちょっと、ロゼ姫に聞いて一人で海底を見て回ろっと。
そんな事を考えていると、前方からアルカ達が走ってきた……?
なんだ、なんだ?
なんか、目を輝かせているんだけど、何か欲しい物でもあったか?
無駄に金は使うなよ、絶対に。
「カガミヤ!!」
「カガミヤさん!!」
二人が俺の前で立ち止まると、何やら興奮したような表情。
頬を染め、俺を見上げて来る。
なんだ、本当になんだ?
「今日、夜にちょっとしたパーティーをするみたいですよ!」
「パーティー? なんでだ?」
「お疲れ様会と、ロゼ姫様が言っていました!」
お疲れ様会?
それって、アマリアが適当に言っていたあれか?
「それ、本当に行う事になったのか?」
「ロゼ姫がそう言っていましたよ! 豪華な料理を準備しておくから、カガミヤさんとアマリア様を呼んできてと」
リヒトがアルカと目を合わせながら嬉しそうに頷いている。
アマリアと目を合わせるが、こいつもパーティーの事は知らされていなかったらしい、首を傾げている。
「まじで、パーティー、するのかよ…………」
「パーティーをすると言って、そんな嫌な顔を浮かべるなんてね。君くらいじゃない?」
「うるさい」
ここまで読んで下さりありがとうございます!
出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!
出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!
よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ




