ラスボスまでたどり着く方が大変だったりするよな
さてと、終わった。
「離せやくそがぁぁぁぁぁぁぁあ」
「くそ、失態だ……」
なんで持っていたかわからないアルカの縄で、まず冷静ヤンキ―を縛り、暴れまくっていたうるさいヤンキーをアルカが無理やり抑え込み拘束終了。
手足を縛り、二人を背中合わせにし地面に座らせた。
これだと、仮に縄抜き出来たとしても時間はかかるはず。
今のうちに中に入って、村長とケリを付けよう。
「行くぞ、アルカ」
「おう」
後ろから制止の声が止まないが、知らん。俺は目的を果たす。
近付くと、木製の両開きには鍵はついていないのがわかった。
「開けるか」
扉に手を添え、ゆっくりと開く。
中を覗いてみると、特に変わった所は無い普通の《《廊下》》が続いていた。
「中は思ったより普通だな」
「普通……ではあるみたいだが、外観より、広く感じないか?」
「え?」
アルカの指摘に、もう一度ドアを開けたまま後ろに下がり、建物全体を見てみる。
確かに、見た目はただの一軒家。
一階建ての平屋レベルの大きさ。でも、中は違う。
一見しただけでも、廊下に何個もドアがある。
外観とは考えられないほどの部屋の数だ。
これも魔法か? でも、できるのか? 部屋を魔法で大きくするなんて。
幻覚を見せるとかならいけるかもしれんが……ん? 幻覚?
「そういえば、あいつの属性は氷…………」
氷は鏡のように姿を映し出す。
それも、歪んだ姿を。
それって、俺が持っているheat hazeと似たことが出来るんじゃないか?
「…………”アビリティ”」
『はい』
「この見えている映像から魔力を感じるか?」
『はい。氷属性の魔力を感知しました』
魔力が感知出来るという事は、俺達は幻覚を見せられているんだろうな。
手を伸ばしてみると、廊下が続いていると思っていた景色に波紋が広がる。
「…………触るというか、水の中に手を入れているような感覚だな」
入る前に気づけて良かった。
手を抜き取り、魔力を抑えつつ一つの炎の玉を作りだす。
よしっ、野球ボールくらいの大きさの炎ボールを作れた。
だが、これだと小さいか。もっと大きくする必要があるな。
もっと時間をかけ集中すると、徐々に魔力が一つに集まり、炎が燃え上がる。
風が起こり、熱気を感じ始めた。
もうそろそろ、良い頃合いか。
手元には、バスケットボールくらいの炎の玉が出来上がった。
「行くぞ。flame!!!!」
腕を横へと払うと、炎の玉は真っ直ぐ小屋の中へと放たれた。
――――――――ドガン!!!!
よしっ、魔力の壁を破壊に成功!!!
このまま中に――――おや?
「ひっ…………」
「あ、どうも」
魔力が溶けた室内は、外観と変わらない大きさになった。
フローリングの床に絨毯が引かれ、奥には布団が畳まれている。
壁側には、なにやら高そうな壺や誰が使うのかわからんアクセサリーが置かれていた。
んで、部屋の中心には、ビビり散らしているただのおっさん……か。
顔面蒼白になり、今にも泣いてしまいそうな顔。目に毒なんだが、その顔……。
部屋の中をじぃっと何も言わずに見ていると、半泣き状態のおっさんが唾を飛ばしながら文句を言ってきた。
「な、なんだ貴様!! 無礼だぞ」
「その言葉に関してなら俺も思う」
俺が行った行為は、普通に不法侵入だ。
警察案件よ、これ。
「まぁ、それはお前も同じだろ? 人に無理やり働かせ、表面だけ良くしようとする。権力を振りかざし村人を自分のモノだと勘違いしている、勘違い野郎」
「き、貴様。わしに向かってそのような口をきいていいと思っているのか!!!」
またしても唾を吐きながらおっさんが喚いてくる。
やめろや、きったねぇな。
「いいかどうかはわからんが、言いたいことがあるから来た」
「貴様のような貧乏人風情の雑魚が、わしに言いたいことだと? ふざけているようにしか思わんのぉ」
まぁ、今は無一文だからな、俺。
貧乏人なのは仕方がない。
「確かに今は貧乏人風情かもしれねぇが、俺はやれば出来る人間だから。今後は大富豪になる予定だ。だが、立ち位置は雑魚で構わん。金さえもらえればそれでいい。と、いう訳で俺の要望を単刀直入に言わせてもらう。金を寄越せ」
右手をおっさんに差し出し、金を貰おうとする。
だが、何故かアルカが俺の腕を掴み無理やり下げさせられた。
「なんだよ」
「単刀直入にも程があるだろ!!」
っ、声、でか……。
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