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テラコヤス転生

作者: 國金あくろ

 箱の中で安らかに


暗闇、静かに横たわる高齢の男性

天寿を全うして箱の中で深い眠りについていた‥‥


その男が関係した作品の音楽が流れるお通夜の会場

声優やファン、アニメやゲームなどの業界関係者が数万人訪れ

その男を偲び冥福を祈りながら悲しみに暮れている。


この男は数多の役を演じ またその役達は大勢から愛された。

ダンディなヒーロー、クールな敵役、気ままな風来坊など幅広い。

訪れた人達はそれぞれが愛したキャラクター達を思い出しながら

流れる涙に頬を濡らす。


数万人の多種多様なキャラクター愛に包まれているその混沌とした空間。

何も知らず秘石が装飾されたブローチを身に着けた声優の一人が

お焼香をあげるためにお通夜の会場の奥へと足を運ぶ。


それがある儀式をおこなう条件を満たしてしまう。(*1)

奥に歩くにつれて秘石が周囲の魔と化した愛を吸収して内側の煌きが増していく。

そして手を合わせ祈りをささげていると秘石にヒビが入り閃光と共に砕け散った。



 テラコヤス空間


「ただ壊す『しょうがねぇ』この腐った世界を」

声色の違う声が左右から聞こえ、時に重なりこだまするように響く


「『孤独になる』宇宙にとって『あなたが「私に」俺が』枚数『旅を』」

黒い影達が発する声が重なり増えていく


〈ソアエンルナガコシデニーノルナソテイーデニーノーハームモナムモナレヲランイサバ〉

増えすぎた影と声が繋がり混ざり合いそして分かれながら光へ包まれていく



 長男コヤス


「ニババ!ラーレ!エキタ!」

ローブに身を包んだ高位召喚師である≪魔を食らう者≫は喜んでいた。

異世界の力を持つ魔の結晶がたくさん出現したのを見たからである。

秘石トラップによる召喚が成功しても通常は1つの結晶しか取れない。


箱の中で深い眠りについたはずの男はその体を媒介とし

集まった魔をクラスタリング(分類)して8つの魔の結晶となっていた。


1つの魔の結晶が膨れて熱を持ち揺れていた。

((ゴゴ……。ゴゴ……))

その魔の結晶は飴細工を伸ばすように変形していく。

四方に枝のように伸び手と足の形を作り

そして胴体に顔も浮かび上がってきた。

(GO…GO…!マイフレンド…!)



―――――――――――――――――――――――――――

*1「蝕魔の儀」

それは大量の生贄の魔を秘石に捧げることで

秘石が元々存在した異世界へと通じる門を生じさせる儀式

門を抜ける間に集まった魔が結晶化させる。

その秘石は時空・世界線を越えバラまかれていた。


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