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少しでも試せるもんは試したい

 相手が炎のガトリング砲を切っている間に、こっちは接近戦の準備。


 炎の拳か水の刀か。

 いや、どっちも使えばいいか。


「アビリティ、同時に使えるんだよな? 属性違いの魔法」

『使えます』

「わかった」


 なら、やるか。


lama・water(ラーマ・ワーター)


 唱えるのと同時に背中には六本の刃、魔導書を離した右手で水の刀を握る。

 同時にガトリング砲を消し、炎を纏わせた。


fistflame(フィスト・フレイム)


 右手に燃え上がる炎が、水の刀に渦を巻くようにまとわりつく。

 手にも炎が纏っているから、仮に切られそうになっても問題はなさそう。


 楽し気に笑っているクラウドを見据えると、挑発するように右手で「来いよ」と指を曲げた。


 わかった、行ってやるよ。


 地面を強く蹴り、一瞬でクラウドの目の前に。

 流石に驚いたのか、反射的に後ろへ下がりながらも、笑っている。


 すぐ右手で持っていた刀を振り上げた。


 ――――ガキン


 光の刃で受け流されたが、体を回転させ連撃。


 ガキンと、刃同士がぶつかる音が響く。

 相手は二刀流。こっちは、一本


 だけど、背後の刃、そっちも操作をすれば六本分優位に立てる。


 ――――ガキン ガキン!!


 防がれても、勢いを緩めず連撃。


 攻められると受け流し、相手のバランスを崩そうとするが、すぐに立て直され意味はない。


 タイミング、絶対に間違えるなよ、俺。

 肝となるのは俺がしょっている水の刃なのだから。


 まだ、こいつは俺の背後を気にしている。

 意識されている間は動かす事が出来ない。


 こっちが予想外な動きを見せなければ、こいつは崩れない。


「動きが鈍くなってきたな」

「っ、くっそ!!」


 刀を握っている手が痺れてきた。

 さっきから受け止めは払い、攻めては受け止められ。それの繰り返し。


 振動が手に伝わり、痺れてきやがった。


 アルカやグレールは痺れに慣れているのか。それとも何かコツがあるのか。平気そうなんだよなぁ。


 ちっ、押されてきているのはまずい。


 後ろへ後退――――くそ、すぐに距離を縮められる!!


「おらおらおら!!!」


 ――――ガキン ガンッ!!


「っ、足は反則だろうが!!」


 体を回転させたかと思うと、回し蹴り。

 思いっきり腕に当てられた。


 何とか刀を握り直し、落とす事はなかった。

 後退するが、距離を縮められる。


 もう、接近戦は絶対にやらない!!!


「――――ふぅ」

「なんだ、諦めたのかぁあ!!!」


 ――――ガキン!!


 くっ、何とか刀で受け止め、まず動きを止める。

 ギリギリと押されて辛い──がな!!


 …………クラウドの目が爛爛としてる、本気で楽しんでんだな。

 戦闘狂、か。あれ、なんで俺、戦闘狂に狙われるんだろう。勘弁してくれ。


「なぁ、早く炎魔法を出してくれよ。俺様は、おめぇの炎が見たい。おめぇの、純粋で綺麗な、真っすぐ輝いている炎が見たい!!」

「ぐっ!!!」


 よろけるが、何とか地面を踏みしめ耐える。


 つーか、なんだ今の言葉。

 純粋? 綺麗?


 炎に純粋も綺麗も真っすぐもくそもないだろうが。

 俺は普通に魔法を出しているだけ、こいつの目には一体どんな感じに映ってんだよ。


 くっそ!! くそ、くそ!!

 仕方がない、力が限界だ。

 ちょっと、チート魔力に頼る!!


(アビリティ、fistflame(フィスト・フレイム)にだけ魔力を注ぎ強くすることって出来るのか?)

(意識すれば可能ですが、難しいかと思います)


 難しいか。だが、今はやるしかない。


(出来るのなら、やる)

(わかりました。魔力の調整をこちらでも行います)

(助かる)


 魔力をfistflame(フィスト・フレイム)に集中、だがクラウドが動きを見せるかもしれないから、目は離さない。


 水の刀の周りに、渦を巻くように纏われている炎に動きが見えてきた。


「――――っ!」


 クラウドが片眉を上げた。

 炎の変化に気づいたらしい。


 fistflame(フィスト・フレイム)に魔力を注ぎ込むと、クラウドが先ほどより目を輝かせ、白い歯を見せ笑う。


 もっと見ていたいと表情に書いており、光の刃に込めていた力を抜いた。

 そのまま腕を下ろし光の刃を消し、炎を見続ける。


「――――すげぇ」


 炎は俺の魔力に反応するように光り輝き、範囲が大きくなる。


 同時に、背後にある六本の水の刃にも変化が見えてきた。


 水が赤くなり、周りに炎が纏われ始める。

 水の刀が赤く光り出し、渦を巻いていた炎の色が濃くなった。


 両腕にまで炎が伸び、守られる。


 それだけじゃなく、炎が俺の右半身を纏い始めた。

 視界は、遮られているわけではない。


「すげぇ、ほんとにすげぇよおめぇ!!」


 めっちゃ興奮してんじゃん。だが、そんな余裕にしていていいのか?


『――――準備が整いました』



 ――――――――わかった。



 膝を折り、姿勢を低くする。

 地面を抉るほどに足へ力を込め、目線は再度構えだしたクラウドへ向けた。


「来い」

「行くぞ」


 地面を強く、蹴る。


 ――――ドンッ


 今まで聞いたことがないほどの音が響き、風を切る。

 一瞬でクラウドを射程内へ。


 思っていたより俺が早かったからか、動き出しが遅れたらしい。

 だが、俺は手を緩めないぞ。


 左側へ押せていた刀を、右一線に薙ぎ払う!!



 ――――――――ドカン!!!!



ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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