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元管理者を怒らせてしまった……

 ――――そんでもって!!


 こっちに向かって来ているアルカは、目を見張って視線がさ迷っている。

 その隙に胸ぐらを掴んで、地面に叩きつけてやった。


「ガハッ!!」

「アルカ!? え、カガミヤさん!?」


 ────あ、力が強すぎた。

 アルカが目を回したがぁ………まぁ、どんまい。


 リヒトが駆け寄り体を起こすと、目を覚ました。


「あ、あれ、カガミヤ?」

「おっ、良かった良かった。お前が本物だろ?」

「ま、まぁ。さっきからそう言ってるけど…………」


 確かにさっきから言ってはいるな、お前は。

 どっちも言っていたからわからんかっただけで。


「さて、今回はあっちが偽物だったらしいな。俺の勘は、やっぱり当たらない」

「私も、緊張しました。まさか、傷を隠すために感じるであろう微妙な魔力を探知しろなど……」


 そう、今回グレールにお願いしたのは、傷を隠す際に微かに揺れ動くであろう魔力の探知。


 おそらく、俺が傷のついていない方と言っていた場合、モンスターは自身の頬についた傷を消し、本物のアルカの頬に同じ傷をつけていただろう。


 いやぁ、上手くいって良かった良かった。

 さすがに、目視だけでは不安があるからな。


「さてさて、偽物君。息は出来ているかい? あぁ、出来る訳ないか。だって、水の中に閉じ込められているんだからなぁ~」


 空中には、全身を水の中に閉じ込められているアルカ(仮)。

 身じろぎをし、その場から逃げ出そうとしているが、逃げられない。


 …………モンスターって、窒息死とかするのかな。


『モゴモゴ』

「――――ん? なんか、動きが変わった……?」


 アルカの姿でもがき、抜け出そうとしていたが、諦めたのか動きを止めた。

 俺を見下ろし、何かを企んでいるような瞳を向けてくる。


「────な、なんだ!?」


 アルカ(仮)の身体が徐々に膨らみ始めた!?

 なんか、風船みたい。気持悪い!!


 徐々に膨らんでいく体、もう弾ける一歩てまっ――……



 ――――――――パンッ!!!



「どわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」


 俺が、一番近くにいたから、もろに食らったんだけど!!


 水と共に破裂したアルカ(仮)の身体内にあったであろう気持ち悪い液体が口の中に入った!!


 苦い!! とてつもなく苦い!!

 なんだよこれ……、味が口に残ってる。


「大丈夫ですか、チサト様!」

「う、うん……。今は大丈夫なんだけど…………」


 なんか、今口に入った液体……。

 モンスターが出したという時点で嫌なんだけど、なんとなく、なんか、不快だ。


 吐き出したくても、もう手遅れだし。

 口に残っている苦い味……。



 ――――――――キーーーーーーン



 ――――っ、ウズルイフの顔が、頭に自然と浮かん…………だ?


 まさか、今のモンスター、ウズルイフが仕掛けたのか?

 あのモンスターの特性を使って、俺に何かを仕掛けたんじゃないか?


 ……やばい、知らぬ間に魔石を埋め込まれていた件もあったし。

 今の液体に、何か含まれているかもしれない……。


「知里」

「っ、あ、あぁ。俺は大丈夫だ」


 いかんいかん、考えたところで意味は無い。

 今は気にしないようにしようか。


「それにしても、跡形もなくなくなったんだなぁ」


 水魔法と共にアルカ(仮)は弾け、なくなった。

 何も痕跡を残すことなくきえるのって、凄いな。


 結局、どんなモンスターだったんだ?


「――――知里」

「!? え、な、ナンデスカ?」


 …………ドスの利いた声が、後ろから聞こえた。


 え、なになに、めちゃくそ怒ってない?

 アマリアの奴、めちゃくそに怒ってない?


 アルカの怪我を治しているリヒト達を見るけど、何故か顔を青くして俺から顔を逸らす。

 グレールとロゼ姫は、俺からゆっくりと離れていくし。


 ――――あ、後ろから肩を掴まれた。

 子供の手、右肩から鳴ってはいけない音が鳴っている。


「知里」

「は、はい」

「約束、忘れてないよね?」


 こ、怖い。普通に怖い。

 なに、約束って、なになになに??


 やばい、思い出さないといけないのに、恐怖と焦りと困惑で全く頭が働かない。


 つーか、元管理者であるアマリアを怒らせちまった。

 これ、死んだんじゃねぇか? 俺。


 約束、俺がアマリアとかわした約束…………思い出せ、俺!!


「――――あ」


 約束、たしか……。

 俺がウズルイフに魔石を埋め込まれた時、アマリアと約束したことがあった。


「お、思い出した!! 思い出したから怒らないでくれ!!」

「言ってみて」


 言ってみてと言われても、なんとなく言いにくいんだが……。

 というか、気恥ずかしいというか、なんと言いますか……。


「言えないの?」


 耳元に、どすの聞いている怖い声。

 耳元で言うなよ、怖さ倍増だわ……。


「あー、えぇっと、確か……。どんなに小さなことでも報告――だったか?」


 …………後ろを振り向くことが出来ない。

 アマリア、何も言わないし、アルカとリヒトは変わらず顔が青いし。


 誰か、何か言ってくれよ。

 というか、アマリアが何か言ってくれよ!!


「……………………なら、今なんで黙ってたの」


 ……………………お、おやぁぁああ?

 なんか、口調が、いじけているような感じに変化…………し、た?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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