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余計なことを言いやがって!!

 ちょいおこのアマリアから聞いた話だと、”本を借りてきただけ”で、こんな惨状になったらしい。


 アルカとリヒトの話だと、”アマリア様が図書館だと周りの気配がうるさくて集中出来ないと言ったから、図書館の本を半分くらい借りると言い出し、足にされた”との事。


 現状を見るに、どちらも当たっているし、詳細はアルカとリヒトの言い分が正しいだろう。


 床に散らばっている本を見てみると、中にはユウェル族に関して書かれている本もあるが、大半は魔法についてやギルド、この世界の歴史とかが書かれている本が多い。


 アマリアがまた本に集中してしまったから聞けないけど、今見ている本もユウェル族には関係ないだろうと思わせるタイトル。


 だって、本のタイトルが”魔法使いの道”だもん。


 なに、アマリアって魔法使いになりたいの?

 いや、アマリアもう魔法使いじゃないの? 魔法を扱う事が出来るものは全て魔法使い括りでいいんじゃないの?


 色々ツッコミたいが、ツッコムところが沢山あり過ぎてツッコミが追い付かない。


「はぁぁぁぁあ。んで、ユウェル族について何かわかったことはあるのか? 長についてとか」

「俺もリヒトも本を読んでみたんだが、難しい事ばかりでわからなかったんだ」


 そうなると思ったからアマリアが親代わりになって、二人と一緒に行ったんじゃねぇのかよ。


 ────いや、少し考えればわかったことかもしれない。


 アマリアは本を読む事大好きそうだし、調べ物とかは自分が納得いくまで調べるタイプっぽい。一度読むと止まらないんだろうな。


 これからはアマリアに本を渡してはいけない、これを頭に刻んでおこう。


「はぁ……。まぁ、今までアマリアも頑張ってくれたし、今はそっとしておこう。俺達で調べるぞぉ~」


 と、口に出してはみるが、見渡す限り本。

 何から手をつければいいのか分からんぞ、これ……。


 アマリアは私欲で本を借りてきているし、俺達の目当てのもん、あんのか?


「えぇっと……、え、な、なに?」


 なんか、アルカやリヒトからの視線が痛い。

 なんとなく視線で察する事が出来るけど、なんで困惑してんだ?


 困惑の……視線、だよな?


「カ、カガミヤが、アマリアさんを休めてやるって、言った、のか?」

「え、言ったが……? そ、それがなんだよ……」


 な、なになに。

 なんで二人がそこまで驚愕してんだよ、意味がわからん。


 俺だけでなく、グレールとロゼ姫もわかっていないみたいだけど。


「いや、だって。カガミヤさんは今まで、自分の欲剝き出しで、相手の事を考えなかったじゃないですか」


 おい、どんな外道だと思われてんだよ、俺。


「それだけじゃねぇよ! 人が困っていても金が絡まなかったら動こうとしなかったカガミヤが、今は報酬がないのに動こうとしてる! なんか、最近のカガミヤ優しくて変だ!!」


 なら、お前らにかける優しさをどぶに捨ててやろうか、この野郎。



 ――――――――パタン



 ん? 俺が何から文句を言ってやろうか考えてると、アマリアが本を閉じた。

 まさか、会話が聞こえてたのか?


「今の会話、聞いていたけど。ちょっと面白かった」

「感想どーも。俺が馬鹿にされているのがそんなに面白いかそうか、魔力の供給を止めてやろうか」

「それはさすがに困るから、やめてほしいかな。それより、アルカ、リヒト。面白い事を思い出したから教えてあげるよ」


 本を撫でながら、首を傾げている二人にアマリアがそんなことを言っている。


 何を思い出したんだ?


「知里はね、ユウェル族の長を目の前にしたときっ――――」

「っ?! おい糞アマリアてめぇ!! 何を言おうとしてやがる!!」

「むぐっ」


 あ、慌ててアマリアの口を塞いだから、本とかが散らばっちまったぁ。

 だが、今はそんなことどうでもいい。


 こいつ、俺が長を殺さなかった時の話をしようとしてやがる!!

 俺が、この二人に絆された事を言おうとしてやがる!!


 絶対に言わせねぇよ。

 言われたら俺、ここで生きていけない。


「グレール」

「わかりました、ロゼ姫」



 ――――ガシッ



「…………え、ちょっ、グレールてめぇ!! 離しやがれ!!」


 後ろからグレールが俺を羽交い締めしてきやがった! 


 アマリアはジィっと俺を振り向くけど、楽し気に笑い「あのねぇ」とか話し出す!


 やめろ、やめろぉぉおおお!!


「知里ねぇ、僕が長を殺した方が賢明だと言ったのに、止めてきたんだよね」

「え、アマリア様が賢明だと思った方法を、カガミヤさんは否定したんですか?」

「そうそう。その時は、長を殺した方が自分達は助かるし、犠牲も少なかった。でも、ユウェル族の二人が長を助けてほしいと言ったから、知里、なんとしてでも守ろうとしたんだよ。危険を承知のうえでね」

「──えっ」


 ……………………うるせぇうるせぇ。

 二人プラスロゼ姫からの視線がうるせぇ。


 なんだよ、その目。なんで目を輝かせてくるんだよ。

 なんだよ、その、煌々とした目!!!!


 辞めろ、頼む、辞めてくれ!!

 俺が浄化されちまう!!!!


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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