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お願いだから待ってください

 何をいきなり言ってんだこのくそばばぁ。

 俺がこいつの婚約者? 寝言は寝てても言うな。


「貴方の活躍はロゼから少し聞いております。今まで大変な思いをしてきたことも伺っております。婿入りしていただければ、冒険者をやめていただく形にはなってしまいますが、不自由はさせないと言い切りましょう。それと、貴方が求める財宝、お金も準備いたします。悪い条件ではないかと思うのですが、いかがでしょう」



 …………………………ゴクッ。



 ――――――ゴスッ



『うっ、何しやがるヒュース皇子様よぉ…………』

『財宝もらえるなら悪くないなどと考えていただろう。今はそのような話をしているわけではない』

『わかっているっつーの』


 後ろからヒュース皇子が俺の腰を攻撃してきやがった。

 このやろう、おじさんの腰はデリケートなんだぞ。もう少し優しくしてくれよ。


 王妃と王に聞こえないように話していると、確認するように再度王妃が問いかけてきた。


「いかがでしょうか、勇敢なる冒険者よ」

「…………ものすごく、本当にものすごくいい話ではあるのですが、私も冒険者をやめられない理由がございます。そのため、その話に乗るのは難しいです。ありがたいお話でしたが、今回は…………」

「でしたら、冒険者はやめなくて大丈夫です。この城に住み、ロゼと共に生活をしていただきたい」

「それも難しいかと思います。冒険者というのは様々なところに出向いて財宝や報酬を手に入れる職業なので」


 ──────ゴスッ


「~~~~~~間違えました。冒険者とは、人の願いを叶えたり、ダンジョンをクリアしお互い高めあえる職業なので!!」


 またしても後ろからヒュース皇子が俺の腰をぶん殴りやがった。

 今回のはさっきより強かったし、結構痛い。

 同じ態勢だったから体も辛くなってきているんだぞ、攻撃はやめてくれ。


「では、せめて婚約だけはしていただけないでしょうか。ロゼが貴方のお話をしていた時、すごく楽しそうでした。あまり笑顔を人に見せないロゼがあそこまで楽しそうに話していたので、少なからず貴方には気を許しているということです」


 腰をさすりながら話を聞き、確認するように後ろを肩越しに見てみる。


 ロゼ姫の表情は一つも変わらない。これは鉄仮面だからなのか、普通に何とも思っていないだけか。


 なにか思われていても困るがな。


「ちなみになのですが、どのようなお話を?」

「貴方のチームは結束力があり、素敵なチームだと聞いております」

「……魔法使いの子について、沢山話していませんでしたか?」

「そうね。チームの話をするたび、魔法使いの子の名前は出てきていました。名前は確か、リヒトさん。そんな素敵な子をチームに選び、共に行動している貴方のことも沢山の話を聞いております。修行を頑張っているなども」


 あー、なるほど。

 リヒトの話をするついでに、俺とアルカの話もしたということだろうねぇ。

 リヒトの話をしているロゼ姫が楽しくお話をしていたと言うことだろう。わかりやすいな。


「それは俺……こほん、私ではなくリヒトの話を楽しくしていたのでしょう。決して私ではないため、その婚約は誰も幸せにはなりません。先ほどの話はなかったことにさせてください」

「これから共に行動すれば、相手のことがわかりお互い惹かれ合うでしょう。最初はどうしても他人から始まるため、断りたい気持ちは仕方がないです」

「いえ、そのような話ではなく…………」

「安心してください、貴方になら娘であるロゼを任せられます。これから共に生活して、相手のことがわかれば素敵な結婚生活を送ることができるでしょう。お膳立てはさせていただきますので安心してください」

「いや、だから…………」

「では、まずはデートから考えましょうか。デートスポットは事前にしらべて――……」

「おい待てや王妃!!! 話を勝手に進めんじゃねぇよ!!」


 体を起こし、腹から声を張らげ、興奮してきた王妃の思考を強制的に止めさせた。


「まず、俺は誰とも婚約する気はねぇし、ロゼ姫も俺ではなくリヒトを気に入っている。今の俺達は依頼主の娘と冒険者。これから関わるかもわからないし、思い出とかも特にねぇ。財力を使って人の気持ちを無視し、勝手に話を進めるな!!」


 俺がここまで言い切ると、周りに立っていた近衛兵が動き出し、俺に持っていた槍を向けてくる。


 こいつらを相手にするのは別に構わない、負ける気が一切しないからな。

 そんなことより、王妃の暴走を止める方を優先しないと、やいのやいので婚約の話が進んでしまう。


 後ろを向くと、何も言わないロゼ姫だったが、顔色が悪い。

 真っ青になって気まずそうに眼をそらしている。


 おい、その顔って、もしかしてだが、俺との婚約が嫌すぎるあまり真っ青になっているわけじゃねぇよな?? それだとさすがに悲しいんだが?


 苦笑いを浮かべていると、先ほどまで黙っていた王がやっと話し出した。


「レイラよ、もしかしてだが。単純に、あの者を城に置いておきたいだけではないか?」


 ――――ん? 

 え、俺を城に? それはなぜ?


「…………そうですよ、王様。私は、あの者を私の手の届くところに置いておきたい。だって、あんなにイケメンなのだから!!」


 ……………………はい?(二回目)

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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