魔力は金と同じでいくらあっても足りない
「知里!!」
「っ、ちっ! |absolutewater」
アマリアと俺を包み込むように水の膜を作り出す。
向かって来ていた枝は、水の膜により動きを止め、俺達には届かない。
「ふぅ、目を覚ましたらしいな。お姫様が」
「みたいだね」
アマリアと共に後ろを見ると、グレールの隣にロゼ姫が立ち、イルカを操りゴブリン達を簡単に倒している。
? おっと。
俺の目線に気づいたのか、ロゼ姫がこっちを肩越しに振り向く。
っと、思ったら「任せて頂戴」と言うようにウインクをしてきた。
相手はただのゴブリン、今のところ全く問題はない。
あのままゴブリンは任せてもよさそうだ。
|absolutewaterも、すぐに破られそう。
何処が絶対防壁だよ、よわよわ防壁じゃねぇか。
「ゴブリンはお願い出来そうだね――――あれ」
「アルカとリヒトがこっちに来るっ――」
後ろ、一つに魔力が集まってる。
魔法を放たれる!
『|filo・plante』
二本の樹木から枝で作られた刃が飛んできた。
でも、さっきと同じ魔法。
受け止める事くらい可能だ!
魔導書の中にある魔力を魔法に注ぎ、今まだ耐えてくれている|absolutewaterで受け止める。
受け止め………うけ……。
「受け止めてはいるけど、包み込むことが出来ない……?」
回転する枝の刃、水の膜を削り取ろうとしている。
ま、まぁ。一応、その間にアルカとリヒトと合流成功。
それに関しては良かったが、あれはまずそうだ……。
「距離を取るぞ!!」
近くにいたリヒトの手首を掴み、フィルムがいる反対側へ走る。
アマリアとアルカもすぐに走ってくれた。
その後すぐ、俺の魔法はフィルムの作り出した刃によって破け、弾けるようになくなってしまった。
追跡するように刃が俺達の方に向かってくる。
四方からではなく、密集して向かって来ているから簡単に追い返す事が出来るな。
一度足を止め、魔導書から手を離す。
手に炎の弓を作り出し、向かってくる刃に向けた。
「|flama Arrow」
炎の渦を巻いている弓矢を放つと、枝の刃全てを巻き込みすべてを燃やし消す事が出来た。
「ふぅ。無駄に魔力を使いたくないんだけどなぁ」
魔力には限界がある、出来る限り使いたくない。
『早く、死ね。無駄なあがきをするな』
またしても樹木から枝が伸びてくる且つ、枝の刃を飛ばしてきた。
「lehrd!!」
おっ? 水の盾!
俺達の前に守るように盾を出してくれたみたいだ。
「助かったリヒト!」
「長くは持ちませっ――……」
っ、全方位の盾じゃないから枝は防ぐこと出来たけど、刃が操作できるらしい。
回り込んできやがった!
「|groundspada」
アルカの土の刃を四方に薙ぎ払うように発動。
数個は取り逃したけど、ほぼ弾くことに成功。
「flame」
残りは俺の炎で燃やす。
「魔力に制限あるのは、本当に厄介だなぁ……」
この後大きな魔法を発動しないといけないし……はぁ。
「枝が……。リヒト耐えてくれよ……」
「努力します……」
何とか杖に力を込め耐えてくれているけど、フィルムは余裕な表情。
まだ何か大きなものを仕掛けてきそうだ。
『死ぬ気は、ないんだ。なら、苦しむかもしれないけど、頑張って』
あいつは覚醒すると冷静になるタイプなのか。
暴れてくれた方がやりやすかったかもしれない。穴が出やすいだろうし。
『|vague・plante』
おいおい、また新たな魔法を出てきやがった。
今度はどんな魔法だっ──……
「――――死んだ」
「諦めないでくださいカガミヤさん!!」
大量の植物が一つに集まったかと思うと、枝の波が完成。
俺達に勢いよく押し寄せてきやがった!!
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