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こいつが嘘を言っているのか、嘘の伝承が流れているのか

「もう少し質問してもいいか?」

「別に構わねぇが、俺様からも質問いいか?」

「? なんだ?」


 答えられる事なら答えてもいいが……。


「おめぇ、この世界の住人か? 気配、纏っている空気、目。ちげぇよなぁ~?」

「あぁ、その事か。俺は確かにこの世界に生まれたわけじゃねぇよ。別世界で一般会社員をしていた異世界転移者だ。訳あってチート魔力と魔法をゲットして、金儲けしながら目的を果たすためダンジョンを回りたいなぁ~と思っている男だ」


 ここまで説明すれば納得してくれるだろう。

 今まで誰一人として一発で納得してくれなかったけど。


 これ以上の説明が出来ないから〜っていう、毎度同じやり取りをやるんだろうなぁ。


 はぁ、マジでめんどくさい、何かテンプレを考えようかなぁ。


「…………くっ、くく。あーはっはっはっはっはっ!!」


 ん? なんか、急に腹を抱えて笑い出したぞこいつ。

 なんだ、気でも狂ったか? 


 いや、理不尽に俺を殺そうとしてきただけでもう狂ってるか。


「はー……。こんなに笑ったのは久しいなぁ、何千年ぶりだろうか」

「単位がおかしい事になっているが、そこは特に突っ込まん」


 アマリアもこの見た目で何百歳だったような気がするし、管理者と同じく化け物という考えで頭を納得させようか。


 もう、深く考えるな、俺。


「別の世界から来た異人か……。それなら、俺達アンヘル族について知らんのも当然か」

「知らん」


 ひとまず、人間では無いということはわかった。

 んー、でも、人間との違いはどこだ? あと、俺はここから居なくなってもいいのかも聞きたいな。


「お前、フォーマメントって、聞いたことあるか?」

「??」

「天空だ」


 天空かぁ。こいつは天空と呼ばれるところから来たのかぁ。


 なんか、この世界に来てから何を聞いても特に驚かなくなってきたな。

 何があっても”異世界だから”で済ませられるこの世界便利。


「んでもって、俺様はファーマメントの王族に生まれ、皇子として生活してんだ――……」

「待てやおい」


 はぁ? こいつが、皇子?

 ふざけるのも大概にしろよ?


「なんだ?」

「お前みたいな奴が皇子になれる訳ないだろうが。理不尽に、異人を殺そうとしてきたおめぇが」

「てめぇがアンヘル族をモンスターという底辺と同じ扱いしたから悪いんだろうが。すべててめぇが悪い」


 いや、アンヘル族について全く知らない俺がそれを言われても困るんだが?

 理不尽を超えているんだけど、勘弁して。


「わかったわかった、お前が皇子なんだな。そんな位の高いお前様がなんで地上にいるんだ?」

「追放された」

「…………ん?」

「追放されたんだよ、俺様」


 な、何こいつ。

 なんで腰に手を当てて、当たり前だろうというように鼻を鳴らしているんだよ。


「えぇっと、追放されて、なんでここに居るんだ? 確か、オスクリタ海底は管理者と言えど水魔法使いが居なければ侵入できない程、厳重なはずなんだが?」

「あぁ? 普通に飛んできただけだ」

「お前の普通は、俺達にとっては普通じゃねぇんだよ。もっと詳しく教えやがれ」


 話が進んでいるようで全く進まない。

 めんどくさい、一発でわかりやすく説明してくれよ……。


「俺様の普通がお前らにとって普通じゃないのなら、お前らの普通は俺様にとっても普通ではねぇんだよ。説明が出来ん、普通に飛んできた、以上だ」

「クッソ腹立つなお前」


 ヘラヘラしているし、人を小馬鹿にするような口調で(はらわた)が煮えくり返りそう。


 これはどんなに聞いても答えてくれない――――待てよ。


「なぁ、お前はここまで飛んできたんだよな?」

「あー、そうだ」

「水の中を通ってきたという事でいいか?」

「おー」

「水圧とかどうしたんだ?」

「水圧?? あー。そういう質問方法な。確かにこれだとすり合わせが出来るか」


 わかったらしい。


 こいつは、あえて答えてないんじゃねぇ。

 俺達にわかりやすく伝えるのがめんどくさくて今みたいな答え方をしているだけ。


 それなら、こいつが頭を使わなくても答えられるような質問をすれば俺の求める答えに辿り着く──はず。


 そう考えての質問だったが、こいつにも通じたらしい。

 何故か今は、俺を馬鹿にしているのか、口を大きく開けて笑っているけど――――殺すぞ。


「笑ってんじゃねぇよ。これでも俺は考えたんだぞ、答えやがれ糞天使」

「水圧とかは感じねぇ―んだよ、俺様つえーから」

「…………え?」


 水圧を感じない? 

 こいつの身体どうなってんの?


「ついでに言うと、息も出来るし泳がんくても問題はねぇ」

「…………アマリア」


 隣にいるアマリアは俺が急に呼んだからか、少し驚きながらも「なに」と答えてくれた。


「アンヘル族って、アマリアは詳細、知ってんのか?」

「名前を少し知っている程度かな。それと、天空――ファーマメントで暮らしていること。普段は地上に降りてこないから、姿を見ると幸運が訪れるとか言われているみたいだよ」


 幸運が、訪れる?


 再度クラウドを見るが、俺とアマリアが話している内容がつまらないのか欠伸を零している。


 見た目はただの不良、綺麗な感じはするが近づきたくない。

 普通に怖いし、関わりたくない。


 こんな奴を見て、幸運が訪れる?


「…………やっぱりお前、アンヘル族とか嘘だろ」

「何を判断基準にしてやがる」


 こんな野蛮人に会ったからと言って幸運は絶対に訪れないだろうという所が判断基準です。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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