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なんでアンヘル族がここに居るんだろう

「…………これって」


 知里はアルカとリヒトに任せて、僕はグレールに呼ばれて城の外に。


 人だかりがあるけど、そこにアンヘル族がいるって事?


「すいません、通してください」


 グレールが言うと、人込みは道を作るように動き、通れるようになる。

 人だかりの中心には、一人の白い人物。


 警戒心むき出しだな、気配が鋭い。


「…………」


 滅紫(めっし)色のぼさぼさな髪。

 そこから覗き見える耳には、大量のピアスが付けられている。

 白い大きなワイシャツ、白いズボンは片方だけ捲り上げていた。


 顔を俯かせているから、どのような表情を浮かべているのかわからないな……。


「こいつが、自分をアンヘル族と言ってるの?」

「はい」

「ふーん」


 アンヘル族は、確かモンスターの括りになっているはず。

 でも、本人達は認めておらず、モンスターと言うと激怒するんだっけ。


 この世界では人間、動物以外は全てモンスターと括られる。

 でも、アンヘル族は天使族とも呼ばれ、会えば幸運が訪れるという伝説もあったかな。


 そんなアンヘル族の見た目は、人間とほぼ変わらない。

 大きな違いは、白い翼が背中にあるかないか。


 こいつには、アンヘル族の特徴である白い翼がない。

 嘘を吐いている可能性があるな。少し探ってみるか。


「アマリア様は、アンヘル族を知っておりますか?」

「ん? うん、名前は聞いたことあるよ。ユウェル族と同じでモンスターのくくりっ――あっ」


 つい口に出しっ――――殺気!!


 横を向くと、目の前には命を刈り取ろうとして来る白い手。


「くっ!!」

「アマリア様!!」


 体を横にそらし、ギリギリで回避。

 でも、頬を掠ったみたい、血が流れる。


 僕が元居た場所を見ると、そこにはさっきのアンヘル族。

 指先が赤い、僕の血かな。


「…………あれ、殺せなかったのかぁ? 今ので殺せなかったのは、さすがに予想外だなぁ」


 低い声、妖艶で少し艶がある感じ。

 そんな声には殺気が含まれている。


 血の付いた指先を舐め、顔を上げた。


 オッドアイ、僕と同じか。

 色は、黄緑色と藍色。右の眼の下にはほくろ。


「俺様をモンスター扱いした罰だ。次は逃げるなよ?」

「いや、逃げるよ。そんな罰、受け入れるのは無理」


 僕を挑発するように出した舌にもピアスって……、開ける時痛くなかったのかな。


「ねぇ、それより、君は本当にアンヘル族なの? 白い翼が特徴のアンヘル族が何故地上に?」

「おいおい、今度は俺様を挑発してんのか?」

「興味本位だよ。それで、なんで地上にいるの? ファーマメントに帰らなくてもいいの?」


 聞いてみるけど、気持ち悪いニヤニヤ顔を浮かべるだけ、質問に答えてくれない。


 なんか、気配が気持ち悪いし、何かを企んでいそうで息が詰まる。

 ウズルイフに似ているな、警戒を怠らないように気をつけよう。


「お前もなにもんだ? 俺の攻撃を避ける身体能力、反射神経。それだけじゃねぇよな。今も、気配が普通じゃねぇ。人間か?」

「質問を質問で返されても困るんだけど。質問に答えてほしいのなら、まず僕の質問に答えてくれない?」


 …………答えてくれない。


 僕の問いかけた質問は、なんでここに居るのかだけ。

 それが答えられないのかな。


 でも、なんで? 口留めとかをされているの?

 この人の性格上、口止めされていても絶対に従わないと思うけど。


「……………………ちっ、なんだっけか。あー? 俺様が何でここに居るかって事だったか?」

「そうだよ。何でここに居るの?」

「気分」

「…………」


 やっぱり、答えてはくれないか。


「グレール、こいつは不法侵入しっ――――」


 ま、待って。

 あいつ、ここにどうやって来たの?


 ここは海底にある街、オスクリタ海底。

 管理者である僕達でも、アクアの水魔法が無かったらここまで来れはしない。

 後は正規のルートを通るしかない。


 でも、警備の人に捕まっている現状、正規のルートでここまで来たとは考えにくい。


 どうやって、ここまで来たんだ。


「ほぉ、気づいたらしいな、違和感に」


 オッドアイの瞳を細め、楽し気に僕を見て来るアンヘル族。

 なんなんだ、こいつ。関わりたくない。


 でも、ここでこいつを野放しにするのは絶対に避けないといけない。

 せめて、地上に降りてきた理由と、どうやってここに来たのかは聞かないと。


「あー、お前は俺様を逃がす気はないらしいな」

「逃がした先に何があるのか予想が出来ないからね。逃がしたくはないかな」


 首をコキコキ鳴らしながら、アンヘル族がほざいている。


 目伏せをして、グレールにも警戒するように合図。

 すぐに氷の剣を作り出し、アンヘル族を見据えた。


「酷いねぇ。俺様は、少し聞いただけなのになぁ」

「その質問に何か企みがあると思ってね。君は、少々警戒が必要そうだ」

「なんも企んでねぇっつーの」


 あいつは、知里とウズルイフを足して二で割った感じ……かな?

 口では適当なこと言っているけど、実際は色んなことを考えているとか。


 いや、知里は本当に何も考えていない時もあるから、同じではないか。


「なら、僕の質問に答えられるよね? なんで、地上に降りたの」

「だから、気分だと言ってんだろーが。信じろよ」


 信じられないから何度も聞いているんでしょうが。


 このままじゃ平行線。他の質問方法を考えないと。


 ――――コツ コツ


 ん? 後ろから、足音?

 しかも、三人分?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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