何でこうもめんどくさい事に巻き込まれないといけないんだ
リヒトも警備員の圧に負け、俺を止めずロゼ姫達と共に修練場へ。
まだ体が重たいけど、早く事態を確認しないと。
もう話の流れと、グレールの反応で予想は出来る。
シールドを使っていない二人は、アマリアとスペルで間違いはないだろう。
でも、おかしいんだよなぁ。
アマリアは魔力を使っていない、吸われている感覚がないし。
一方的に魔法を食らっているとか? でも、ただでやられるなんて思えない。
どうなっている、早く確認したい。
修練場にたどり着くと、ありえない光景が広がっていた。
「逃げるな!! 早く死ね!!」
「悪いけど、今は死ぬわけにはいかないんだ。君に行った事は悪いとは思う、でも今回の事態が終わるまで待ってほしい」
「知るか!! 私達仲間に酷い事しやがって!! 今すぐしねぇぇぇ!!! flame!!!」
っ、え、flame?
あ、あいつの属性魔法は炎か!
炎の円球を複数作り出し、空中を飛び回っているアマリアに向けて放っている。
威力などを考えていないのか、至る所で大きな爆発が起き、煙で視界が覆われる。
風や土埃が酷い、前が見にくい。
くそ、よくわからんが俺達がどんなに叫んでも、爆位発音でかき消されて意味はないだろう。
回りの冒険者が二人の戦闘に巻き込まれないように逃げているのが幸い。
避難させなくていいのは楽。
って、そんな、周りの事を考えている暇はない。
早くあの二人を止めないと!!
「グレール! あの二人を止めなさい!!」
「はい!」
ロゼ姫の指示でグレールが走り出すが、スペルから放たれ続けているflameにより道が阻まれる。
氷と炎は相性が悪いし、スペルは魔力量とかもグレールと同じくらいな気がする。上回り、炎魔法を消す事は出来ないだろう。
「待て、グレール!!」
呼びかけるとグレールはこっちに振り向いた。
「俺が止める」
「何か考えがあるのですか?」
「まぁな……ズビッ」
「本当に、大丈夫ですか?」
くっそぉ、鼻水がぁ。
いや、今はどうでもいい。やるしかない。
今ここでチート魔力を持っているのは俺だけだし、暴走しているスペルを無理やり止められるのは俺だけ。
手に魔力を集中し、魔法を発動。
「wavewater!!!」
全方位の水魔法でまず、至る所に飛び回っている炎をかき消す。
突如現れた水魔法に驚き、二人は困惑。その隙に拘束してやるよ。
「|siege flame!!」
よしっ!! 二人を個別に炎の鳥籠に閉じ込める事に成功!!
「なっ!!!」
「この魔法って、知里?」
スペルは驚愕、アマリアは冷静に俺を見てきた。
流石に弱い魔法でも、あんなに威力マシマシに出されたら、俺も魔力をためなければならない。
結構魔力を使ってwavewaterを出したから、炎をかき消す事が出来た。
困惑もあり、二人は|siege flameに大人しく閉じ込められている。
今、無理やり出ようとするのは勘弁しろよ。
これ以上の魔法を使って二人を止めるのは無理だからな。
「おい、いい加減にしろよお前ら。二人の中に何があったかはあとで聞く。…………ズビッ」
「知里、動くのすら辛くない?」
「つれぇに決まってんだろうが、改めて聞いてんじゃねぇ。頭や体は重たいし、鼻は詰まって息はしにくいし、眩暈は酷いし視界は白くなるし」
「待って、後半やばくない? 早く休んだ方がっ――」
「休ませる気があるんだったら、二人は一旦戦闘はやめて部屋に来い」
はぁ、さすがにマジできつい。けど、ここで二人を野放しにするのは危険。
何でこうなる、早く俺を休ませてくれよ。
アマリアはちらっとスペルを見る。
見られているスペルは、俺を見て来る。
「……………………わかりました。これ以上は何もしません」
「本当だな。あと、アマリアも」
「僕は逃げていただけだけど」
「俺が欲しい返事はそうじゃないことくらい、わかるよな?」
「……………………はい」
はぁぁああ、まったく、頼むから周りに迷惑をかけないでくれ。
あ、やばい。
本当に視界が白くなってきた。
意識がたもてっ――……
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