これが、本物のドッペルゲンガーか?
炎に焼かれ、何もなくなったオオザメ。
俺の近くに浮いている水の塊も元の場所に戻し、何事もなかったかのような空間になる。
「よし、魔力は多少減ったが、特に問題はないだろう。奥の部屋も現れたし、行くか」
────にしても、今回のは本当にSSランクモンスターだったのか?
普苦労せず倒せたし、新しい事を試す事も出来た。
んー、今回のSSランクモンスター、オオザメ。ワイバーンより弱い説が浮上した。
この調子だと、簡単にこのダンジョンを進むことが出来そうだな。
「――――? おい、行かないのか?」
何故か後ろにいるアルカ達が動こうとせず、凝視してくる。
今の俺は人の視線に敏感となっているから、うざったいんだけど。
「い、いえ。手際のよい素敵な討伐と思い、思わず唖然としておりました」
「今回のモンスターは、本当にSSランクなのか……? オオザメって、確かにSSランクの中ではそこまで高い方ではなかったが、ここまで簡単に……倒せる……のか?」
グレールとアルカが何かを言っているが、知らん。
なんか、うまく倒せた、以上。
「オオザメの最大の武器を最初からへし折ったから、うまくいったんでしょうね」
「あ、確かに。オオザメは水の中が一番強く、神出鬼没。気配もなく、スピードも速い。攻撃魔法をぶつける事すら難しいと言われているモンスターだったはず。それをカガミヤさんは、最初から水を吸い上げ移動手段を剥奪、オオザメも徐々に体力がなくなり、最後は炎に包まれた……と。さ、さすがです!!!」
リヒトが懇切丁寧に説明をしてくれているが、もう終わったんだからよくねぇか?
終わりよければすべてよし、早く先に進もうよ……。
「チサトは、強いんだぞぉ~??」
「ん? まぁ、弱くはないんじゃないか?」
ズボンの裾を掴まれたから下を向くと、リトスがいた。
……………………あ。
「え、リトス? 怪我ねぇか?」
「大丈夫だぞ!! 影に隠れてたんだぞ!!」
さっきは普通に言葉を返しちまったが、普通に考えればさっきまでの戦闘、こいつのこと途中からまるっきり忘れていたから、怪我をしていてもおかしくない。
だが、しゃがんで確認してみたが特にこいつが言っているように怪我はない様子。
それに関しては、良かったわ。
「んじゃ、早く行くぞ」
リトスは――またリヒトに渡すか。
「ほい」
「あ、はい」
リヒトにわたっ――わた?
「え、何してんのリトス」
俺の手をリトスが離してくれない。
いや、なんでよ、離せや。
「チサトの方が目線が高いんだぞ!!」
「…………まぁ、俺の方が身長高いからな」
「かっこいいんだぞ!!」
「お、おう?」
「チサトの頭に乗りたいんだぞ!! そうすれば、おいらが一番大きいんだぞ!!」
…………………………………………張った押してやろうか。
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俺はなぜか頭にリトスを装備し、ダンジョンを進んでいる。
水の音が聞こえてくるが、またオオザメのようなモンスターが現れるのか?
「…………」
「気づきましたか、チサト様」
「お前も気づいたか?」
「はい」
モンスターの、気配だな。
と、それだけじゃねぇ。
「人の気配も、感じる…………」
「フィルム様…………でしょうか」
このダンジョンが管理者であるフィルムとの最終決戦場所、どこかにいるのは確実なんだが、あいつがもう、自ら攻めて来るのか?
俺達を来るのを最奥で待っていると思っていたんだが……。
「フィルムではないと思うよ。気配なんて感じさせないはずだし」
「なら、なんだ?」
「……………………普通のダンジョン攻略者…………だったらいいけど…………」
アマリアが苦い顔を浮かべている。
みんなで立ち止まり、気配の感じる方向を見てみると、足音が聞こえてきた。
────人の、足音。
前からだな、何が来ている。
警戒しながら前を見ていると、闇から誰かが近づいて来ていた。
「――――??」
目を細めてみると、現れたのは――――ア、ルカ?
みんなで後ろにいるアルカを見てみる。
目を丸くしているアルカは、しっかりと俺の後ろにいる。
ん? もう一度前を見ると――だよな、うん。
アルカだ。完全なる、アルカだ。
「――――はぃ??」
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