仲間を売ったわけではなく効率の良い選択をしただけだ
俺達が修行している時に、リヒトとロゼ姫が話していたことを掻い摘んで話してくれた。
「私にロゼ姫様は言って下さったのです。私達のことを、”お互いに高め合い、支え合えるチーム”と。その時、ロゼ姫様は”自身で感じて、冒険者の大変さを知り、命の大事さを感じたいのです”と言っていたのです」
「なるほど。俺達と共に冒険者として動き、色々経験していきたいという事か。今の姫という立場では難しいが、俺達と共に冒険者になれば問題ないという事か」
俺の質問に、ロゼ姫は軽く頷いた。
「そうです」
「だが、それは難しいんじゃないか? まず、冒険者になる事を親が認めてくれるのか?」
「チサト様が言って下さればおそらく可能です」
「俺を利用するな」
こいつ、俺をまたあの地獄に行かせるつもりだ。
絶対に嫌だよ、俺はもう行きたくない。また頬やら頭やらを握られたり触られたくない。
「ですが、私の魔法は少々使えるかと思いますよ?」
「確かに酸の魔法は使えるし、強い。だがな…………」
「私が行けばグレールも共に行けます」
「本人に確認せずでいいのか…………」
グレールを見ると、表情一つ変えずに頷いている。
まっ、わかってはいた。
「でもよぉ…………」
めんどくさい、あの親を説得するのは本当にめんどくさい。
姫という名前だけで融通が利くことが多いと予想は出来る。
グレールのような強い執事も付いてくるし、いい事は沢山あるのは理解している。
だが、説得がなぁ………。
「カガミヤ、そんなに大変な人なのか? 王妃様」
「そうだ、本当にたいへっ…………」
そういえば、アルカとリヒト、こいつら……顔はいいよな。
アルカもイケメンというよりかは可愛い系の顔、リヒトも同じ。
王妃がイケメン系が好きなのなら効果は薄いだろうが、王はどっちかというと身長低かったし可愛い系の顔だっただろう。
可愛い系も好きなはず―――よしっ。
「アルカとリヒト、お前らの出番だ」
「「…………え?」」
※
「む、無理無理無理!!!」
「何を考えているんですかカガミヤさん!! 私達に王妃様の説得なんて、絶対に無理ですよ!!」
「いける、お前らならいける。大丈夫だ、ただお願いするだけでいい」
「「絶対にむりぃぃぃいいいいい!!!」」
王妃と王の部屋の前に移動し、ドアを開けさせようとしても、二人は頑なに開けない。
何度俺達が大丈夫と言っても、怯えてしまってこの様。
もう、力技で行くしか…………。
アルカとリヒト、俺で取っ組み合いをしていると、王妃達がいる扉が開かれた。
「何をしているのですか」
「「あっ…………」」
王妃が扉から出てきてしまった。
取っ組み合いしていた俺達を見下ろしてくる。これは、逃げた方がいいか?
「あ、あの…………」
「すまんでした…………」
二人が涙目。
そりゃそうだ、王妃に無言で見下ろされているのだから。
俺はもうこいつの恐ろしさを知っているから、もう虚無。意識が来ないことを祈ります。
「…………貴方達、なんてかわいいのぉぉぉお!!!」
――――――ぎゅっ!!!
「「え、ぇぇぇええ!?」」
アルカとリヒトに王妃の意識が逸れた瞬間に、俺は隙間を縫ってその場からはなれてっと。
よしよし、おしくらまんじゅう状態の三人から逃げる事が出来た。
「はぁ、助かった…………」
「いえ、こちらも安全地帯ではありませんよ」
「え?」
あ、あれ? グレールの顔が青い?
表情は真顔だけど、気づかれないくらいゆっくりロゼ姫から離れているような気がする。
ロゼ姫を見ると…………あっ。
「お~か~あ~さ~ま~。アルカ様で我慢してください。リヒト様は私のですよ」
「あら、ロゼ。駄目よ、この子二人は私のよ、いくら娘であるロゼでも譲れないわ」
「駄目です、私の方が先にリヒト様に出会ったのです。返してください」
「嫌よ、親孝行と思いなさい、ロゼ」
「お断りさせていただきます。早く、リヒト様から手を離してください。今すぐに」
「嫌よ、絶対に嫌」
ロゼ姫がリヒトの手を掴み、王妃も離さない。
だが、アルカも抱かれているから離れることが出来ず、二人は俺に助けを求めてきた。涙目で。
俺も助けを求めるようにアマリアとグレール、ヒュース皇子に目線を向けるが、一気に顔を逸らされた。
これは…………うん。
アルカとリヒト達に任せよう。そういう意味を込めて親指を立てた。
「さて、後は二人に任せて俺達は寝るぞ」
「「「はーい」」」
「「まってくださぁぁぁぁああああい!!!!」」
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