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俺、マジで災難続きで心が壊れそう

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


「――――どわっ!!!」


 ――――ベチャ


「カガミヤ!?」

「カガミヤさん!?」


 いってぇぇぇえ!!!

 空間魔法から吐き出されたんだけど!! 押し出されたんだけど!!

 顔面を地面にぶつけたんだけど!!


「いってて………」


 鼻血は……うわぁ、出てる。

 指で拭きとっていると、隣から白いハンカチが渡された。


 顔を上げると、アルカとリヒトがいた。

 ハンカチを渡してくれているのはロゼ姫。


「あんがと」

「どうでしたか?」


 ハンカチで鼻を抑えていると、問いかけられた。

 

 んー、答えるより先に、こっちがどうなっているのか把握したい。


 立ち上がり周りを見るけど、俺が異空間に移動してから何も変わっていないみたいだ。


 いや、変わっていないわけではないか。

 爆風に負け爽快感を俺に与えてくれていたゴブリンが一掃されている。


「カガミヤさん?」

「あ、わりぃ。ちょっと眠くて、頭ぼぉっとしてるわ」

「魔力、もうなくなりそうですか?」

「もうそろそろな。まぁ、もう戦闘は終わりだろう」


 そう言えば、俺の腹に座ってたフィルムはどこ行った?

 一緒に吐き出されたんだったら、下敷きになっていてもおかしくないだろうけど。


 一応地面を見ても、誰もいない。

 何かを踏んだ感覚はなかったし、そりゃそうか。


 周りを見ていると、また小さなワープゾーンが現れた。

 そこから吐き出さっ――あ。


 ――――ベチャ


「いったぁぁぁぁあい!!!」


 あーあ、顔面からいったな。

 俺と同じで、地面に顔面ぶつけた。


「ほれほれ、大丈夫か?」

「痛い、痛い」

「へいへい、俺も同じ痛みを味わったぞ」


 そんで、俺と同じく鼻血を出している。

 俺はもう収まったから、ハンカチをこいつの鼻に押し付ける。


「フガッ!」

「はいはい、痛いの痛いのとんでいけー」


 ゴシゴシ拭いていると、手をペチペチされた。

 痛かったか? 悪いな。


「フィルム」

「っ……」


 あ、アマリアが隣に来たら、フィルムが気まずそうに顔を逸らしちまった。


 ……眉間、凄い皺。

 相当気まずいんだなぁ~。


「まぁ、気まずいのは仕方がないからそこは特に何も言わん。それより、フィルム」

「…………なに」

「さっきまでの話、覚えているのか? 異空間で話していた事」


 覚えていないわけはないと思うがな。


「…………覚えてる」

「それならよかった。んで、お前はこれからどうするんだ? まだ俺を殺すか?」


 まぁ、最後の言葉は聞いていたから、殺しはしないだろうけど。

 これで殺すとか言われたら、マジで俺終わりだ。


 もう眠いしだるいし今すぐ帰りたいし。


 そう言えば、途中からリトスの姿がなくなったな。

 どこかにいるのか? 避難しているのか?


 周りを見ていると、フィルムが四つん這いのまま俺の方にやってきた。


 周りの人が警戒を強めたが、空気感的に殺意はない。

 手を上げ止め、フィルムが何をしたいのか見る。


 俺の方に四つん這いになってくるフィルム。

 待っていると、何故か両手を広げた。


 ――――両手を広げた?


「…………え?」


 え、なにこれ。

 なんか、これって現代でよく見た光景なんだけど。

 いや、よくも見てないけどさ。


 これ、子供が親にだっこをせびる時のポーズじゃねぇか?

 まさかこれ、せびってんのか? 抱っこを? え?


「…………えぇっと、これでいいのか?」


 俺もさりげなく両手を広げると、無表情のまま胸に顔を寄せてきた。


 なにこれやだこれなにすればいいのどうなってんのこれ何をすれば正しいのダレカタスケテ。


「フィルムは、アクアよりは大きかったはずだけど、まだ子供だからね。色々あって、甘えたくなったんじゃない? 抱きしめてあげれば?」

「タスケテクレナイノ?」

「助言だよ、助けているでしょ?」


 助言なんていらねーんだよ。

 ほしいのは物理、物理で助けやがれ。


 ――――ギュッ


 うっ、服を掴む力が強くなった。

 これは、アマリアの言い分が正しいかもしれないな……はぁ……。


「…………ほれ」


 小さな体を抱きしめると、フィルムの身体に入っていた力が抜けたような気がした。


 安心感を求めていたのだろうか。

 こんなに小さな体で、今までどんなものを抱えてきたのだろうか。


 疲れるし、だるいし、辛かっただろう。

 こんなもんでこいつの気持ちが軽くなるとは思っていないが、まぁ……。

 甘えたいのなら抱きしめるくらいは、やってやるか。


 背中を撫でていると、体をのそっと起こした。


「…………もう、人は殺さない。大丈夫」

「そう、それなら良かった」


 マジで良かった。

 これでやっと、俺は報酬をゲットできる依頼を受ける事が出来る。


「んじゃ、一つ聞いてもいいか?」

「なに?」

「まず、俺達の目的であった、ユウェル族の長を出してほしい」

「…………忘れてた」


 忘れるな、長探しのせいで俺はここまで報酬なしで頑張らされたんだぞ。

 それを教えてもらわんとやってられんわ。


「このダンジョンに来るまでの道に、地下へと進む道が隠されているの。そこにいる」

「…………あぁ」


 途中、気になる所があったな、そういや。

 もしかして、あそこか? だが、どうやって地下に入るんだ?

 たしか、入れなかったはず……。


「私の持っている精霊がいれば中に入る事が出来る。でも、release(リリース)が使えないと意味はない」

「詰みじゃん」

「開けておく。私が」

「出来るのか?」

「可能。精霊を使えば」


 へぇ、それは結構便利だな。


「それなら早くっ――――」


 ――――ガラガラ


 ……………………え、なんか、ダンジョンが揺れ始めた?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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