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俺の優しさを無下にするなど許さないからな

「久しぶり!! 元気にしていたか少年!!」

「うん! お兄ちゃん達は大丈夫? あの、色々と…………」


 その、”色々と”という時、何故俺の方を見たんだ。


 なに、意味深な視線を向けている。

 俺がトラブルメーカーみたいな目を向けるのはやめろ。


「俺達は大丈夫だぞ! カガミヤのおかげで山を乗り越えた!」

「それなら良かった。あと、その浮いているお兄ちゃんは、誰? なんで、浮いてるの?」


 俺の隣にいるアマリアを指さし、餓鬼が聞いて来た。

 ほえぇ、管理者であるアマリアを知らない人は初めて出会ったな。

 まぁ、餓鬼が相手だし、親が説明していなかったら知らないのも当然か。


 うーん、なんと言えばいいのか。

 元管理者と言ってもわからないだろうし、俺もアマリアの事は謎が多いから説明できない。


「自己紹介頼む、俺にはお前を説明するのは不可能だ」

「…………はぁ」


 ため息を吐きながらも、アマリアはふよふよと餓鬼の目の前まで移動。

 目線を合わせるため、地面に足を付き腰を少しだけ曲げた。


「僕の名前はアマリア。あそこにいるおじさんの新しい仲間だよ」


 おい、待てやアマリアてめぇ。

 貴様今、俺の事おじさんと言いやがったな、ふざけるな。

 自分でおじさんと言うのは良いが、他人に言われるとムカつく。


 つーか、おめぇの方が何十倍もじじぃだろうが。


「アマリア、お兄ちゃん?」

「年齢的にはおじいちゃんだけど、呼びやすいように呼んで大丈夫だよ」


 それだけを言うと、アマリアは俺の隣に戻ってきた。

 恨みの念を込めて見つめていると、目を逸らされる。これは確信犯だな、糞が。


「そういえばなんだが、お前のお母さんは大丈夫なのか?」


 あ、そういやこの餓鬼の母親、感染病により起き上がれない状態なんだっけか。

 だが、ロゼ姫が動き出せばすぐに感染病はどうにか出来るはず。


「今はまだ眠ってる。でも、お医者さんが言ってくれたの。もう心配いらないよって! 今までそんなこと言ってくれなかったのに、言ってくれたの! だから、もう大丈夫なんだと思う!」


 満面な笑み、本当に嬉しいのが伝わる。


 餓鬼はそのまま手を振って走り去った。


「なんで医者はもう大丈夫なんて言ったんだ? もうロゼ姫が動き出したという事か?」

「動き出す準備が出来たんだろうな。伝達だけをし安心させているんだろう」


 グランド国も元の姿に戻って行くのだろうな。

 セーラ村のように、良い方向に変わっていく。


 これが、物語の主人公なのだろうか。

 自分が何かをすれば、何故か大きな事件に巻き込まれ、最終的には村や国などが勝手に救われる。


 気分が悪いものではないが、心地よいものでもないな。


 いや、こんなことを考えている自分が気持ち悪いな。

 やめよやめよ、もう報酬を貰ったんだ。


 アルカとリヒトはグランド国にある出店を見て楽しんでいる。


「…………おい、アルカ、リヒト」

「お?」

「どうしたんですか、カガミヤさん」


 二人が俺の呼びかけに疑問を抱きながら歩みを止めた。

 俺の前まで近寄ってくると、首を傾げ見上げて来る。


「どうせこの後、すぐに済ませなければならない事は特にない。俺は早く体を休めたいからオスクリタ海底に戻るが、お前らがもしここで遊びたいのなら、遊んでもいいぞ」

「「っ!?」」


 え、何で二人はそんなに目を大きくして喜んでいるんだ?


「カ、カガミヤさん、もしかして熱ありますか?」

「確かに色々あったもんな。疲労で熱が出ても仕方がない」

「お前らが俺の事をどう思っているのか、よぉくわかったわ」


 てめぇら、俺の親切心を無駄にしやがって。


「もうしらねぇ、好きにしろ」

「怒らないでくださいカガミヤさん! ごめんなさい!!

「怒らないでくれカガミヤ! 俺達が悪かったから!!」


 二人が後ろでギャーギャー言っているが、俺の親切心を無下にした罪は重いんだからな、俺はしーらね。


「二人、項垂れているけどいいの?」

「別にいい、あいつらが悪い」

「大人げないね」

「うるさい」


 口に手を添えていてもわかるぞお前、笑ってるだろう。

 何でこんなにも疲れないといけないんだよ、まったく……。


「それで、オスクリタ海底に戻るの?」

「戻る、寝る。マジで今回は色々ジェットコースターだったから、体に疲労が残っている感じ。一週間はゆっくり休みたい」

「すぐに次のダンジョンに向かって報酬をゲットしようとか言うと思ったんだけど、意外だね」

「お腹が空いては戦は出来ぬ。疲れている体にムチ打ってダンジョンに向かっても、無駄骨に終わるかもしれないし、簡単に終わらせることが出来るのに、疲労という物のせいで苦労するという事態を引き起こす可能性もある。そうならないために、体をしっかりと休めて、楽をしてダンジョン攻略をしたい」


 アルカとリヒトには再度、ここに残って買い物を楽しみたいのなら好きにしろと伝え、俺とアマリアはオスクリタ海底に戻った。


 ロゼ姫とグレールは感染症についてや冒険者への入隊の為バタバタしている。


 今は特に用があるわけじゃないから、邪魔だけはしないように部屋に戻りベットにダイブ。


 ふわふわなマットレスに体を預けた瞬間、自分が思っていた以上に疲労が体に蓄積されていたらしく、アマリアの呼びかけに答えることなく意識を手放した。


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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