本当にSSランクなのか?
見た目は、よく見るサメ。
確か、オオメジロザメっていう名前だっけ。
ダンジョンの大きさに合わせてなのか、ワイバーンほどの大きさはない。
それでも俺の数倍、でかいけど。
――――バッシャァァァァアアア
「――――あ? また水の中に入った、だと?」
「気を付けて、どこから襲ってくるか分からないよ」
「お、おう」
────水に囲まれた大広場。
水の中を自由に移動できるのなら、マジでどこから現れるかわからない。
相手が水タイプというのも、最悪。
俺の持っている魔法属性との相性が悪い。
炎は相手からしたら弱点だし、水は効かないだろう。
逆に、力を吸収されるかもしれない。
「グレール、水って凍らせること可能?」
「凍らせたところですぐに溶かされてしまいますよ。それに、今は無駄に魔力を使えないため、近づかなければ凍らせるのは不可能です」
「それも、そうか」
どこに潜んでいるかわからない状態で迂闊に近付くのは命取り、凍らせることは諦めよう。
でも、ならどう動く。
流石に炎魔法は効かないだろう……。
――――っ!
地面が揺れ始めた!?
「気を付けてください! 相手が動き出したみたいです!」
地面が大きく揺れたかと思うと、水しぶきを上げ、オオザメが地上に現れ――――
「あ、あれ? 水しぶきをあげた所から、何も出てこない?」
…………っ、違う! 後ろか!!
振り向くと、視えたのは――――口内?!
上半身を後ろにそらし、地面に手を付き縦回転し、距離も取り回避。何とか避ける事が出来たが空中を泳ぎ、オオザメは鋭い牙を向けて来る。
「siegeflame!!」
炎の鳥籠を出し封じ込むけど、すぐに破られそうだ。
頭に響く音を鳴らし、タックルを続けている。
くっそ、水の中を自由に移動できるって、この場だとチート。
せめて、水さえなければ……。
────ん? 待てよ。
「アマリア、お前確か、アクアを利用してオスクリタ海底まで来たとか言っていたよな? アルカとリヒトを捕まえた時」
「え、今? 確かに、利用したけど……」
「それは、アクアが水属性魔法の使い手で、自由に水を操ることが出来るからか?」
「そうだよ。でも、だからって………まさか!」
アマリアは気づいたらしい、俺が考えていること。
まぁ、今の話で分からないわけがないか。
俺が、アクアと同じことをしようとしているのが。
「アビリティ、大広場にある水を操ることは可能か?」
『出来ます』
「やり方、教えて」
『魔力を自身の手に集中するのではなく、操作したい物体に込めてください』
おぅふ、思っていたより簡単に言い切りやがったな、コノヤロウ。
口で言うのは簡単そうだけど……。
「チサト様、何か考えていますか?」
「水内を自由に動くことが出来るのが強みなのなら、その水を無くしちまえばいいんじゃねぇかなって、思ってな」
ここは相手の独壇場。
こんな、相手が有利な所で正々堂々なんて、戦うわけねぇだろう。
「めっちゃ悪い顔しているぞ、カガミヤ…………」
もうね、俺は疲れた。
ストレスがやばいのよ、アルカよ。何かで発散した気持ちなんだ。
だから、相手が一番嫌がるであろうやり方で殺したい。
俺もさんざんやられている、いいだろう。
マジで、誰でもいいからやり返したい。
「────アルカよ、これは俺が誰かから聞いた話なんだが」
「お、おう?」
「自分が嫌がる事をされたら、倍にして返せってなぁぁぁぁあ!!!!」
「はぁ?!?! だ、誰もそんなこと言ってねぇよ?!」
アルカのツッコミなどどうでもいい!
さぁ、殺しのショーの始まりだー!!
両手を左右に伸ばし魔力を四方で揺れている水に込め、浮かべるようにイメージ。
────おっ、水が徐々に渦を巻き始めたな! よっしゃ!!
────ガンガン!!
…………あー、うっせぇなぁ……。
炎の鳥籠を壊そうとする音で集中力が削がれる。
俺の怒りメーターがフツフツと上がる。
まじで、うるさい煩わしい黙れや糞ザメ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ、うっざ」
「「あ」」
深いため息を思わず吐いちまった。
なぜか、アルカとリヒトが俺から離れるが、そんなもん今はどうでもいい。
うざい、本当にうざい。
やばい、魔力に集中しないといけないのはわかっているんだけど、煩わしい音が耳に入ってきてマジでうざい。
――――ガン、ガン
こんな小さなことでもストレスたまるんだな。
今までの出来事の方が何倍もストレスたまりそうだけど。
小さい事が積み重なって、俺の心は狭くなってしまったらしい。
「――――準備、出来た」
同時に、俺が作り出した炎の鳥籠も限界を迎えたらしい。
――――――――ガンッ ガンッ!!!!
ひときわ大きな音が鳴り響くと、炎の檻は霧散するように消えてなくなった。
オオザメの黒い瞳と目が合う。
俺に狙いを定めているのは明白。
その方が逆に楽。
周りの奴らも、俺が失敗してもいいように準備してくれている。
相手はSSだから油断はできないが、他の奴らが余裕ある時に新しい事は試したい。
「――――っ!! 逃がすか!!」
また水に戻ろうとしたオオザメ。
すぐに魔力を込めた水を浮かべるように強くイメージ。すると、オオザメが潜ろうとした水が一気に空中へと浮かび上がる。
それにより、オオザメは一瞬困惑。
すぐに違う所の水に潜ろうとするが、俺がまたしても浮かび上がらせ、逃げ道を封じた。
それを数回繰り返すと、オオザメの動きが徐々に鈍くなる。
なんか、普通に雑魚のように思えてきたな。
あいつは本当にSSランクなんだろうか。
「まぁ、今はどうでもいいか」
俺の近くには、水の塊が数十個浮かんでいる。
これは全て、俺が作り出したものではなく、このダンジョンに流れている水を利用して作り出したもの。
滝のように流れてきていた水は、もうすべて俺の物。
弱っていくオオザメ、これならすぐに方が付きそうだ。
「悪いが、俺は色々とめんどくさい事が重なり気が立っている。だから、お前に八つ当たりさせてもらうぞ」
これって、さっきまで俺は炎の檻を出し続ける事が出来ていたわけだし、魔法を発動は可能なんだよな。
なら――――
「焼き魚っていうのも、うまそうだよな。サメは俺、苦手だけど――――turboflame」
右手を横にはらうように動かし、炎の竜巻を作り出す。
オオザメの瞬発力は凄まじいものがありすぐに避けられたが、俺も逃がす気はない。
炎の竜巻を出し続け、オオザメを追いかける。
すると、出だしは良かったオオザメが、徐々に遅くなっていった。
限界だな。
最後の力を使い果たしたオオザメは、いとも簡単に炎の竜巻に包まれ、燃え尽きた。
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