ここまでどや顔に殺意がわいたこと今までの人生であまりないかもしれない
「俺は、この世界に来てまだ日が浅いはずなのに、突如Sランクのワイバーンと戦わされ、管理者と戦わされ。次はSSランクのモンスターと戦わされ、次はSSSランクのダンジョンに行けと? は? ふざけるなよ? こんなのハードモード通り越してデスモードだわ。この世界が俺を殺しにかかっている。やっぱり、通帳だけを持って夜逃げしようかなぁ…………」
「この世界を管理している管理者が知里を殺そうとしているから、あながち間違えていないんだよね。世界に殺されるって」
冷静に返してくるな、アマリアよ。
はぁぁぁぁぁあああ、ため息しか出ない。
えぇっと、俺は一体、何から手を付ければいんだ?
ベッドにうつぶせになって落ち込んでいると、背中をポンポンと叩かれた。
「なんじゃ…………」
「そのようなお顔も素敵ですが、少々心配になります。大丈夫ですか?」
げっ、エトワール……。
心配そうに顔を覗かせて来るが、なんか、距離が徐々に近くなってねぇか?
いや、確実に近い!! しかも! こいつの目はハート!!
「離れろ変態!!!!」
「はぁぁああ!! お顔を押されております!! 幸せ!!」
もういやいやいや!! 嫌だ!!
「エトワール、話を進めさせて下さい」
「えぇ……」
あ、スペルが俺を助けてくれた。
よ、良かった……。助かったぞ、スペル。
「それで、私に聞きたい事は他にありますか?」
「…………一番最初にやらんといけない事ってあるか?」
「それはやはり、長のいるダンジョンを見つけるか、場所の分かっているナチュール山に行くかのどちらかがいいと思いますよ」
まぁ、それが確実だな。
わかっているところから潰していかないと。
「わかった、礼を言う」
「難しい顔を浮かべていますが、何かありましたか? もし、何か追加で占ってほしい事があれば、全力を尽くしますよ」
カケルの話をしただけで、ここまでいろんなことを教えてくれるのか。
最初からこうすればよかったな。
「ウズルイフの動きを、もう少し知りたい、ほんの少しでも」
「…………やってはみます。ですが、期待はしないでください」
険しい顔を浮かべたが、占ってはくれるらしい。
さっきの占いでも、ウズルイフはうまく隠していたみたいだし、期待はしない。
でも、何か、少しでも追加の情報があれば、ウズルイフを先に始末できるかもしれない。
接触するなとは言われているけど、長い間野放しにするわけにもいかない性格なのは、もうわかっている。
早めに対処が出来る状況なのなら。
「――――――――ふぅ」
占いを始めてから数分後、水晶の光は消えた。
「ふぅ」って、なにやり切った感出してんだよ。
満足そうな顔を浮かべてんなぁ……。
もしかして、詳細わかったのか!?
「はい。占いの結果が出ました」
「どうだったんだ? 結構いいもんが見えっ――」
「まったく、何も見えませんでしたね」
「その顔に火傷の跡を作ってやろうか」
なにどや顔浮かべて言ってんだよ、殺すぞ。
いや、女性の場合は、普通に殺すより顔を痛めつけて傷を残した方がいいか。
「では、私達は行きます。見つけるのは容易いですが、この後が色々めんどくさい人なので」
俺の怒りなど知る由もないスペルは、水晶を片付け立ち上がる。
エトワールも動き出すかと思いきや、アマリアから目を離さず立ち尽くすのみ。
離れたくないんだな、エトワール。
「早く行かなくていいの?」
あー、目を合わせないようにしているなアマリアよ。
明後日の方向を見ながら聞いている。
「まだアマリア様を堪能していないので。私が満足するまでアマリア様の姿を目に焼き付けようと思っています」
「…………物理的に焼かれる前にいなくなった方がいいんじゃないかな」
なぜ俺の方を向きながらそんなことを言う。
「いえ、知里さんになら顔を焼かれても――むしろ、ぜひ焼いてください!!!」
っ!? 俺の方にハートを浮かべた目を向けてきた!?
ちょっ、飛びついてくんなぁぁぁぁぁぁあああ!!!
「~~~~~~~|Dragonflame!!!」
キモ過ぎるのとうざいのとで、こっちに来ないでという気持ちが前面に出てしまい、考えることなく炎の竜を出してしまった。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!
出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!
よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ