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何でこうも俺に降りかかってくるんだふざけるな

 城の外に向かい、人だかりを抜ける。

 その先には驚愕の顔を浮かべているアマリアと、見覚えのない男。


 深い紫色の髪、オッドアイの瞳。

 纏っている空気が普通の人とはまるっきり違う。


 つーか、見た目は人だけど、人じゃ、ないよな。

 なんだ、あいつ。


「知里? 起きても大丈夫なの!?」

「めちゃくそ体は怠いけどなぁ……」


 目を覚ますと点滴で繋がれていたけど、それより気になるもんを外から感じちまったし、仕方がないだろう。

 案の定、やべぇーことになってっし。


「はぁ、体おもっ…………」

「だから休んで下さいと言っているんですよカカミヤさん!!」


 隣で叫ぶな叫ぶな。流石に頭痛が……。

 リヒトを振り払ってからにすれば良かった。


「つーか、誰、あれ。人ではないよな? モンスター?」

「ちょっ!!」


 あ? なんか、アマリアが慌てたひょうじょっ――……



 ――――シュッ



 えっ────…………



「なぁぁぁぁぁああ!?!?!?」

「カガミヤ!?」

「カガミヤさん!?」


 めっちゃ気を抜いてた、気を抜きすぎていた!!

 頬に、突如突っ込んできた男の爪が掠った。


 え、なに、は? 何が起きたの?


 顔を横に逸らし、相手の手首を反射的に掴んだことで大きな傷を作らなくて良かったが、一歩間違えれば確実に死んでいた。


 いや、今も力の押し合いになってっから、油断すれば首が取られるけどな。

 油断だ出来ねぇ…………。


「撤回してもらってもいいかぁ?」

「な、何をだよ」

「俺をモンスターと言ったこと。撤回しろ」


 え、人間じゃないからモンスターなのかなと思ったが、違うのか?

 なら、人間? 管理者的な感じなのか?


 と、いうか!


 力、めちゃくそ強い! 

 俺、起きたばかりで力とか入らないし、まだ瞼は重たい。

 このまま続けていたら、確実に殺される!


「わ、悪かった、悪かった!! モンスターなわけないよな!! そうだよな!! 俺が悪かったから許してくれ!」


 ギリギリと、謝ったのに押し合いが続く。


 な、なんでだよ。

 俺、謝ったじゃん! 撤回したじゃん!

 なんで手を引いてくれないんだよ!!


「一度言った言葉は消せねぇぞぉ〜」

「撤回しろと言ったのはそっちなのに!? 謝り損じゃねぇかよ!!」


 ────くっそ、限界だ!!!


「~~~~~~fist flame(フィスト・フレイム)!!」


 炎の拳、力任せに出してしまったせいで炎の勢いが強い。

 燃え広がり、この男の手すら炎で包み込む。


「――――っ!」


 おっ、さすがに炎は効いたか。

 すぐに後ろに飛び俺から離れてくれた。


 燃え上がっている炎は、俺の拳にとどまらず右上半身まで広がっていた。


 熱くはない、右の顔も包まれているみたいだけど、視界も問題なし。

 これ、ここまで燃え広がって何か意味があるのか?


「…………俺様まで燃やそうとしたのか、お前」


 え、うそ、やっべ。

 こいつ、怒ってる? 怒ってそうだな。

 いやいや、怒りたいのは俺なんだけど?


 俺、お前からの理不尽攻撃に耐え、よくわからないが言葉を撤回しろと言われたから撤回し謝ったのに怒られ続けていたんだぞ。殺され続けているんだぞ。


 炎が大暴れするのは、今の俺のメンタルなら仕方がないだろうが、感情が高ぶったんだ。


 消すように意識すると、炎は静かに消えた。

 燃えそうになった手を見下ろし、男は立ち尽くしている。


 これは、なにか弁解しないと駄目だな……はぁ。


「お前を燃やそうとしたわけじゃねぇよ。感情が高まり、ここまで燃え広がっただけ。それより、お前はなにもんだ。何で俺を殺そうとした。管理者の仲間――――ではさすがにないか」


 アマリアの様子をちらっと見ると、そんなことはないとすぐに分かる。警戒しているしな。


 頬に傷が付いているみたいだけど、もしかして俺と同じくさっきの理不尽攻撃を食らったのか?


「俺様の攻撃が二度も防がれるなんてなぁ、さすがに思わなかったわ。おもしれぇ」

「俺は全く面白くねぇよ。お前の耳は飾りなのか? 会話をしろ会話を。お前は何もんだ、名前は、どこから来た。モンスターじゃないのならなんなんだ、早く答えろ」


 俺の怒りは届いたか、届いたよなぁ?


 叩き起こされた感じなのに、理不尽に殺されかけてさぁ。

 流石に怒るだろう、怒っていいだろう。


「怒ってるみたいだが、まぁいいわ。えぇっと、名前とどこから来たか、俺がなにもんか、だったか?」

「あぁ」


 いやに冷静だな。

 なんか、気持ち悪い、こいつ。


「俺様の名前は、クラウドだ。ファーマメントから来た、アンヘル族の一人。あとは……何を答えればいい?」

「…………へぇ、素直に答えてくれたな」


 アマリアをちらっと見ると――――?


「どうしたアマリア、なんか、複雑そうな顔を浮かべてんぞ?」

「僕が質問しても答えてくれなかったのになぁって思ったっだけ」


 あ、そうなんだ。

 それは、まぁ、うん。


 どんまい。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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