プロローグ
温かい目で見てください
プロローグ
2020年 12月31日
さて、まず最初にこの文に触れた読者の皆さんには、一つ断っておきたいことがある。おそらく、読者の方々はきっと、あの日起きた事について何か知れるのではないか、僕が何か世界に向けてメッセージを発信しているのではないか、などと思いこの本を手に取ったと思う。そうした方々には、この本を読み終えた時にきっとがっかりさせてしまうであろう事を、先にお詫びしておく。あの日の事のほとんどはニュース等で報道されているし、今更僕が語るような事は何もない。また、あの日の事について僕は誰かを訴えたり、何かを変えようとしたりするつもりは無い。なぜなら何が正しいかなんて、僕にはもちろん、誰にも分からないのだ。じゃあこんな本出すなよ、というご指摘があるかもしれない。あの事件の事を説明してあるような宣伝をして、紛らわしいじゃないか、結局あんたは何がしたいんだ、と。そのご指摘はもっともであり、その事に関しては本当に申し訳なく思うのだが、僕にだって生活がある。お金がいるのだ。だから利用出来るものは何だって利用する。結果詐欺のような宣伝をしてしまったが、そこはどうか許していただきたい。
長々と前置きをしてしまったが、これから僕が語るのは、あの日、あの事件の時に、僕が何を感じたのか、どう思ったのかをただ述べるだけである。先程言ったように、誰かを非難したりするつもりはない。日記のようなものと思って読んでいただけたら幸いだ。それでは、皆さまにとってこの本が少しでも何かのためになる事を願って、ここに前書きを閉じさせていただく。