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兄妹っぽいなぁとは微かに思っていた自分がいる

『大丈夫ですか、主』

「あぁ、さすがに驚いたがな…………」


 今はおとなしくなったみたいだけど念のため、リヒトの鎖魔法でスペルを縛っている。


「なぁ、スペル。なんで、お前はそんなにカケルに執着するんだ」

「…………」


 だんまりか……。


「殺しましょうか」

「賛成よ、リヒトさん。私も魔法の準備をします」

「落ち着け、リヒト、ロゼ姫。そんな物騒な言葉を覚えてはいけません」


 俺も今まで以上に言葉には気を付けよう。

 これ以上、子供に変な事を刷り込ませないように。


「ところで、アルカ」

「ん? なんだ?」

「いや、お前って、あんなに腕力? 筋力? あったんだな。さすがにさっきのはお見事だったが、危険だぞ」


 目を丸くしてきょとんとしている。

 いや、その顔を浮かべたいのは紛れもなく俺なんだが?


「だから、今までも言っていると思うが、先を考えて行動しろ。今回のも、一歩間違えれば怪我だけでは済まなかったかもしれなかったんだぞ」


 流石に大人として、このくらいの事は言っておかないとな。

 まったく、村長の件で懲りたんじゃないのかよ。後先はしっかり考えろ。


「…………」

「あ?」


 あ、あれ? いつもならここで落ち込みながらも謝罪の言葉が来ていたんだが……どした?


「…………今回は、しっかりと考えたぞ」

「え、考えた?」

「そうだ。だから、魔法を使わずに力で引きはがした。そのあと逆上してくることもわかっていたから、カガミヤの前に立って、準備をしたんだ」


 俯いていたアルカが、顔を上げ俺を見上げて来る。


「俺、もう後先考えないで行動はしない。今回も、俺だけじゃなくて、グレールやリヒト、ロゼ姫様やアマリア様がいたから、仮に乱闘になっても、カガミヤから引き剝がすことさえ出来ればと思ったんだ」


 俺から、引きはがす?

 いや、俺から無理に引きはがさなくても、何か出来たのならやってほしかったんだけど。


 アルカの言葉をかみ砕いて理解しようとしていると、グレールがアルカの隣に立ち肩に手を置いた。


 なんだ?


「まだ、頭が上手く働いていないみたいですね」

「グレール……」

「私も、氷魔法であの者を捕らえることは出来ました。ですが、そうすると貴方にも被害が出ていたはずです」


 ――――あ、そうか。

 俺、首を掴まれていたんだもんな。


「でも、少しの被害だろ? 首を絞められ続けるのもきついもんがあるんだが?」

「はい。なので、もう無理かなと思って氷魔法を発動しようとした時に、アルカ様が動き出したのです」


 グレールがアルカを見る。


「少しでも、カガミヤに痛い思いをしてほしくなかったから……」

「だ、そうですよ」


 ………………。

 何が正解とかはないが、ないんだが……。

 結局は助かったわけだし、俺的にはどっちでもいいんだけど。


「はぁぁぁぁぁぁぁ、まったく…………」


 あ、俺のため息でアルカが肩を震わせちまった。

 怒られていると思ったのか、呆れられていると思ったのか。


 呆れては、いるんだがな?


 だって、首を絞められるのと、氷漬けにされるのって、どっちも辛いじゃん。


 でも、確実に安心なのは氷漬けにする方じゃん? 拘束も出来るし。

 俺は少し我慢すればいいだけだし?


 我慢くらいは、慣れているし。

 今までも、この世界で何度我慢させられたことか……たははっ。


 …………あぁ……。

 でも、俺のために考えてくれたんだもんな。

 俺に、少しでも怪我させないように、考えてれたんだもんな。


「おい、アルカ」

「…………今回は俺、謝らないからな」

「あぁ、謝罪はいらん」


 顔を逸らすな、なんか傷つくわ。

 いつも目を見て笑いかけてくる奴に顔を逸らされると、なんとなく悲しいわ。



 ――――ポンッ



「っ、え」

「あんがと。俺の事を考えてくれて」


 頭を撫でてやると、アルカはきょとんと目を丸くし、俺を見上げるだけ。

 そのあと、何故か顔を俯かせてしまった。


 え、なに? 嫌だった?

 やっぱり、おじさんに頭を撫でられるの、嫌だったのか!?


「ちょ、な、なになに、嫌だったのなら早く言えっ――――」


 え、泣いてる?

 目を擦り、声を抑え、アルカが泣いている。


 泣く程嫌だったのか!?


「お、俺」

「おう…………」


 何が来る、どんな言葉が飛び出す。

 こ、こえぇぇぇええ。


「俺、カガミヤの役に、少しでも、立ちたいんだ」

「――――ん?」


 え、なに、改めてなに言ってんだ?

 それなら、今まで何度もアルカには助けられているんだが?


「お、俺だって、強くなって、少しでもカガミヤの役に立ちたくて。でも、いつも呆られたり、怒られるから……。俺、いない方が楽なんじゃないかって……思って…………」


 あ、あぁ。確かに、そんなこともあったなぁ。

 いや、後先考えず危険な事に突っ込んでいくのだから、そりゃぁ怒りもするだろうが。


 でも、いない方がいい…………か。

 そこまで深く考えなくてもいいだろう……。


 アルカ、今まで気丈にふるまっていたんだな。


 アルカの気持ちに気づいてあげられなかった、俺の落ち度でもある……か。


「アルカ」

「……リヒト……」


 おっ、リヒトが何かを言ってくれるのか?


「アルカがいなかったら、私は今頃、冒険者にすらなれてなかった。アルカが頑張ってくれていたから、私はこうやって冒険者としてやってこれているの。アルカは、私にとってお兄ちゃんみたいな人なんだよ? だから、そんなこと言わないで」


 え、お兄ちゃん。

 いや、確かに年齢的にはそうなんだろうけど。


「俺、リヒトの役に、立ってんのか? いつも、助けてもらってばかりな気がするけど……」

「それはない、絶対にない」


 うん、リヒトが真顔になるのと同じくらいに、俺もないと思う。

 リヒトとアルカの立場、まるっきり違うじゃん、しっかり考えろ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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