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俺だけわかってない感は負けている感じがして嫌なんだが?

「まさか、そんなことを言われるなんて思っていなかったね」

「そうなんだよ。何でそんなことを言われたのかも理由がわからん」


 まさか、俺が一歩動くと何故かいろんなものが吊れるから、これ以上オスクリタ海底に被害を出さないためとかか?


 でも、それだと一か月という期間に矛盾が生じるよなぁ。

 追放すれば済む話だし、俺も追放されても仕方がない事をしている自覚はある。


 俺の顔が気に入っているとしても、立場は王妃。海底を守らなければならない。


 一か月、まさかこの一か月で俺を追放する準備を進めるという事か?

 それなら、俺もいつ追放されてもいいように準備を進めておこうかな。


「よほど心配だったようですね」

「怒涛の戦闘でしたもんね。休んでほしいという気持ちになるのも仕方がありません。少々強引ですが」


 前を歩いているグレールとロゼ姫が何やらクスクス笑いながらそんなことを話している。


 休んでほしい? どういうことだ?


「なぁ、何の話だ?」


 二人に声をかけると、足を止めて振り返った。


「なんの話って、先ほどチサト様がお話ししてくださった内容を少々話していただけだったのですが…………」

「さっきの話? 休んでほしいとかは俺、言ってねぇぞ?」


 言うと、グレールとロゼ姫は顔を見合せ、何故か笑い出した。

 なんだよ、意味が分からない。


「僕達の解釈と、二人の解釈は違うみたいだね」

「そうみたいだが、笑われているのは不快だぞ」


 なんだよ、腹立つ。


「まさか、アマリア様も気づいておられないのですか?」

「んー、なんだろう。休め……休め……。――――あっ、そういう事か」


 ん? アマリアもわかったのか、何故か納得した表情を浮かべている。

 俺だけが、わかってない。


「今回は、強制的に知里を休めるためのお約束って事か」

「俺を休める? それ、王妃にメリット無くねぇか?」

「そういう考えだから、今回も王妃の思惑に気づかなかったんだろうね。僕もだけど」


 なんだよ、それ。

 俺を馬鹿にしてんのか?


 なんか、グレールとロゼ姫は笑っているし、アマリアは無表情で頷いているし。

 もう、いいや。ひとまず、俺は知らぬ間に強制休暇を貰ったらしい。


 なら、リトスとクラウドの様子を見た後、通帳を眺めて時間を過ごそうかな。

 体を休ませることも大事な仕事。


 そんな事を考えていると、たどり着いたらしい。

 歩き出していたグレールとロゼ姫が足を止めた。


「ここです」

「普通の部屋にいさせているんだな」

「暴れる訳でも、何か企んでいる訳でもなかったからですよ。アンヘル族は普通に危険なので警戒していましたが」


 クラウドの事だな。


 早くリトス達の様子を確認して、クラウドの所に行こう。


 扉を開けると、中は他と変わらない。ゴージャスな部屋。

 ゴージャスが付いている時点で全然普通じゃないけど。


 んで、中心には、膝……? お腹? に、リトスを乗っけて楽し気に話しているユウェル族の二人。いや、二体。


 俺達に気づくと、リトスは目を輝かせ俺の方へと走ってきた。


「もう起きても大丈夫なんだぞ~?」

「おう、俺はもう大丈夫だ。戦闘出来るくらいには回復している」

「戦闘したんだぞ!?」

「成り行きで」


 成り行きで戦闘というのもおかしい話なんだけどな。

 そこは深く考えたらきりがないから端折る。


「け、怪我はないんだぞ?」

「見ての通り、無傷」


 その代わりにクラウドが吹っ飛ばされて気を失っているけど。


「それならよかったんだぞぉ……」


 ほっと胸をなでおろしているリトス。

 心配をかけていたんだな。


 奥を見ると、長が欠伸を零して眠そうにしている。

 その隣には、酒瓶?


「もしかして、こんな昼間から酒を飲んでいたのか?」

「うまいぞ。ほれ、飲んでみるといい」


 長に酒瓶を渡された。

 近付いて素直に受け取るが。なんか、アルコールの臭い、きつくないか?


「あー、知里」

「ん?」

「これからクラウドに会いに行かないといけないでしょ? だから、これは後日にしようか」


 今度はアマリアに取られた。 


 グレールはなんとも言い難い顔をしているし、ロゼ姫は純粋に分からないのか首を傾げている。


 俺も、首を傾げたい。


「それじゃ、お疲れ会的なものを開いた時にお酒、飲もう」

「なんだその、お疲れ会って」

「たまにはこんな感じの名前でパーティーとか開いてもいいんじゃない? 知里は嫌がると思うけど、たまにはみんなでわいわいしようよ。アルカやリヒトも喜ぶと思うしさ」


 俺が嫌がるとわかっていてもその発言か。

 まぁ、たまにはいいかとも思っているがな。


「今回はお前らの様子を確認しに来ただけだから。なにも用はないんだ、邪魔して悪かったな」


 足元にいるリトスの頭を撫でると、満面な笑みを返された。

 無邪気だなぁ、俺もこんな笑みを浮かべていた時――――なかったわ。


 ここにはもう用はないし、部屋から出る。


「んじゃ、多分大丈夫だとは思うが、ここの住人に迷惑かけるなよー」


 扉を閉じて、俺達はクラウドのいる部屋に。

 まだ、目を覚ましていませんように。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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