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もしかして、リトスも大人になるとここまで大きくなるの?

 ――――カツン カツン


 足音が響く中、階段を踏み外さないように気を付けていると、無事に底へたどり着いた。


 地下も一本道、壁に付けられている蝋燭の淡い光で道を照らしている。

 風が奥から流れてきて寒いし、早く用事を済ませたい。


 後ろを向くと、いつの間にかリヒトに捕まっているリトスが、怯えながら道の奥を見ている。

 何か感じるものがあるのだろうか。


「早く行こう」

「わかってる」


 アマリアに急かされ、俺達は道を真っすぐ進む。


 左右は牢屋。

 中は空が多いけど、異臭を感じるから、まぁ、予想は出来るよな。


 腐敗臭というもの、唸り声も聞こえるし。

 なんか、精神的にきつい。


「…………」

「おっ、大丈夫か、リヒト」

「…………大丈夫、です…………」


 いや、大丈夫じゃないでしょうよ。

 アルカも気持ち悪そうにしている。


 ロゼ姫は大丈夫だろうか。

 後ろを見てみると、グレールが手を繋ぎ安心させていた。


 グレールも気持ち悪そうに顔を歪めているけど、さすが執事。

 そこはしっかりと主を優先して守っている。


 ・・・・・・・・・・・・。


 はぁ…………。


「ほれ」

「っ、え」


 リヒトに右手を差し出すと、きょとんと目を丸くしてしまった。

 そのまま足を止めてしまうのかい、なんでだよ。


「い、いいんですか?」

「いや、ここで駄目っていう方がクズだろ」

「あ、はい…………」


 なんで、俺が手を差し出しただけでここまで驚かれるんだ。複雑なんだけど。


「ほれほれ、いらんのか? いらんのなら――……」

「い、いります!!」


 手を下げようとすると、リヒトに掴まれちまった。

 まったく、素直に最初から手を繋ぎなさいよ。


 手を繋ぎ歩みを再開、後ろからの視線を感じるが、視たくない。

 後ろを見たら絶対にアマリアかアルカをぶん殴る。そんな顔を浮かべているような気がする。


「素直じゃないのはどっちかな」

「かな!」

「アマリア、アルカ、黙れ」


 本当にぶん殴るぞ、炎の拳で。

 今、魔力が無いから無駄に魔力を使えないけど。


 後ろが気になりつつも無視をし続け歩いていると、最奥にたどり着いた。


 奥から音――いや、いびき? 

 なんか、ぐーという声が聞こえるんだが、え、嘘だろ?


 まさか、寝てる? 寝てるの?


 苦笑いを浮かべながら歩き牢屋の前に立つと、奥に大きな生き物がいることがわかった。


 まさか、あれがユウェル族の長か?

 くっそ、光が奥まで届いていないから影しか見えん!


 牢屋の柵を握り奥を見ようとしている俺の横で、リヒトの腕に抱えられていたリトスがいきなり目を輝かせ始めた。


「お、長!! おじいちゃん!!」


 あ、そう言えば。

 リトスのおじいちゃんが長なんだっけ。


 リトスが呼ぶと、中にいる影が動き出す。


「――――リトスか」

「そうだよ、おじいちゃん!! 怪我はない!? 大丈夫なんだぞ!?」


 リヒトの腕の中で暴れるリトス。

 腕の隙間から飛び出し、柵の間を潜り中へと入ってしまった。


「リトスくらい小さいとこんな柵、あってないような物なんだな」


 中から起き上がるような音が聞こえる。

 待っているとのそのそと、一体の大きな……本当に、大きなリトスに似たユウェル族が闇の中から姿を現した。


「…………でかっ」


 俺よりでかい。

 見上げないと、顔すら見る事が出来ない。


 いや、中腰になっているみたいだし、本来はもっとでかいという事か。

 どんだけだよ、長。


「…………ハジメマシテ」

「ぬしが、リトスを守ってくれていたのか」


 守っていたつもりはないし危険な目に合わせていたけど、ここで余計なことを言う訳にはいかないな。


 嘘も方便、良し。


「全力で守らせていただきました」

「嘘、お疲れ様」

「黙れ」


 アマリアがくすくすと笑いながら俺の嘘をいともたやすくばらしやがった。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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