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強くなれば簡単に報酬がゲットできると思えば、修行も案外悪く無い

 戻ってきた二人は、見た目が元々綺麗だからか、まぁまぁなものに仕上がっていた。


 ロゼ姫は本当に青が似合うな。

 しかも、今回はワンピースではなくズボンだから動きやすそう。


 グレールはどこかの王子かな? 

 そう思うくらい、目を惹くオーラを発している。


「ど、どうかしら」

「ものすごいお綺麗ですよ! ロゼ姫様!」

「ふふっ、惚れてくれてもいいのよ、リヒトさん」

「へ? い、いえ、それはまた別の話と言いますか……はは……」

「それは残念ねぇ」


 リヒトが顔を引きつらせ後ろに下がってしまった。

 下がりたい気持ちはわかる。目が本気だったもん、今のロゼ姫。


「グレールさんも似合っているぞ!! かっこいい!」

「アルカ様、ありがとうございます。今まで触れた事がなかった服なため、本当に似合っているのかわかりませんが……」

「すごい似合っているぞ! ものすごくかっこいい! 俺も、グレールさんくらい背が高かったらかっこよくなるのかな」

「アルカ様でしたら、今でも十分かっこいいですよ」

「まじか! 聞いたかカガミヤ! 俺、かっこいいらしいぞ!!」


 俺に興奮気味に報告してくる。

 それを報告されても俺は頷くしか出来ないぞ。


 お披露目会をしているのはいいが、武器の方は本当に準備しなくていいのか?


 普段から武器を持ち歩かなければならないデメリットはあるものの、魔力を使ってわざわざ武器を生成しなくてもいいメリットも出て来る。

 

 買っても損はないと思うんだが。


「チサト様」

「あ? なんだ、グレール」

「もしかしてですが、武器の心配しておりましたか?」


 やっぱり、表情筋殺そうかなぁ。


「まぁな、買ってもいいんじゃないかなと思っていたところだ」

「それはご安心ください。自身で作り出した方が色々形を変える事が出来るので楽なのです。その場にあった武器を使用し、戦闘が出来ますので」


 あぁ、そういう事か。


 確かに、それは氷で作る事が出来るグレールとロゼ姫の強みだな。

 戦闘途中に隙をつき、剣の形を変え刃で切りつける事も可能だったのを思い出したわ。


「ロゼ姫はどうするんだ?」

「私個人としては今まで通り、自身の魔力で作り出した武器の方がよろしいかと。少しは慣れていますので」


 新しい事を無理に覚える必要はないという事か。

 慣れていないことをこれから行っていくのだから、新しいものに手を伸ばすのは逆に危険。


 そう判断したという事だな。


「わかった。それなら、今回の準備はこれでいいか?」

「そうですね。この後は、少しロゼ姫には戦闘に慣れて頂きたいため、模擬戦を出来たらと考えています、いかがですか?」

「おっ、わかった。それはグレールにお願いする形でいいか?」

「チサト様は参加しないのですか?」

「めんどい」

「…………チサト様は強制参加で」

「なんで!?」


 なんか俺、正直に言ったら強制的に模擬戦に参加しろと言われた。


 何でだよ、ちくしょう。


 ※


 次の日からはロゼ姫とリヒト、アルカの修行をすることとなってしまった。


 俺の修行はグレールしか相手に出来ないという事で、三人の修行が終わった後少しだけするらしい。


 楽しい時間が少なくなったのは悲しいが、一番大変なのはグレールだろうなぁ。

 ロゼ姫達の相手をした後、俺の相手をしなければならないのだから。


 だが、今この場で戦闘慣れしていて実力が高いのはグレールのみ。仕方がない。


 ロゼ姫とグレールは昨日貰った服を着用し、俺達六人は修練場へと向かう。


 開いている場所は二つ。

 グレールが三人を見てくれるはずだから、一つしか使わないだろう。


 俺とアマリアは端の方で修行が終わるのを待つのみ。


 そう思っていたのに、グレールは俺をどこまで利用するつもりなんだよと思ってしまう言葉を投げつけてきやがった。


「では、チサト様はリヒト様とアルカ様のお相手をお願いします。ちょうど二つ空いていますので、同時に効率よく行きましょう」

「…………」

「協力、して頂けますよね?」

「…………はい」


 隣でアマリアが爆笑している声が聞こえるが、今の俺には文句を言う余裕すらなかった。


 アルカとリヒトの相手を俺がしないといけないのか。

 でも、どうすればいいんだよ。


 アルカとは普通に模擬戦をすればいいとは思うが、リヒトの場合はアドバイスを求められるだろう。


 ゲームで例えると俺はアタッカー、リヒトはサポート。元々役割が違う。

 アドバイスを求められても困るぞ。


 うーんと考えていると、やっと落ち着いたアマリアがふよふよとリヒトに近付いて行った。


「リヒト」

「は、はい」

「君は僕が相手になるよ」

「…………え?」


 え、アマリアがリヒトの相手をしてくれる? 

 修行の相手をしてくれるって事だよな。


 ────あ、そうか。

 アマリアはサポートメインだったんだっけ、管理者では。


 それなら、効率よく行ってくれるだろう。

 アマリアなら修行内容とかしっかりと考えてそうだし。


「まぁ、リヒトがそれでいいならだけど。知里は文句ないと思うし」

「俺の負担が軽くなるのなら何でもやってくれ」


 あ、俺の素直な言葉にリヒトがふてくされてしまった。


 だって、仕方がないだろう。

 俺は少しでも自分の負担がなくなるようにしたいのだから。


 リヒトを見ていると、渋々ながらも了承した。


 これからは、ダンジョン攻略も大事だが、管理者を相手にすることも視野に入れなければならない。


 実力を上げていく事を優先していこう。


 俺も、もっと強くなって簡単に報酬をゲットできるように、なるぞ!

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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