表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

146/618

ここで初めてドッペルゲンガーに会いました

 今、俺はカガミヤに言われた通り、リヒトとベルクヴェルクに向かっている。


「大丈夫かなぁ……」

「ん? 何がだ?」

「い、いや。なんか、ちょっと、不安になっちゃって……」


 あ、リヒト、不安そう。

 …………お、俺も、少し、不安だ。


 なんか、急に二人になると、何か起きた時しっかりと対処が出来るのかわからない。


 カガミヤに会うまでは、リヒトと二人でダンジョンを攻略しようとして。

 それが当たり前だったのに。

 まさか、こんなにも不安になるなんて……。



 ――――カガミヤと出会ってから色々な事があったな。

 ダンジョンを初めてクリアできて、報酬をもらって。

 流石に、管理者と戦う事になるとは思っていなかったけど……。


 まだカガミヤに会ってから、数年とか経っていないのに。

 ものすごく濃くて、長い時間一緒に過ごしていたような感覚になる。


 そんな濃い出来事も、カガミヤがいたから乗り越えられたわけだし。

 リヒトも、守る事が出来ていた。


 俺一人でリヒトを守る事、出来るだろうか――……


「? アルカ、どうしたの?」

「っ!? な、なんでもないぞ!!」

「そ、そう?」

「おうよ!」


 び、びっくりした。

 リヒトに声をかけられるとは思わなかった。


 だ、だめだ。

 ここで弱気になっても何にもならない。


 カガミヤがいなくても、俺はリヒトを守って、必ず無事に合流するんだ。


 ――――――――ん?


 この気配……。

 思わず足を止めると、リヒトも一緒に止まる。


「どうしたの、アルっ――……」


 突然辺りを見回し始めるリヒト。

 お前も、気づいたらしいな。


「森の中に、モンスターの気配?」

「みたいだ。ここで現れるという事は、野良って事だな」

「野良という事は、Aランク以上はない、よね?」

「そのはずだけど」


 リヒトの言う通り、野良という事はどんなに強くてもAランクまで。

 

 今、Aランクのモンスターが現れた時、俺達だけで何とかしないといけない。

 今まではカガミヤが一人で何とかしてくれていたが、今はいない。


 気合いを入れなければ、簡単に負ける。


「リヒト、頑張るぞ!」

「う、うん!!」


 リヒトの腕の中で、リトスも不安そうにっ――――あ、あれ?


「リトス? なんで、目を輝かせているんだ?」

「この気配は、おいらと同じだぞ!! 仲間だ!!」


 え、えっ!?


 ※


「あぁぁぁあああ…………」

「疲れた? 大丈夫?」

「足がぱんぱん……。疲れた、体が……す、少し休もう…………」

「まぁ、いいけど」


 地下は道がボコボコ。

 歩きにくいし、暗いから神経使うし。


 はぁ、なんでアマリアは俺と一緒に歩いているのに、そんなに余裕なんだよ、おかしいだろ。


 俺だって、世間一般的にはまだ若い部類なのに……。


 …………あ、あれ? 俺って、おじさんじゃなかったっけ? 若い部類になるのか?

 疲労でよくわからなくなってきた。


「百面相浮かべているけど、どうしたの?」


 足を止めて端により壁に背中を預け座ると、アマリアがそんな事を聞いて来た。

 俺、そんなに変な顔を浮かべていたのか?


「いや、なんでアマリアは、寒くもないし体力もまったく減っていないんだろうと思って。年齢だけの理由だったら、俺の方が絶対に若いのにって思ってさ……ははっ…………」


 まじで、口に出すと泣きそうになるわぁ~、あはははは……。


「…………あぁ、そういう事。それは、僕が人間じゃないからだよ」


 ん? いや、それはさすが知っとるわ。


「それはわかっているけど、それって、体力にも関係あるのか?」

「あるよ。僕の身体は魔力で動いている。心臓と言った臓物があるわけではないから、体が自身の身体を守るために痛みという警告とかを送る必要がないんだ」

「つまり、お前は化け物という事ね、わかったわ」

「なんか、その言い方は嫌だ」

「へいへい」

「…………もう」


 あ、大人姿のアマリアがいじけた。

 腕を組み、俺から顔をプイッと逸らす。


 おいおい、大の大人がそれをやっても誰も喜ばないよ。


「はぁぁぁ、――――ん?」

「あ、モンスターが近づいているね」

「近付いているな、よっこらせっと」


 まだ疲労が残っている体を立ち上がらせ気配に集中すると、モンスターがこっちに近づいて来ているのがわかった。


 数は二体、そこまで強くはないかな。


「野良モンスターだね。最大Aランクまでしか現れないから、何が出てきても知里なら余裕だよ」

「野良もいんのかよ。それって、アルカ達は大丈夫なのか?」

「大丈夫って言い切れるよ。あの二人がランクに似合わない実力なのは知っているでしょ? 野良ぐらい余裕だよ」

「それもそうだな」


 アルカ達も強いし、問題はないか。

 今は自分の心配をしよう。


 何が向かって来ているのか。

 魔力の威力を間違えると、ここは地下。生き埋めになるかもしれない。気をつけねぇと。


 モンスターが近づいて来ているのを待っていると、足音も聞こえてきた。


 タッタッタッ


 といった、軽い足音。

 これは、ゴブリンの可能性。


 警戒しながら洞窟の先を見ていると、現れたのは――――…………


「え、り、リトス!?」


 リトスが二体、手を繋いで駆け寄ってきただと!?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ