コロナのファクターⅩと三密に不足している+αを考察する
前回、新型コロナウィルスが日本で思ったほど感染、死者数が少ないことについて、5つの仮説を書いた。①マスクの装着率②手洗い、風呂、うがいの慣習③牛肉(チーズ含む)の摂取量④土足厳禁の生活様式⑤雨。
約1か月ほど前に書いたものだが、その後の専門家等の意見を聞いても、決して間違ったものではないと確信している。その後、大阪府の吉村知事などが、「ファクターⅩ」という表現を使用しているが、言っていることが、同じことだと思っている。ただ、この中のどれかが顕著に効果があるのか、あるいは複合的に効果をもたらしているのかはまだ不明だが、間違いなくファクターⅩの要素はこの中にあると思う。
マスクについては、これまで否定的だったWHOも感染予防には相変わらず否定的だが、感染拡大を防ぐ効果=感染予防という意味で、効果を認めるようになっている。新型コロナの怖さの一つは半分が無症状感染者であること。つまり、自分自身が感染していることを自覚できずに、人に移してしまう可能性が高いことだ。だからこそ、他の感染症(インフルエンザ等)と比較しても、感染拡大に効果的なのだと思われる。
また、この間で多くの意見がでてきてるのが、土足厳禁である。人が吐いた唾やくしゃみなどによる飛沫として噴出したウィルスが道路に付着する。それを踏んだ靴で室内にあがることは、どんなに清潔にしていても、人が出入りすれば、たちまち室内は保菌状態になる。日本人はそれを玄関で止める。この効果は実は絶大だと思われる。
さらに、手洗い、うがい、お風呂である。これらの基本的習慣が日本人がコロナに感染しにくい土壌を作り出しているのは間違いない。
そして、雨。これはまだ着目している人は少ない(これも不明。なんでもっと取り上げる人がいないのだろう)が、間違いなく雨が日本のコロナ感染が少なく済んでいる要因にある。日本、特に東京(関東)は、4月以降、何度かまとまった雨が降った。前述したが、ウィルスの伝染の一つの手段として、道路に付着したウィルスが靴などに再付着し、家に入り込むことが考えられる。だが、まとまった雨(これが例えば1時間に5ミリなのか、10ミリなのか、1日20ミリなのか、50ミリなのか不明)が、こうした市中の菌を洗い流していることが感染拡大を防いでくれているのは間違いない。これは一種の天恵であり、昔でいえば神風のたぐいだと思う。(だから、昔から日本では欧米に比べて感染症の被害が小さいのだと思う)
政府(専門家会議)が対策として打ち上げた三密(密集、密閉、密接)だが、一見、わかりやすくゴロも良いので、瞬く間に日本中に浸透したが、実は、これは半分あっていて、半分不足していると思っている。一番大事なものが抜けているのだ。それが「会話」だと思っている。三密で必ず感染拡大するのであれば、多くの人が考えるように通勤電車はクラスターだらけのはずだ。しかし、通勤電車ではクラスターが発生したという報告はない。ここに一つの答えがある。
それが会話(しゃべる、発声、歌うなども含まれる)である。つまり会話+密集、会話+密接、会話+密閉で感染拡大が増加するわけで、単に三密だけではあまり感染拡大にはつながらないと思っている。(ただ、密接は密接の仕方=ハグ、キス等は会話がなくても危ないが)
だから、私自身は、先日まで買い物に行く際は、マスクはしていかなかった。買い物で会話することがなかったからだ。ただ、先日よりスーパーの入り口に「入店時はマスクを着用のこと」と明示されるようになって、今はマスクをしていっているが、基本的には不要だと思っている。(花粉症や鼻やのどに持病があり、せきやくしゃみをしがちな人はマスクは必要)
そういう意味では、映画館や観劇(クラシックコンサート等含む)などは声を発声しないことを条件に認めても大丈夫だと思っている。むしろ、声を出して笑う寄席などのほうが危ないと言わざるを得ない。
実は、この声もファクターXの一つなのかもしれない。日本語は比較的唾の飛びにくい言語だと思われる。1音節に必ず母音が1つ含まれるため、破裂音が少なく、そのため飛沫も少ないと思われる。これは国民性もあるかもしれないが、大声で話す人も比較的少ない。(欧米や、韓国、中国などに行くと、街中で喧嘩しているのかと思うほど大声で話している人が多い)日本語は声の音であり、英語は息の音と表現している人もいるようだ。この違いが、ファクターXの要因になっている可能性は否定できない。
新型コロナウィルスはまだ第一波も収束していないし、現状でまだ日本国内では1%にも満たない感染者しか発生していない。これは喜ぶべきことではあるが、集団免疫という観点からものをいえば、100年以上コロナと付き合わなければいけないというの考えなければいけない。
もちろん、数年後にはワクチンや特効薬が誕生していることだろうが、日本人特有のファクターXを早く特定して、日本人全体が把握し、理解し、コロナと正しく向き合っていく必要があるのだろう。