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今までのダンジョン攻略がここで大きな成果となってやってきた

「はぁぁぁあ、何もない一日がこんなに幸せなんて、考えたこともなかったです」

「ほ、本当に疲れているんだな、リヒト。大丈夫か?」

「大丈夫。私が弱いからなの、私が弱いからアマリア様にしばかれるの」


 今は全員でギルドに向かっているのだが、後ろを歩くリヒトとアルカの会話が耳に入ってきて落ち着かない。


 隣で浮いているアマリアはなんてことない顔を浮かべているし、グレールもアマリアと同じ、自分は関係ないという顔を浮かべている。


 そんで、ロゼ姫はリヒトの隣で慰めている……と。


 なに、この変な空気。俺、なんとなく気まずいんだけど。

 早く、ギルドに着いてくれ…………。


 ため息を吐きながら歩いていると、アマリアがこっちを向いた。なんだ?


「次のダンジョン、油断せずに行こうか」

「そのつもりだが、なんだ? いきなりどうしたんだよ」

「管理者が二人減って、今は五人。今動き出しているのはフィルムで、ここまでやってきた。今回がたまたまなのか、次の行動を起こしているのか。少し気になってね」

「あぁ、確か。フィルムってダンジョン管理者なんだっけ。…………つまり?」

「うん、予想着くと思うけど。ただのAランクダンジョンにたどり着くことが出来るのか。ちょっと、怖いよね」

「…………はぁぁぁぁああ。まぁ、いいわ。今までダンジョンには振り回されてきた、日常茶飯事だ、あははははははは」


 今まで、ギルドやダンジョンには振り回されてきた。

 ついでに、管理者にも。


 そんなの、もう慣れたよ。これが、主人公のなれの果て。

 物語を進めるため、主人公には逃げられない宿命を背負わせる。


 あははははははは、諦めろ、俺。金は道中手に入れる事が出来るんだ。

 ダンジョンからもギルドからも金を手に入れる事が出来る。


 何があっても、金があれば俺は生きていける。金金金金…………。


「…………意識、飛んだ?」

「かねぇぇぇぇ…………」

「飛んでいるうちにギルドに辿り着いたみたいだよ。生き返って」


 アマリアの冷静な声で前を改めて見ると、確かにギルドに辿り着いていた。


 ここの受付嬢はしっかりしていそうだし、多分変な所に送り込まれる事はないだろう。受付嬢からは。


 咳ばらいをし、後ろの三人に声をかけギルドの受付へと向かった。


「こんにちは」

「はい、こんにちは。黎明の探検者ですね。今回は依頼の確認でしょうか」

「いや、もう依頼系はこりごりだ」

「? でしたら、ダンジョンの確認でしょうか?」

「あぁ、俺達黎明の冒険者は、これからダンジョン攻略しかしないと心に決めている」

「???? はい、わかりました…………?」


 首を傾げている受付嬢。

 だが、俺達の目的を理解し、パソコンを操作してダンジョンを探してくれた。


 受付嬢を始めて長いのか、数秒でダンジョンの情報を出してくれたみたい。


 さぁ、どんなダンジョンだ。


 今まで様々なダンジョンを攻略して来た。

 何だったら、SSランクのダンジョンもクリアして来たんだ。

 Aランクならなんでも行けるぞ、多分。


「――――あれ。あの、一つ確認してもよろしいでしょうか?」

「なんだ?」

「黎明の探検者は、チームランクAで間違いありませんよね?」

「そのはずだぞ」

「ですが、今経歴を確認したところ、SSランクをクリアしているみたいなのですが、これは事実でしょうか?」

「そんなことも確認できるのか。まぁ、その情報はあっているぞ。俺達は何かよくわからんが、自分達より高いランクのダンジョンに放り込まれていたんだ。んで、クリアして今に至る」


 "よくわからない"わけではないがな。


 管理者が関わっていると言っても信じてもらえるかわからんし、それを言う必要はない。

 言わない方が話が円滑に進む。


「そうですか…………。あの、一つ提案なのですが、もし良かったらSランクのダンジョンを今回攻略してみませんか?」

「え、いいのか?」

「普通ならこのような提案は致しません。命の関わる仕事ですから。ですが、貴方達は異様な成長をしているそうです。今、さらっと確認しましたが、ありえない道を進んでいるみたいで……。あの、お疲れさまでした………」

「え、あ、どうも」


 なんか、同情された? 


「それでですね。アマリア様の目の前で言うのは少々はばかられますが、もし貴方達がよろしければ、チームランクより一つ上のSランクに行きませんか?」


 俺達を見回した後、受付嬢は笑みを浮かべ言ってきた。


「貴方達はダンジョン攻略をメインとしているようにお見受けします。おそらく、ランク上げを一番の目的にしているのかなと」

「まぁ、そうだな」


 冒険者の事をこんなにしっかりと見ているなんて、こんな受付嬢もいるんだな。


「でしたら、手っ取り速くランクを上げる方法の一つとして。自身より高いランクのダンジョンを攻略していけば、普通で行くよりすぐにランクを上げる事が出来ます。それに、アルカ様とリヒト様は、次のダンジョンをクリアするとランクを上げる事が可能です」

「え、早くないか? 前にAランクに上がったばかりだぞ?」

「それこそ、自身のランクより高いランクをクリアしているからですよ。しかも、一つ上ではなく二つ上。一気に経験値は溜まりランクを上げられます」


 な、なるほどなぁ。


 今まで、意地悪で自身のランクより高いダンジョンに送られてきていたのが、ここで役に立ったのか。


 大変だったが、完全に無駄ではなかったことがわかって良かったわ。


「それで、いかがいたしますか」

「んー。アマリア的にどう思う?」


 このような話をしていると一番口を出してきそうなアマリアが黙っている。

 試しに聞いてみると、顎に手を当て考えながら口を開いた。


「確かに、この受付嬢が言うようにそんな提案、普通ならおかしいし否定するところだけど。知里率いる――――間違えた。アルカ率いる黎明の探検者なら可能だね。いいんじゃないかな」


 おいおい、そこは言い換えてやるなよ、あえて。

 ほら、後ろでアルカが軽くショックを受けているぞ。


 今まで何度も俺がリーダーと間違えられていたからな。

 どんまい、アルカ。


 とりあえず、俺達は受付嬢の提案を飲み、一つ上のSランクのダンジョンを攻略する事とした。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

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