なんでこうも狙ったかのような事態が起きるんだよ
「ふわぁぁぁあ……。今、何時……。あぁ、夜か……」
周りが静かだし、人の気配がない。
寝静まっているという事は、今は夜か。
夜というか、深夜?
とにもかくにも、変な時間に起きちまったのは変わりない。
「…………確実に、二度寝は出来ないな」
ベッドの上で全力で伸びをしていると、目が完璧に冴えてしまった。
最近寝てばかりだから、体がカチコチだな。
肩と腰が痛い。
体が硬くなっているし、首もちょっとやばいな。
クラウドとの戦闘で思いっきり体を動かしたんだけどなぁ。
リハビリがてらの戦闘、体への負担が凄かった。
魔力も大量に使ったなぁ。
まぁ、四分の一も減ってなかったと思うけど。
「んー、暇だ」
…………意味もないけど、夜空でもみっ――アマリアを連れて来ないと地上には行けないんだった。
クラウドは目を覚ましたのか、アマリアは寝ているのか。
そもそも、アマリアに睡眠は必要なのか。
――――ちょっくら、二人のいる部屋に行ってみるか。
部屋から出ると、ひんやりとした空気が流れている。
…………うっ、体が震える。早く行こう。
別に、怖いという感覚はないが、普通に寒いし、静かすぎて不気味。
お守り替わりに魔導書持ってくるべきだったかなぁ。
ベッドの脇に置いていたのすっかり忘れていた。
取りに行くのもめんどくさいから戻らんけど。
廊下を進むと、無意識のうちに足早になっていたのかすぐに辿り着いた。
ただ、息が荒い。廊下を早歩きしていただけで疲れたらしい。
「――――人の気配を、感じない?」
ドアに手を置き、耳を寄せる。
中からは――――何も聞こえないな。
え、何も聞こえない?
まさか、どこかに二人で出かけたのか?
でも、そうだとすると、アマリアが何も知らせないのはおかしい。
何かしらの方法で俺にわかるようにするはず。
魔力を微かに使って、異変を伝えたり。
「…………開けてみるか」
二人とも気配消すの上手そうだもんな。
普通に寝ている可能性の方が高いか。
警戒心高すぎだろう、俺。
ノックをせずにドアを開け、中に入ると――――真っ暗。
いや、ベッドの近くに置かれている電気スタンドが淡く光ってる。
その近くに人影。
やっぱり、外出はしていなかったらしいな。
「おい、目を悪くすんぞ」
「あれ、知里?」
アマリアが暗闇の中、電気スタンドの光だけで本を読んでいた。
流石に目に悪いだろうと電気をパチンと付けてやったわ。
アマリアの隣まで移動してベッドを見てみると、ウズルイフはまだ眠っていた。
「一度も目を覚ましていないのか?」
「目を覚ましていないね。本を読む手が止まらなくて嬉しい限りだよ」
俺と会話しながらも本を読んでいる、集中出来ているのか?
というか、いつ本をどこから持ってきたんだ? まぁ、いいか。
「それはそうと、お前はやっぱり睡眠もいらないのか?」
「寝なくても問題はないって感じかな。寝てもいいけど、特に体の機能は変わらない。それだったら、寝ないで本を読んでいた方が有意義でしょ」
一切本から目を離さない。
何の本を読んでいるんだ?
本の表紙を覗きこっ──なんじゃこれ。
な、何語? 英語でもないし、日本語ですらない。
「これって、何語?」
「多分、アンヘル族の文字じゃないかな」
「え、読めるの?」
「まったく。ただ、面白いなって思って、文字だけ見て楽しんでる」
そ、そうか。
というか、その本、マジでどこから入手した?
「ちなみに、これはこいつが持っていたよ」
「え、どこに持ってたんだ!?」
「隠していたみたい。なんか、さっき空中に星屑と現れた」
え、なにそれ、意味が分からない。
んーと、魔法か何かで隠していたが、今は深い眠りについているから魔法が解けて隠していた本が現れたって事でいいのか?
「ちょっと、貸して」
「…………」
「無言で見上げるな」
嫌なのはお前のジト目で伝わったわ。
だが、俺はお前から本を奪い取り中身を見させてもらう。
「えっと……。マジで、何が書かれているのかわからんなぁ」
まじまじ見るけど、なんか、なんだこれ。
マジで例えられない。
鳥居みたいな文字とか、蛇? いや、なんだぁ??
「――――あ」
「えっ?」
アマリアが素っ頓狂な声を出したから思わず顔を上げると――……
「ギャァァァァァァアアアアア!!!!!」
目の前に光の刃が向かって来ておりました。
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