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元仲間がまさかこの世界に残っているなんて聞いていない

 カケル=ルーナって、もう数年も前に封印された奴だろ?

 あれ、数百年だったか? どっちでもいいか。

 

「アルカがそんなことを言っていたなぁ~。俺が寝る前に」

「へぇ、そうなんだ。スペルから話を聞いたのかもしれないね。ちなみに、カケル=ルーナはもう数百年の時を管理者によって封印されているのは覚えている?」

「覚えているぞ」


 俺の目的の一つだからな、さすがに覚えとるわ。


「封印という形をとっているから年も取らないし生きているといいきれる。でも、他の仲間は、管理者との戦闘で死ななかったとしても、年齢的に死んでいるはずなんだよ」

「だろうな。それなら、なんでスペルは生きる事が出来ているんだ?」

「スペルの魔法なら、正直そこまで不思議ではないかな」


 え、スペルの魔法って、癒しや占い魔法だろう? あと、属性は炎。

 いろんな魔法を持っているみたいだが、それでも寿命を長くすることなんて、出来ないだろう。


「スペルは、カケル=ルーナの時代、世界で一番の回復魔法の持ち主で、癒し魔法と回復魔法、どちらも兼ね備えた魔法使いなんだ」

「ふーん」

「世界でも屈指の魔法使いなんだから、何か小細工をしていてもおかしくはない。癒し魔法や回復魔法を自分の身体に付与し、老化を遅くしたり、傷ついた筋肉や繊維を回復し続けて、長く生きているのかもしれない」

「へ、へぇ……」


 なんか、ひとまずすごいのはわかった。


 魔法で何でも説明がつくこの世界、なんとなくいいな。

 ”ゲームだから”という言葉で全てを片付けられるような感覚だ。


「ちなみになんだけど、この世界にはカケル=ルーナの元仲間が、確認出来ているだけでスペルともう一人いるよ」

「え、スペルの他にも化け物が存在するって事?」

「また、少し違うかな」


 違うのか。

 でも、数百年も生きているんだろ? 

 化け物以外になんと説明する気だ?


「自分で老化を抑え、生き続ける事を選んだスペルとは違い。もう一人は、ウズルイフの魔法にかかってしまって、歳をとらなくなってしまった女性なんだよ」

「ウズルイフの魔法によってって事は、強制的に長生きさせられているって事か?」

「そういうこと。本人はどのような時代でも楽しみを見つけて、今も気楽に生きているけどね」


 なんか、おてんば小僧か娘が頭に浮上したな。


 この世界には管理者と呼ばれる化け物と、カケル=ルーナの元冒険者の仲間と呼ばれている化け物が存在する。


 化け物が沢山居すぎて、逆に驚かなくなってきた。

 驚きより、俺に迷惑をかけないで、無関係な場所で生きてくれって願ってしまう。


 スペルとはもう接触してしまったし、話す日付とかも勝手に決められたから、もうどうする事も出来ないけど。


「ちなみに、もう一人の生き残りも、もう知里は接触しているよ」

「え、管理者以外の化け物とか? それって誰だ?」

「それは言わないでおこうかな。そのうち分かると思うし」


 そこ、秘密にする必要あるのか?

 いや、絶対にないだろう、ないだろうが、くそが。


「気にしなくても、あの子の性格的に僕達に接触してくることはあまりないと思うよ、あまりね。本当に、あまりね。うん……」

「う、うん。あまり、なんだな。そこはわかった」


 なんか、スペル以外の生き残りの話をしているアマリアが、なぜか疲れている。


 疲れるような記憶でもあるのだろうか。

 深く聞かないでおこう。


「二人が生き残っているのか、カケル=ルーナの元仲間……」


 確認できているだけでって言い方が、少し気になるな……。


「なぁ、カケルの仲間は全員で何人いたんだ?」

「管理者との対決する時は、今の知里と同じ人数で活動をしていたはずだよ」


 俺と同じ人数という事は、俺を含めないで五人。そのうち二人は現代に生き残っている。


 管理者との戦闘でカケルは封印された。

 つまり、管理者に少なくても三人は仲間を殺されたことにならないか?


「難しい顔を浮かべているね、何を考えているの?」

「管理者との戦闘でカケルは封印された。そんで、二人は現代を生きている。俺と同じ人数で活動をしていたのなら、残り三人は管理者によって殺されたか、寿命により死んだか。どっちなんだろうなぁって思って」


 横にいるアマリアを横目で見ると、少しだけ息を飲んでいた。


 反応的に、管理者が殺した――――厳密に言うと、一人や二人はアマリアが自らの手で殺したんだろうな。


「……………………管理者が、二人は殺しているよ。カケルの一番の相棒であった人と、魔道士をね」

「…………結構、残酷なんだな。それは、カケルは知っているのか?」

「封印される前の出来事だったし、仲間の屍もしっかりと見ていたよ」


 ふーん。

 それって、俺の夢の中に現れているカケルの頭にもまだ残っているのだろうか、仲間の死が。


 あんなに明るく、適当そうで、自分に自信のあるカケル。

 そんなあいつの頭には、消えない傷があるのだろうか。


「――――ん? 相棒と魔道士?」

「え、うん。その二人なら確実に死んでいるはずだよ」

「残り一人は?」


 五人中、二人は生き残り、二人は死んでいる。なら、あと一人はどうなっているんだ?


「あぁ、スペクターの事か」

「スペクター? それが名前か?」

「そうだよ。正直、そいつはわからないんだよね」


 え、わからない?

 カケルと管理者の戦いに居合わせたアマリアでも、スペクターの生死を知らないのか?


 えぇ……。まさか、戦闘途中で勝手に逃げ出した臆病者とかだったりするのか?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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