言葉の言い回しは本当に気を付けよう。めんどくさい事になら
次の部屋まで向かう途中、何度か雑魚が現れたけど、全てflameで薙ぎ払った。
そんな事をしていると、すぐに次の大部屋にたどり着く。
「それじゃ、出入り口付近でロゼ姫は待機していてもらって、リヒトも今回は全力で手を貸してほしいから、リトスもここに居てもらいたい」
「わかりました」
リヒトがロゼ姫にリトスを渡し、大部屋の中に行こうとすると、何故かグレールが動いてくれなくなった。なぜ?
「どうした、グレール」
「私もここに残っては駄目ですか?」
…………??
「却下」
「…………なぜ」
「グレールの戦闘能力は、絶対に今回のワイバーン戦に必要」
「ですが…………」
「グレールが心配なんだろ? それなら、アルカ、ロゼ姫と共に居てくれるか?」
何となく視界に入ったアルカにお願いすると、何故か見返された。どうした?
「え、俺か? って、今の話だと、今回の戦闘には俺は特に必要ないみたいな言い回しなんじゃっ――――」
あ、やべ。そういう解釈になるのかよ、ちゃうわ。
「違うぞ、アルカ。おめぇはチームで戦うより、単独の方が自由に動き回れてキレが出てくるんだ。逆に、チーム戦だと迷いが出たり、無駄に考えちまうだろう。だからだ」
「あ、そうなんだな!! それなら分かったぞ!! 不安が無くなった!!」
…………ふぅ、何とかごまかせた。
いや、さっきのは嘘ではないんだが、なんとしてでもグレールをこっち側に引き込まなければならなかったから、アルカに犠牲になってもらっただけの話……。
言葉回しが悪かった、今度はもっと気を付けようか。
子供って、変に察しがいいからな。
「それじゃ、俺達は行こうか」
「はい。ロゼ姫、行ってきます。お怪我しないように気を付けてください」
「それはこちらの台詞よ、グレール。絶対に無事に戻ってきなさい。これは命令よ」
「はい」
腰を折り、グレールも歩き出した。
リヒトもアルカに手を振り着いて来る。
「カガミヤさん、今回のワイバーンは倒せるのでしょうか」
「倒せるだろう。だって、俺は魔力を温存しているし、グレールもまだまだ動ける。リヒトもまだ、出来るだろ?」
隣から問いかけてきたリヒトを横目で見ると、微かに目を開いたのち、笑顔を浮かべ元気な返事をしてくれた。
「はい!!!」
元気なのは、いい事だなぁ。
視線を何もない部屋の中心に向け、歩く。
モンスターの気配は、感じる。
感じ、過ぎてるな、これ。どこにいるのかがわからないくらいに。
まるで、ワイバーンの腹の中にいるみたいだ。
気配に包まれている感じで、今どこにワイバーンが隠れているのか逆にわからん。
「どこにいるんですかね」
「さぁな」
周りを見ても一番最初、ワイバーンと戦闘した洞窟の中みたいな作りということしか分からない。
苔が生え、岩壁に囲まれている空間。
上からは光が注いでいるが、天井が高すぎて外からの光なのか、上に光源があるのかわからない。
ぼぉっと天井を見上げていると、何かが飛んでいるような影が見え……た?
大きな左右の翼、尾。
シルエットからして、確実にあいつだ。
――――――――グワァァァァァァアアアアアア!!
「出た」
「出ましたね」
「は、はい。出て、しまいましたね……」
上で飛んでいたワンバーンは、俺達に気づいて急降下。目の前まで降りてきた。
くっ、風が!! 体が煽られる!
地面に着地したワイバーンは、深緑色をしている。
赤い瞳を俺達に注ぎ、地面が震えるほどの鳴き声を響き渡らせた。
一番最初、初めてワイバーンを目の前にした時は冷静になれず、取り乱していた。
だが、今までの戦闘が、今の俺をしっかりと立たせてくれている。
悪寒が走り、動けなかった俺では無い。
今は戦闘が当たり前の生活を送っている。
ダンジョンメインで動いているし、なんだったら管理者と戦ってますからね。
うん、なんか。
過去の戦闘を思い出していたら、俺、何でもできるような気がしてきたわ。
ワンバーンなんて、簡単に倒せそう。
「来ますよ」
「あ、はい」
考えていると、ワイバーンが先に動き出したみたい。
大きな翼を広げ、俺達の方へと向かって――――来るわけではない?
その場に留まり、俺達を見下ろすのみ。だが、様子がおかしい。
双翼を羽ばたかせているだけ……いや、徐々に早くなってる……?
「な、なんだ?」
「あのワイバーンの属性が、今回の攻撃でわかるかもね」
アマリアが後ろに下がった?
え、何が来るの?
身構えていると、双翼の動きが高速になり、風が巻き起こり始め――――た?
「…………え、ちょっ!!」
た、竜巻が巻き起こった!?
まずい! こっちに向かってくる!!
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